アメリカ大陸の3大文明の1つであり、今なお多くの謎に包まれているマヤ文明。メキシコのユカタン半島には、そんなマヤ文明の遺跡が数多く残されています。今回は特におすすめの4カ所を厳選して紹介します。
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謎多き「マヤ文明」
マヤ文明は紀元前300年ほどから16世紀頃まで栄えた古代文明の1つで、現在のメキシコ・グアテマラ・ホンジュラスで発展しました。「マヤ暦」と呼ばれる高度な天体観測技術は、現代でも解明されておらず、謎が多い文明と言われています。
そんな高度な文明をもっていたにも関わらず、ヨーロッパ系の民族がアメリカ大陸に到達する前に忽然と姿を消しています。火山の噴火、超大型ハリケーン、地震、干ばつなど様々な説が挙げられていますが事実は解明されていません。
【1】パカル王が眠っていた密林の遺跡「パレンケ」
宮殿を中心とした“マヤ遺跡の典型”とも言える建物群。615年にわずか12歳という若さで王位に就き、その後68年間もパレンケを支配したと言われるパカル王とその息子の手により造られたとされています。
有名なのが「碑銘の神殿」で見つかった翡翠(ヒスイ)の仮面。当時もっとも高価とされたヒスイで作られた仮面をつけた遺体が横2m、縦4mの大きな石棺から発見されました。ヒスイの仮面は時価数百億円とも言われ、ツタンカーメンの黄金のマスクと並ぶほどの世紀の大発見でした。
隣接する博物館で棺を見ることが出来ます。
宇宙船のような乗り物を操作しているようだということでオーパーツとしても話題になりました。
そしてパレンケ遺跡の中心部に位置するのが「宮殿」と呼ばれる遺跡です。王家の住まいであったと推測されています。写真の右奥に見える4階建ての塔は他のマヤの建築では例がなく、四面が東西南北を向いていることから天体観測に用いられていたと考えられています。
パレンケ遺跡はかなり広いので有名な遺跡の他にも多くの見どころがあります。筆者が気に入ったのは遺跡の南にあるジャングルに覆われたエリア。こちらは人も少なく自分のペースで静かに遺跡を見ることができます。時の流れを感じ、当時の人々の暮らしを想像してみるのもおすすめです。
遺跡までの行き方
パレンケの町のバスターミナルから出るコレクティーボ(乗り合いタクシー)で行くことができます。所要時間は約20分で、料金は片道20ペソ(110円)ほどになります。遺跡を見た後も先述した博物館の近くで簡単にコレクティーボは見つけられます。
- パレンケ遺跡
- メキシコ / 遺跡・史跡
- 住所:Carretera a Palenque- Zona Archaeologica Km. 8, 29960 Palenque, Chis., メキシコ地図で見る
- Web:https://www.inah.gob.mx/zonas/163-zona-arqueologic...
【2】ピラミッドが美しい「ウシュマル」
マヤの遺跡の中でも保存状態が極めて良いとされている遺跡です。一番の見所は魔法使いが温めた卵から産まれた小人が一夜で建てたと言われている「魔法使いのピラミッド」です。
世界中にピラミッドは数多く現存していますが、このピラミッドは丸みを帯びた形状をしており、さらにはその大きさ(高さ36.5m、長さ73m、幅36.5m)と美しさから人々を魅了しています。
- 魔法使いのピラミッド
- メキシコ / 遺跡・史跡
- 住所:Carretera Federal 261 Merida-Santa Elena, Uxmal, Yuc., メキシコ地図で見る
魔法使いのピラミッドの西にあるのが、ウシュマルのハイライトともいえる華麗な建築物である尼僧院。中庭を囲むよう造られていて、東西南北に異なったデザインが見られます。
双頭のジャガーの奥にあるのは「総督の館」。
長さ187m、幅153m、高さ12mの基盤の上に、長さ100mの巨大な建物が堂々と佇んでいます。大きさ、迫力、壁面のモザイクの緻密さ、どれをとっても現存するマヤ建築の最高峰といえるでしょう。
遺跡のあちこちにイグアナがいるので、彼らを眺めるのも面白いです。
遺跡までの行き方
メリダからバスで約2時間です。バスは大通りに停まるので遺跡の入り口まで5分ほど歩く必要があります。筆者は遺跡近くのムナという町からコレクティーボで遺跡に行きました。コレクティーボの場合は遺跡の目の前まで入っていってくれました。