マドリッドの北に位置する水道橋の街・セゴビアには、ディズニー映画『白雪姫』のお城のモデルといわれるアルカサルがあります。お城の歴史や美しい景観、そして意外に古い歴史を持つ名物料理、コチニーリョ・アサードもご紹介します!
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美しさと強さを兼ね備える!アルカサル
ディズニーも注目!優美な城
古代ローマや中世の歴史の痕跡が、今でも色濃く残るセゴビアの市街地。その街の西のはずれにあるのが、セゴビアの城、アルカサル(Alcázar de Segovia)です。
アルカサル(Alcázar)は、アラビア語起源の言葉。イスラム教支配下で建てられたお城のことなのだとか。セゴビアのアルカサルは、もともと古代ローマ時代に要塞があった場所で、12世紀に建てられたと言われています。
ちなみに、8世紀から15世紀に建てられたアルカサルは、セゴビアだけでなく、スペインやポルトガルのあちらこちらにあるそうです。
まず、目を引くのはお城の美しい壁面…漆塗りの技法でズグラッフィートと呼びます。なんとなく幾何学模様にも見えるこの壁に、思わず目を奪われそう。
そしてもう一つ、可憐ながらも麗しい円錐形の屋根。青みかかって見える滑らで尖った形をしています。その凛とした強さは、ディズニー映画に出てくるヒロインの姿に通じるなと、ついうっとり眺めてしまいました。
難攻不落の鉄壁な守り!
1000年近い歴史の中で一度も陥落したことがないというこのセゴビアのアルカサル。その大きな要因は立地にあります。まず気が付くのがお城の周りに、何もないこと。高台にあるアルカサルの周囲(北・西・南)は、断崖絶壁です。
市街地からの入り口がある東側には深いお堀があり、つり橋がなければ入ることができません。
この鉄壁な守りは、この地・カスティーリャの歴代の王を虜にしてきました。15世紀にはスペイン王(カトリック女王・イザベル)の戴冠式が行われ、スペインの中心地になったこともあるそうです。その後、訪れるスペインの黄金時代の基盤が、ここでできたと考えると「防御が甘かったら世界の歴史も変わっていたかも」と想像してしまいます。それが、スペイン史上、最も重要なお城の一つと言われる所以かもしれません。
麓から見上げよう!甘美なセゴビアのアルカサル
圧巻!セゴビアの船首のような城
北と西を流れる二つの川の合流点の崖に建てられたアルカサルは、まさにセゴビアの顔。市街地を船に例えると船首のようです。下から見上げると、まるで宙に浮いているようにも見えます。空に浮かぶお城の端麗さについつい見入ってしまいそう。
アルカサルの麓に残る豊かな自然
セゴビアの大地は乾燥していますが、アルカサルの近くには川があり、その川沿いは緑は豊か。筆者が訪れた際は、ブラックベリーがたわわに実っていました。地元の人にばったり会えたら、こんな風にベリーの実りをお裾分けしてくれるかも!
- アルカサル城
- スペイン / 建造物 / 城・宮殿
- 住所:Plaza Reina Victoria Eugenia, s/n, 40003 Segovia地図で見る
- Web:http://alcazardesegovia.com/