飛騨牛、高山ラーメンなど、美味しいモノがいっぱいの飛騨・高山。ここに、パン好きなら絶対にチェックしておきたいお店があるんです。その名も「トラン・ブルー」。今回はこのお店の何が「すごい!」のか、ご紹介します。
この記事の目次表示
人気がすごい!
「トラン・ブルー」のドアの前には、下の写真のようなお知らせが出ています。整理券が配られるぐらい人気なんですよ。土日になると、お店の駐車場に交通整理の警備員が出るほどの人気ぶりです。
で、その警備員さんに、本当にたくさん並ぶのかを聞いてみると、飛騨弁でこんな答えが返ってきました。
土曜日や日曜日は、地元の人だけでなく、県外からもお客さんがやって来るんですね。
オーナーシェフがすごい!
「トラン・ブルー」のオーナシェフ成瀬さんは、パン屋さんの4代目として、ここ高山市に生まれました。お父さんの代には、学校や病院の給食用のパンを製造、卸売していたんだそうです。
大学卒業後、東京のホテルオークラなどで修行した後、家業を引き継ぐとともに、自分が本当に美味しいと感じられるパンを焼くために、1989年この「トラン・ブルー」を開店。
2005年には、パリで3年に一度開催されるパンのワールドカップ「クープ・デュ・モンド」の日本代表選手の一人になりました。個人経営のパン屋の職人が、日本代表として選出されるのは史上初だったそうです。この大会では見事、世界第3位の結果を残しました。
その後、2012年に開催された「クープ・デュ・モンド」では、日本代表チームの総監督として采配を振るい、チームが世界一に。また、彼の仕事ぶりがNHKのドキュメンタリー『プロフェッショナル・仕事の流儀』で紹介されたり、自身の本を出版したりと、まさに「すごい!」オーナシェフなのです。
もちろんパンはでぇ~れぇ「すごい!」
「クープ・デュ・モンド」の大会は、各国を代表する職人3人が、それぞれ、バゲットとパン・スペシオ(粉、イースト、水、塩だけで作るパン)、ヴィエノワズリー(デニッシュ・ペストリー系のパン)、飾りパンの部門に出場するのですが、成瀬氏はヴィエノワズリー部門の日本代表でした。
ということで、1番人気はクロワッサンや、デニッシュ・ペストリー系のパンです。クロワッサンは焼き上がりの時間が決まっているので、よほど運がよくなければ、手に入らないかもしれません。それでも、他のデニッシュ系のパンを食べれば、そのすごさがわかります。
上の写真の左から2番目は「クイニィアマン」というフランス・ブルターニュ地方の伝統菓子。表面にかけられた砂糖がガリガリ、ザクザク。でも、パン本体には甘みの中に塩気がきいたバター味でハマります。
ほかの3つのクロワッサン系のパンは、バターのきいた繊細な生地が何層にも重ねられていて、その層の間に含まれる空気で、パリパリでありながらふわふわ、とにかくすごいです。
そのほか、カスタードや果物を使ったデニッシュ、おかず系デニッシュもあります。
生の季節の果物をふんだんに使ったデニッシュは、まるで宝石のよう。これは買ったら即食べたい!
ハード系のパンや食パンも、デニッシュ・ペストリー系に負けず美味!小麦本来の味が楽しめます。
テーブルロールやハイジの白パン、あんパンやクリームパンなどの、いわゆる普通のパンも美味しいです。
パンドーロやパネトーネなど、日持ちのするパンをお土産にするのもいいですね。クリスマス前には例年、ドイツのクリスマスパン「シュトーレン」が売り出されるのですが、もうすでに2019年の予約受付分(4,300本)は完売、2019年11月14日以降店内で販売されるものしか入手できないそうです。
- トランブルー
- 高山 / パン・サンドイッチ / 女子旅 / パン屋
- 住所:岐阜県高山市西之一色町1丁目73-5地図で見る
- 電話:0577-33-3989
- Web:http://www.trainbleu.com/
この記事を書いたトラベルライターから一言
今でこそ「こんな小さな町に、こんなすごいパン屋さんが?」と言わせるパン屋さんが増えてきましたが、「トラン・ブルー」はそんな「地方発すごいパン屋さん」の元祖です。有名店なのに、店員さんや職人さんも親切で丁寧で、値段もそんなに高くないのも人気の秘密だと思います。
人気のクロワッサンの焼き上がりは、平日は朝と午後の2回、土日は3回ということが多いみたいです。観光シーズン以外は並ばず入れる可能性が高いので、平日を狙って行くことをお勧めします。
観光シーズン、それも土日にしか行けない場合は「長い間並んだのに、ほとんどのパンが売り切れ!」ということにならないように、早い時間に行くようにしましょう。(Booboo56 )