長崎県にある出島は日本の鎖国時代、唯一世界へ開かれていた貿易の窓口でした。この出島については日本史などで習い知っている方も多いと思います。しかし!現在の出島は?当時の建物が復元され、侍の衣装を着たスタッフが出島内を案内してくれる、まるで小さなテーマパークになっています。そこは和と洋の文化が入り交じり、異国情緒溢れる素敵な場所に。古くて新しい、お洒落な出島へ出かけましょう!
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出島の歴史
出島の誕生
1571年にポルトガル船が入港し、それ以来長崎は日本唯一の海外との貿易の窓口となり、発展を続けてきました。
教科書で見る扇形の出島になったのは、1636年。徳川幕府の命により、長崎の25人の町人達の出資により構築されました。当時、徳川幕府が貿易の拳握とキリスト教の広まりを防ぐ為に、扇形の突き出た出島を作ったのです。
出島完成の翌年、1637年に島原・天草一揆が起こり、1639年にはポルトガル船の来航は禁止され、後、オランダとの交流が幕末まで行われていました。
出島の変遷
1859年以降は横浜や函館でも海外貿易が行われるようになり、長崎でも貿易の中心は出島からグラバーなどが活躍した現在のグラバー園周辺へ移っていきました。
役割を終えた出島は周囲の埋め立てなどにより、次第に都市の中へと埋もれて行き、扇の形も失われていきました。
現在の出島は小さな歴史テーマパーク
第二次世界大戦後、出島の復元計画が動き出します。元々は町民の所有地だった為、長崎市は50年をかけ公有化し、復元を進めていきました。現在では「出島和蘭商館跡(でじまおらんだしょうかんあと)」に16棟の建物が建ち、19世紀当初の街並みが甦っています。
一歩出島へ入ると異国情緒溢れる、おしゃれな街並みが現れます。その世界観を壊すことなく、着物を着たスタッフが出島を案内してくれますよ。
以下より、そんな出島和蘭商館跡での見どころを紹介します。
復元された出島の建物を紹介
和と洋のMixがおしゃれ!「カピタン部屋」
「出島和蘭商館跡」の中で、一番の見どころと言って良い「カピタン部屋」。聞きなれない「カピタン」と言う言葉は「オランダ商館長」の意味だそう。英語でいうキャプテンと言う事ですね。
カピタン部屋の1階は体験展示が楽しめるようになっており、2階にはオランダ商館長が暮らした居住スペースの展示がされています。
2階正面には広い畳の部屋があります。西洋の装飾がほどこされたランプや、和と洋がMixされた壁紙など、異国情緒溢れる古いけれどお洒落な雰囲気が楽しめます。
入口すぐ横には商館の事務所として使われた15畳の部屋があり、美しいアンティーク家具などが設えてあります。
奥に進むと、35畳もある大広間があり、外国の方々が日本で催したクリスマスディナーテーブルが再現されています。とても豪華な食事がずらりと並んでいますよ!豚の頭がテーブルに乘っているのは驚きです。
しかし、キリスト教ご法度の時代でしたので、冬至を祝う宴と称して、クリスマスをこっそりと祝っていたそうです。
さらに奥へ進むと涼所と言う部屋があります。当時、こちらの部屋からは間近に海が臨め、船の往来を見られたそうです。
外から見た窓枠は、コントラストが効いてひと際目を引きます。手すりも美しいですね。
カピタン部屋はオランダ館長の事務所や住居として使用された他、日本の役人や大名が訪れた際は接待所としても使われていたそうです。
食事が楽しめる「旧長崎内外クラブ」
明治32年にトーマス・グラバーの息子、倉場富三郎らの尽力により長崎の外国人と日本人の社交場として設立した「長崎内外倶楽部」があった建物。現在の建物は明治36年に建てられた、英国明治洋風建築です。
現在はレストランになっており、中では食事が楽しめます。
長崎から始まるシュガーロードを支えた「三番蔵」
ポルトガルから始まり、オランダ、中国との貿易で輸入された砂糖が貯蔵されていた三番蔵。1759年には現在の金額でおよそ24億円もの砂糖が輸入されていました。
長崎では当時貴重なそれらの砂糖を使って、贅沢なカステラなどのお菓子が作られていました。そして、その砂糖は長崎街道を通り、遠く江戸まで運ばれていたそうですよ。
長崎から小倉までの長崎街道の道中には、様々な砂糖を使った名物菓子が誕生しています。
1/15で復元されたミニチュア出島
出島の中にミニチュアの出島が!
1820年頃に川原慶賀が描いたとされる『長崎出島之図』を元に再現されたものです。
- 出島和蘭商館跡
- 長崎 / 遺跡・史跡 / 観光名所 / インスタ映え
- 住所:長崎県長崎市出島6-1地図で見る
- 電話:095-821-7200
- Web:https://nagasakidejima.jp/
海に浮かぶ扇の出島が再び現る!?
17世紀から19世紀にかけ、約200年以上にわたり世界との貿易港として活躍した出島。現在も世界中の方に訪れてもらえるように、2050年頃までに再び海に浮かぶ出島が再現される計画があるそうです。
教科書で見た、海にぽっかり浮かぶ出島を見学できる日が来るかもしれませんね。
終わりに
長崎出島はいかがでしたでしょうか。一度は町に埋もれてしまった出島、歴史的建物を再現し復活しつつあります。これからも進化する出島が楽しみですね!
今回は出島の中でも一部しかご紹介できませんでしたが、他にも見どころは沢山ありますよ!ぜひ、異国情緒溢れる出島を満喫して下さいね!