かつて平戸藩松浦家の城下町だった長崎県・平戸。1609年にオランダ商船が訪れ、1641年に拠点が出島に移転するまでの間、オランダとの貿易港として栄えました。その面影は現在でも残っており、異国情緒あふれる町並みを求めて多くの観光客が訪れます。今回は平戸の南蛮貿易で栄えた城下町を、平戸オランダ商館から平戸城まで歩いてみましょう。
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南蛮貿易の拠点「平戸オランダ商館」
世界初の株式会社ともいわれる、オランダ東インド会社が1609年に平戸に設置した、平戸オランダ商館。初めは1軒の住宅を借りてスタートしましたが、貿易の規模が拡大するにつれ施設を拡大していき、1639年にはついに写真の建物が完成しました。
外観や構造はオランダ、屋根などは和風という和洋折衷の倉庫です。しかし当時は、禁教令に基づいてキリスト教の弾圧が進んでいる真っ最中でした。
倉庫正面にキリスト生誕にちなんだ西暦の年号(建築年である「1639」という4桁の数字)が示されていたことから、すべての建物が取り壊され、1641年には拠点が出島に移されることになります。それから370年が過ぎた2011年に復元されて、現在に至ります。
内部の柱には、古いもので樹齢700年相当の樹木を使用しています。60キロの石材を21,000個も積みあげ、25,000枚、約50トンもの瓦を使い、屋根を支えるために緻密な小屋組みをするなど、外観だけでなく構造まで緻密に復元されています。
- 平戸オランダ商館
- 長崎 / 博物館 / 穴場観光スポット / 雨の日観光 / ツーリング
- 住所:長崎県平戸市大久保町2477番地地図で見る
- 電話:0950-26-0636
- Web:http://hirado-shoukan.jp/
かつてここで生きていた人々の息吹を感じる小さな遺構たち
平戸オランダ商館から崎方公園にかけて歩いていく途中にも、当時の遺構がいくつか残っているので見逃さないようにしましょう。
石段にそって作られたオランダ塀。商館の内部をのぞかれないように、また火事の時の延焼を防ぐために作られました。
オランダ井戸。商館で働く人々が、調理などに使用しました。深さは8メートルほどで、海岸の近くにありますが井戸水に塩分は混入していませんでした。
平戸らしい石段を歩いていくと見えてくる崎方公園。日本渡来400年を記念した、宣教師フランシスコ・ザビエルの記念碑があります。
崎方公園にある三浦按針(ウィリアム・アダムス)の墓。1600年に日本に漂着し、イギリス人でありながら徳川家康に仕え武士として生きました。1620年に亡くなり、やがて埋葬場所も分からなくなりますが、1954年に公園内に墓が作られました。
- フランシスコ・ザビエル記念碑
- 長崎 / その他スポット
- 住所:長崎県平戸市崎方町2529 崎方公園内地図で見る
松浦氏の歴史を物語る「松浦史料博物館」
松浦史料博物館は、平戸を治めていた松浦氏の私宅として1893年に建てられた建物を利用した博物館です。
平戸藩主松浦家に伝来した資料を保存・公開しており、平戸の歴史を学ぶ上でぜひ訪れてほしい場所です。
- 松浦史料博物館
- 長崎 / 雨の日観光 / 博物館
- 住所:長崎県平戸市鏡川町12番地地図で見る
- 電話:0950-22-2236
- Web:http://www.matsura.or.jp/
左右非対称の教会「平戸ザビエル記念教会」
1931年に建設された、平戸ザビエル記念教会。あわいグリーンの壁と非対称な屋根が特徴です。ミサや冠婚葬祭のタイミングでなければ、中に入って彫刻やステンドグラスを見学することもできます。
- 平戸ザビエル記念教会
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- 住所:長崎県平戸市鏡川町259−1地図で見る