京都、新京極通(しんきょうごくどおり)。多くの地元人や観光客でにぎわう京都中心部の商店街で、京都を訪れた際に通ったことのある方も多いのではないでしょうか。たくさんのお店が並ぶ通りという印象ですが、実は新京極通の中には8つの社寺もあることをご存じですか?ひっきりなしに参拝客が訪れるような有名なお宮もあれば、「あれ、これもお寺?」と思ってしまうようなひっそりと隠れたお寺もあります。今回は、新京極通に並ぶ8つの社寺をめぐる、八社寺詣りをご紹介します。
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新京極通りとは
新京極通りは、三条通りと四条通りを結ぶ、南北に走る商店街です。1872年、東京遷都で衰えていた市民の士気を盛り上げようとして作られました。
映画館や飲食店、お土産屋さんなど様々なジャンルの店が並んでおり、古くからある老舗もあれば、流行のエッセンスを取り入れた新しいお店もあります。京都の中心に位置していて、観光のついでにも立ち寄りやすい、活気にあふれた商店街です。
八社寺詣りをしよう
新京極通りを訪れたのであれば、ぜひ八社寺詣りをしてみましょう。新京極通りに並ぶ8つの社寺を詣ることを八社寺詣りと言います。8つの社寺とは、北から順番に誓願寺、誠心院、西光寺(寅薬師)、蛸薬師堂(永福寺)、安養寺(倒蓮華)、善長寺、錦天満宮、染殿院です。
御朱印帳を持っている人は、ぜひ御朱印集めもやってみましょう。御朱印をいただくには300円をおさめる必要がありますので、硬貨をたくさん用意しておくのを忘れずに。
八社寺詣りに決まった順番はありませんので、好きなところからお詣りします。ここでは、北の三条通りからスタートした場合に、回りやすい順番に社寺をご紹介します。
1.誓願寺
北から南に向かって通りを歩くと、最初に出会うのが、誓願寺(せいがんじ)です。赤のラインと顔出しパネルが印象的ですね。こちらは芸道上達のご利益があるお寺です。芸の道を進む人、上達したい人、習い事をしている人はぜひこちらにお詣りをしましょう。
誓願寺では、清少納言と和泉式部が平安時代に極楽往生しています。清少納言は誓願寺で尼となり、念仏して往生をとげました。和泉式部は、娘に先立たれた悲しみに暮れている時、夢で老僧に「誓願寺で祈るべし」とつげられ、48日間こもって念仏をとなえて尼となり、往生しました。
2.誠心院
2つ目に出会うのは誠心院(せいしんいん)。和泉式部が初代住職を務めたお寺で、知恵授け、恋授けのご利益があると言われています。先ほど訪れた誓願寺で、和泉式部は48日間念仏をとなえましたが、尼となって庵を結んだ庵室(僧や尼が住む質素な住まい)が、この誠心院でした。
3. 西光寺(寅薬師)
次に訪れるのは、西光寺(寅薬師)。開運、厄除け、無病息災のご利益があるお寺です。入り口が大変小さく、気を付けていなければ通り過ぎてしまいそう。
門をくぐって更に進むと、もうひとつ入り口が見えてきます。こちらで「お詣りをしたいのですが」とお伝えするとお詣りさせていただくことができます。「寅薬師」という名は、完成の日が寅の日・寅の刻であったことから名づけられたのだそうです。