京都、狸谷山不動院(たぬきだにさんふどういん)は、京都の一乗寺にある、交通安全や厄除けの祈願で知られるスポットです。祇園や四条の繁華街からは離れていて少しアクセスの不便な場所ではありますが、清水寺や伏見稲荷神社を彷彿とさせるような光景を見ることができたり、お寺の中には何匹もの狸の置物があったりと、少しマニアックな京都の名所です。京都を舞台にした狸が主人公のアニメ『有頂天家族』にも登場するため、ご存じの方もいるかもしれませんね。今回は知る人ぞ知る、狸谷山不動院をご紹介します。
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狸谷山不動院とは
「狸谷山不動院」は、かつて桓武天皇が平安京の城郭東北隅に鬼門守護として「咜怒鬼(たぬき)不動明王」をこの地に祀ったのが始まりだと言われています。「タヌキダニのお不動さん」と言われ、交通安全や厄除け、ガン封じ祈願で知られる寺として親しまれてきました。
最寄駅は市バスの「一乗寺下り松町」駅、または叡山電車の「一乗寺」駅です。
狸谷山不動院に行ってみよう
修行のような階段を登る
最寄り駅から狸谷山不動院の入り口にたどり着くまで、徒歩で20分近くかかります。坂道になっているので、歩きやすい靴で行くことをおすすめします。
入り口では大量の狸たちがお出迎え。そして阪神タイガースの優勝記念碑も!1985年に日本一となった吉田義男監督の名前が刻まれています。吉田監督は当時、毎年選手たちと優勝祈願にこの狸谷山不動院にお参りにきていたのだとか。隣の2003年の記念碑は、星野仙一監督の時のものです。
「たぬき」→「他抜き」→「他を抜く」というところから、芸能やスポーツ関係の方がお参りにくることも多いのだそうです。
たくさんの狸たちにお出迎えしてもらったら、ここからは250段の階段を登らなければいけません。まるで修行のようですが、狸たちが段数を教えてくれます。
途中にはこのように鳥居がずらりと並んでいる光景も。鳥居の数はずっと少ないですが、伏見稲荷神社と少し似ていますね。
階段を登っている途中、左手側に七福神たちの像も並んでいます。
本殿を目指そう
206段まで階段を登ると、平地になります。
そこで最初に見えるのがこの「トイレの神様」の旗。ここに祀られている烏瑟沙摩明王(うすさまみょうおう)は、「この世の一切の汚れを焼きつくす」「不浄を清める力がある」と言われているのだそう。
ここ狸谷山不動院は宮本武蔵ゆかりの地でもあり、武蔵が心の剣を磨いたと言われる小さな滝があります。
更に階段を登るとたどり着くのが本殿。あの有名な清水寺の舞台と同じ「懸崖造り(けんがいづくり)」で作られています。確かに清水の舞台とどことなく似ていますよね。
本殿まできてようやく、250段の階段を登ったことになります。
本殿の周囲にもあちこちに狸の置物が。
自動車祈祷所
狸谷山不動院の境内には、車のお祓い用の祈祷所があります。車で参拝された方はぜひ寄ってみましょう。
京都では、この狸谷山不動院の「追突注意」のステッカーを貼っているタクシーや自動車をよく見かけます。
自動車祈祷所からの眺めもなかなかのものです。
おわりに
たくさんの狸たちやタイガースの記念碑、トイレの神様、清水寺や伏見稲荷神社を思い起こさせる光景など、盛りだくさんなお寺です。たどりつくまでに坂道と250段の階段を乗り越えなければなりませんが、ぜひ行ってみてくださいね。
- 狸谷山不動院
- 大原・鞍馬・貴船・八瀬 / 穴場観光スポット / 寺
- 住所:京都市左京区一乗寺松原町6地図で見る
- Web:http://www.tanukidani.com/