ひつまぶし、みそカツ、きしめん、天むす、小倉トースト。名古屋名物は1日では制覇しきれないほどたくさんあります。約300の店が集まり、名古屋で一番活気のある商店街「大須」では食べ歩きが盛んで、これらほとんどの名古屋名物を味わうことができます。この大須で、最近新たにブームになっているものがあります。それは「台湾カラアゲ」です。
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台湾カラアゲとは?
台湾の夜市では定番の台湾カラアゲ。何種類もの香辛料を鶏肉にまぶして揚げるのが特徴です。熱々のカラアゲをほおばると八角やシナモンなどのエスニックな香りが鼻に抜けます。
衣に使う粉は小麦粉ではなく、タピオカ粉を使用しているので、最後の1口までサクサクとした食感が続きます。
そんな台湾カラアゲを初めて日本に紹介したのが「李さんの台湾名物屋台」です。お店の経営者の李さん曰く「うちは全部で10種類くらいの香辛料を使っているけど、何が入っているかは企業秘密」なんだそう。
お肉の質にもこだわって、どうすればジューシーになるか、仕上がりがカリっとするかを考えているそうです。そして李さんのこだわりは、いつも揚げたて提供すること。作り置きはせずに必ず注文が入ってから作っています。
カラアゲ激戦区の大須
今から約10年前のこと、李さんの台湾カラアゲが火付け役になり大須にカラアゲブームがやってきました。大須はカラアゲの激戦区となり、最盛期には約100軒ある飲食店のうち、カラアゲ店が20店舗以上を占めていました。
李さんのお店が人気となった秘訣は他にはない特徴があったからなのです。カラアゲ容器は紙コップではなく「こっちの方が美味しそうに見えるでしょ。」とプラスチックの透明カップを使っていました。
さらに、当時はカラアゲもタピオカドリンクもそれぞれ専門店しかありませんでしたが、李さんは両方提供していたのです。
他の店も李さんの店に倣い、同じスタイルをとるようになりました。当時は休日になると、商店街はどこを見渡してもカラアゲのカップとタピオカドリンクを持って歩く人がいたそうです。
今では一時のブームは落ち着き、カラアゲ店の数も9店舗となっています。それでも行列が一番長いのは、やっぱり李さんのお店なのです。
なぜ名古屋から広がったのか
もともと、日本に留学生として来日した李さん。滞在先を名古屋に決めたのは、友人から住みやすい街だと聞いていたことがあるからでした。語学学校に通った後は、料理が好きだったので調理師専門学校にも通いました。
「李さんの台湾名物屋台」を出店したのは、専門学校の友人に誘われたことがきっかけでした。冗談半分で大須に行ったら物件が見つかり、2001年に1号店がオープンしました。
全国に広がる支店
そんな「李さんの台湾名物屋台」は現在大須に3店舗、そのほか愛知県内に2店舗、さらには東京、大阪、富山にも1店舗ずつ支店を構えています。
日本のことが大好きになった李さん。2012年についに日本国籍を取得したのです。日本で商売をするからには日本に骨を埋めるつもりでいたいとの決心からでした。
李さんの夢は、日本全国に「李さんの台湾名物屋台」をつくることです。もっともっと多くの人に台湾の味を知ってもらいたいという想いがあるのです。台湾メディアも、日本初出店の台湾カラアゲの店として何度か取材に訪れたことがあります。いつか、李さんの台湾カラアゲが日本中でお客さんの胃袋をつかむ日が来るかもしれません。
- 李さんの台湾名物屋台(本店)
- 名古屋 / 唐揚げ / 食べ歩き
- 住所:愛知県名古屋市中区大須3-35-10地図で見る
- Web:http://www.lees-taiwan-kitchen.com/shop.html