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【埼玉・秩父】長瀞ラインくだりで地球が創った渓谷美を楽しもう

取材・写真・文:

神奈川在住
訪問エリア:47都道府県

2021年5月11日更新

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写真:えいぶゆう/TossyPhoto

東京からわずか2時間たらずでアクセスできる埼玉県秩父市にある長瀞町。ここは世界的にとーっても貴重な場所ってご存知ですか?地中奥深くで行われた地質活動を、目の前で見ることができる世界でも類を見ない場所。長瀞一帯が地質学の研究拠点となり、多くの地質学者も輩出しました。「日本地質学発祥の地」と呼ばれるほどなんです。地質学と聞くと、ちょっと硬いイメージになってしまいますが、暑い時期には最高の渓流アクティビティとセットで楽しめるんです。清涼な水しぶきを浴びながら、ちょっと賢くなれる旅をしてみませんか?

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長瀞の由来は?

今回訪れる地は「長瀞(ながとろ)」です。どういった意味かご存知ですか?聞きなれない「瀞」は「水の流れがゆるやかな所」という意味です。水の流れがゆるやかで、長い川なので「長瀞」という名になったんですね。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto水の流れがゆるやかな所「長瀞」

東京から電車で2時間というアクセスの良さ、そして地質学的に貴重な土地ということで、年間の観光客数は約300万人に迫る勢いだそうです。長瀞で有名なのは何といってもラインくだり。長瀞のバラエティ豊かな自然を船から眺めることができます。

コースは3種類

長瀞ラインくだりには、3種類のコースがあります。Aコースと呼ばれる親鼻橋から岩畳までの約3キロと、Bコースと呼ばれる岩畳から高砂橋の約3キロ。そして、A,Bを一気に下る全コースの3種類です。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhotoAコース

ただし、混雑時やその日の水量によって案内されるコースは異なり、希望のコースをくだれないこともあります。できればAコースに乗れたらラッキーです。「長瀞のラインくだり」がメディアで紹介されるときに使われる画像・映像には、Aコースを紹介したものが多いんです。本記事では、そんな写真映えするAコースをご紹介します。

親鼻橋乗船所

券売所でチケットを買った後、Aコースの場合は船着場までシャトルバスで向かいます。ほんの数分車を走らせると、親鼻橋乗船所に到着。ここではズラズラっと並べられた細長い船が、我々の乗船を待っています。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhotoラインくだりの船

船頭さんの案内で、乗客は奥から順に着席。その際にライフジャケットを装着します。船頭さんの軽快な棒さばきにより、船は一気に川の本流へ!

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto軽快な操舵

荒川橋梁

まず最初に現れるのは荒川橋梁。通称、親鼻鉄橋は、秩父線で使われている橋です。長瀞の川を横断するように掛けられた全長153mの橋で、秩父鉄道最長の橋です。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto荒川橋梁

こちらがまず最初のフォトスポット。橋の足の部分がかなり独特な形状なのがおわかりですか?よく見てみると、4段にわかれた楕円形をしています。この橋は「近代土木遺産」に選ばれています。

亀の子岩

次に現れるのは「亀の子岩」。そう、亀の形に見えるから「亀の子岩」です。ぼんやりしてると気づかず通り過ぎそうですが、ちゃあんと船頭さんが案内してくれますよ。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto亀の子岩

小滝の瀬

長瀞のラインくだりでよくTVに紹介されるのが、ここ「小滝の瀬」です。その名の通り、ここは小さな滝があり、こうしたラインくだりでちょっとしたスプラッシュ感を楽しむのにちょうどいいんです。地味すぎず、急すぎず、観光向けには本当にちょうどいんですね。

船には両サイドにビニールが取り付けられています。船頭さんの合図で、みんなでビニールを上にひっぱり上げます。小滝の瀬で、乗客に水がかかってくるようなところでは、このビニールで濡れないようにするんですね。自分たちでやるところが、さらにアトラクション感を盛り上げてくれて面白いです。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto小滝の瀬

ちなみに100%濡れないことを保障するものではありません。水量や座席の位置によっては結構水がかかってしまうことも。筆者が訪れた時は、進行方向前方の乗客2名が、荷物、半身ずぶぬれでした・・・。

この滝、長い長瀞の中で出てくるのは、ほんの一瞬だけです。長い川の中にどうしてちょっとだけ滝ができたのかというと、もともと進行方向に対してもっと右側に川がありました。そこががけ崩れにより埋まってしまい、今の場所に水が流れてきたのです。本来と違う方向に曲げられた川のエネルギーが、川の底を少しづづ削って、小さな滝を作り上げたのです。

秩父赤壁

今度は、両サイドに見上げるほどの断崖が現れます。川に沿った荒涼とした風景。高さ100m、幅500mで通称「秩父赤壁」と呼ばれています。「赤壁」と言えば中国揚子江の「赤壁」が有名ですね。「レッドクリフ」の呼び方で映画のタイトルにもなったので、そちらのほうがピンとくる人も多いかも。あの中国の赤壁に似ているということで名付けられました。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto船は秩父赤壁へ

残念ながらはっきり赤色をしているわけではないのですが、特に似ているのはこの形状。ここまでスパっと滑らかに断崖絶壁になっているところは、とっても珍しいんです。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto見事な断崖絶壁

長い年月をかけて地面から隆起した岩が、その際に生じた亀裂や割れ目にそって川に浸食され、このようなまっすぐな地形となりました。もともと切れ込みのあったところに力が加わって、こんなに綺麗に削がれたんですね。

部分部分赤いのは、岩の中に含まれる鉄分が表面にでてきて、酸化により赤くなったものです。

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この記事を書いたトラベルライター

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えいぶゆう(文)とTossyPhoto(写真)の2人で、心のまんなかにある「旅」を切り取っていきます。

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