自然美あふれる渓谷沿いの風景や、歴史ある町並み、登録有形文化財にも指定されている趣きのある駅舎など、多くの魅力に満ちた「わたらせ渓谷鐵道」沿線の7つの駅の見どころと、周辺の観光スポットや魅力をご紹介します。
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わたらせ渓谷鐵道(てつどう)って?
わたらせ渓谷鐡道とは、群馬県と栃木県の県境を流れる、渡良瀬渓谷に沿って走るローカル線で、足尾銅山で産出される銅を運ぶために大正3年(1914年)に全線が開業。足尾銅山の最盛期の銅産出量は日本の鉱山資源の約4割もまかなっていましたが、徐々に衰退し昭和48年(1973年)に閉山しました。
駅舎や沿線には、国の登録有形文化財に指定された場所が38施設もあります。2つの県にまたがる鉄道施設全線の登録は、全国でも初めてでした。
一時は廃線の危機もありましたが、今では一度は乗ってみたいローカル線の上位に選ばれる人気の路線で、「わ鐵」の愛称で親しまれ、花々が咲く春や新緑の初夏、紅葉シーズンには、多くの観光客が訪れます。特に渓谷の爽やかな景色を風と共に楽しめるトロッコ列車が人気です。
- わたらせ渓谷鐵道トロッコ列車
- みどり市 / 乗り物 / 女子旅
- 住所:群馬県みどり市大間々町大間々1603−1地図で見る
- 電話:0277-73-2110
- Web:http://www.watetsu.com/torokko.html
- わたらせ渓谷鐵道
- みどり市 / 乗り物 / 紅葉
- 住所:大間々駅:群馬県みどり市大間々町大間々地図で見る
- 電話:0277-72-1117(大間々駅)
- Web:http://www.watetsu.com/
沿線駅の紹介と観光スポット
わたらせ渓谷鐡道は、群馬県の桐生駅を始発駅として、栃木県の間藤(まとう)駅まで全長44.1kmの区間に、17の駅舎が設置されています。そのうち7つの駅舎と、周辺の観光スポットをご紹介します。
桐生(きりゅう)駅
桐生駅は、群馬県桐生市にある、わたらせ渓谷鐡道の始発駅。桐生は奈良時代から織物の町として発展してきた町です。当時の繁栄を物語る建物などが多く残されており、町歩きが楽しめます。
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大間々(おおまま)駅
大間々駅は、桐生駅から4つめの駅で、「トロッコわっしー号」の停車駅かつ、「トロッコわたらせ渓谷号」の始発・終着駅でもあるので、週末には、とても賑わっています。この大間々町には、散策スポットが多いので、ぜひ街歩きを楽しみましょう。
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上神梅(かみかんばい)駅
大間々駅の次の駅が、テレビや映画のロケに使われる駅舎として有名な上神梅駅。大正元年に竣工した木造平屋建ての駅舎で、苔むした待合室の屋根や、手書きの駅名など、今もなお大正から昭和の風情を漂わせています。
待合室に掲げられた小学生の習字や絵、隅っこに重ねられている薄いざぶとん、微妙に傾いている木製の改札口、色づいたほおずき、タイムスリップしたような、ずっとそこにいたような、ゆるやかで居心地の良い空気が流れている駅です。
水沼駅
桐生駅から7つめの駅が、駅舎の中に温泉センター・せせらぎの湯がある水沼駅になります。渡良瀬川上流の「釜が淵の河童伝説」にちなんで、「かっぱ風呂」とも呼ばれていて、なんと露天風呂まであります。無人駅ではありますが、温泉センター内には、お食事処や土産店もあり、大変賑わっています。
- 水沼駅温泉センター
- 桐生市 / 日帰り温泉
- 住所:群馬県桐生市黒保根町水沼120-1地図で見る
- 電話:0277-96-2500
- Web:http://www.mizunuma-sb.com/
黒保根ホタルの里/八木原の里
駅から2分の場所にある橋の周辺には、夏の夜になると、たくさんのホタルが見られる黒保根ホタルの里や、秋になると満開の彼岸花が見られる八木原の里があります。
神戸(ごうど)駅
「列車レストラン・清流」が設置されている神戸駅も、わたらせ渓谷鐡道の中で人気の駅です。レストランになっている客車は、東武デラックス・ロマンスカーとして走っていた、当時の車両を改装したものです。清流の車内では、「トロッコ弁当」「やまと豚弁当」など、名物駅弁やそばを頂くことが出来ます。
また、春には桜や花桃の木が満開になることで、フォトスポットとして人気の駅舎です。秋にはコスモスが出迎えてくれます。駅舎内では、名物おじさんが、お土産や手作り野菜を販売しています。
草木湖/草木ダム展望台
渡良瀬川上流に設置されているダムで、東京都をはじめとする工業、水道用水の確保や、渡良瀬川沿岸地域の農業用水、水力発電を行うことを目的として建設された多目的ダムです。毎年8月の草木湖まつりでは、ダム内部の見学会が実施されています。神戸駅から路線バスで約5分です。
富弘美術館
不慮の事故で手足の自由を失った星野富弘氏が、口に筆を加えて描いた作品が展示されています。鋭い観察力と繊細なタッチ、慈愛に満ちた文章など、星野氏の優しさに触れ、温かい気持ちでいっぱいになる美術館です。神戸駅から路線バスで約10分です。
- 道の駅 富弘美術館
- みどり市 / 道の駅・サービスエリア / 雨の日観光 / 美術館
- 住所:群馬県みどり市東町草木86番地地図で見る
- 電話:0277-95-6333
- Web:http://www.city.midori.gunma.jp/tomihiro/
通洞(つうどう)駅
実際の坑道跡を見学できる足尾銅山観光の玄関駅で、旧・足尾銅山通洞坑の遺構や油力変電所の廃墟とともに、時間が止まったような風景が広がります。通洞とは鉱山用語で、山を掘削した際の坑道を表す言葉で、地名にもなっています。
足尾銅山
かつて「日本一の鉱都」と呼ばれた足尾銅山の坑内観光施設です。1973年(昭和48年)に閉山となりましたが、現在全長700mの坑道をトロッコ電車で見学できます。構内の終点からは、順路に沿って歩いての見学です。当時の厳しい鉱石採掘の様子が、人形などで再現されており、足尾銅山の歴史や鉱山の内容、坑内作業の過酷さなどが理解できる施設です。
- 足尾銅山観光
- 日光 / 博物館 / 一人旅 / 観光名所 / ツーリング
- 住所:栃木県日光市足尾町通洞9−2地図で見る
- 電話:0288-93-3240
- Web:http://www.nikko-kankou.org/spot/28/
足尾駅
当時の足尾町は、鉱山会社の本社が置かれ、栃木県内では、宇都宮市に次ぎ2位の人口を誇ったこともあり、通洞駅以上に賑わっていたようですが、現在はひっそりとした静かな駅舎です。映画『海街(うみまち)diary』で姉妹が父親の葬儀のために到着した駅として撮影が行われました。
さいごに
わたらせ渓谷鐡道沿線は、レトロ好きにはたまらない魅力にあふれたスポットが目白押しです。わたらせ鐡道で、のんびり鉄道旅を楽しむもよし、車で沿線をドライブするもよし、様々な楽しみ方ができると思います。ぜひお出かけください。