中華民国総統府(以下、総統府という)は、日本統治時代の1919年に完成した建物です。この建物は、台湾の国家元首である「総統」が執務する官邸として使われ続けており、旅行者の観光名所にもなっています。今回は、そんな歴史ある総統府の内部をご紹介します。
この記事の目次表示
台湾の歴史
台湾は、大東亜戦争終結までは日本の統治下にありました。戦後、中華民国に編入されてから今日までの間、政治・経済の面で独立国家として成長を続けています。現在(2019年8月)、台湾は日本との国交がありませんが、親日国家として良好な関係にある国です。
今回紹介する総統府は、赤レンガと白い花崗岩で造られたルネッサンス様式の風格ある建物です。
戦時中に空襲で一部損壊しましたが、1948年に修復されました。
歴史的な経緯を見ると、日清戦争後の下関条約(1895年)によって清国から台湾を割譲し、1945年の大東亜戦争の敗戦で中華民国に編入されるまでの50年間台湾を統治していた日本は、この間に数々の建築物を建てました。その中には現存する建物も多々あり、総統府のように現在も使用されている建物もあります。
台北のランドマーク「総統府」
総統府は、台北のランドマーク的な存在でもあります。赤と白の壁が美しい異国情緒あふれる建物で、クロスベルト装飾と赤レンガによって建築物の輪郭を表現しています。赤レンガは何世代にも渡る世代を象徴しています。
日本との関わりも深い場所ですので、歴史への認識を深められるスポットです。2016年に中国共産党寄りの政権から一転、民主的な政権への交代が実現してからは、館内の展示内容も一新されました。
現(2019年8月)台湾総統の蔡英文氏の写真パネル。パネルを背景に記念撮影ができるスポットになっています。
現台湾総統の蔡英文氏が描かれたイラスト画も展示されています。
ガイド同伴の見学
総統府は台湾の大統領府に当たるため、普段はとても警備が厳重ですが、平日の午前中と特定日に限って一部が開放され、内部が見学できるようになっています。お越しの際はパスポート又は、居留証を必ずご持参ください。
参観にあたっては、原則として予約が不要となっていますので、入口に並んで待っていてください。時間になると、順番に入場手続きが行われます。
入り口では、警備の方がマシンガンを携えて入場者を監視しています。
平日の参観は月曜~金曜日の午前9時から12時まで(入場は11:30まで)で、入場料は無料。日本語を話すガイド同伴のもと、1階部分のみを見学することができます。
見学は日本人専用ガイドの職員の方(こちらを向いている方)に解説してもらいながら進んでいきます。筆者が訪れた際のガイドの方は大変流暢な日本語を話される方で、日本政府が戦前に台湾に対して行った政策に感謝されていました。
また日本語以外にも、様々な言語ごとに集団が作られ、集団単位で館内の見学が進められていきます。
上の写真は、「総統府」の中庭の様子です
館内には、意見箱も設置されていました。
「総統府」内のグッズ売り場
建物の一角でグッズ販売を行なっており、Tシャツ、キャップ、文具などの総統府オリジナルグッズを手に入れることができます。
上の写真は、総統府をデザインしたキーホルダー(80台湾ドル≒272円)です。
こちらは紋章が入った名刺入れ(150元≒510円)。シルバーの他に赤や黒など数種類が販売されています。
「総統府」までのアクセス
地下鉄MRT「台大医院」駅の出口1を出て公園路を南下し、次の通りで右折して直進した突き当たりが総統府です。
※1台湾元=約3.62円