ドライブ旅行の場合、大きな割合を占める高速料金。その料金が無料なら、かなりお得になります。 2021年に震災復興道路として開通した三陸沿岸道路を有効活用しながら、ドライブ旅行に出かけてみませんか?
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三陸沿岸道路とは
東日本大震災以降、復興道路として整備が進められていた三陸沿岸道路が、2021年12月全線開通しました。宮城県仙台市から青森県八戸市までをつなぐ道路は延長359km。そのうち仙台側の26kmのみが有料区間で、残りの333kmは無料区間で日本最長となっています。
この道路によって、青森県八戸市と仙台市は5時間強でつながり、3時間以上の短縮となっています。宮城県内でも仙台市と気仙沼市は約2時間、同じく仙台市から岩手県宮古市までだと、今までより2時間短い3時間30分で到着できるようになったのです。そのため旅行者目線でもかなり利便性が高まりました。
三陸沿岸道路を走る前に知っておきたいこと
安全面のポイントが高い
三陸沿岸道路は山側を通行するため、トンネルや橋で山や谷を貫いている個所も多いので、シーサイドドライブとはいかない面もあります。しかし、安全面から見るとポイントは高いと感じます。東北道縦貫自動車道には、急勾配な坂や見通しの悪いカーブが連続する個所もありますし、流れに乗っているとハイスピードの車も多く、緊張を強いられることもしばしば。
その点2車線ではありますが、カーブやアップダウンは緩やかで、見通しもよく走りやすい三陸道は快適なドライブが楽しめます。また、内陸部を通る東北道と比べて雪が少ないことも安心材料の一つです。
PAは少ないけれど道の駅がある
三陸沿岸道路の無料区間には、サービスエリア(SA)はもちろん、ガソリンスタンドやトイレがありません。本線に接続しているパーキングは数か所ありますが、チェーン脱着所のようなもので、仮眠などはできません。休憩や給油をしたい場合は、一般道へ降りる必要があります。ここに"復興道路"として整備された意義があるのです。
一般道に降り、その地域のガソリンスタンドで給油をし、道の駅や商店で飲食や買い物、または宿泊をして、お金を落としてもらう仕組みです。三陸沿岸道路をドライブすることで、地域経済と復興支援にも貢献していることになるわけです。
三陸沿岸道路を走っていると、「道の駅」の案内看板を目にすることが多いです。道路の整備と共に、新設またはリニューアルされた道の駅も多く、インターチェンジからも、さほど遠く離れていません。地域密着型の道の駅は、高速道路のSAよりも地元のお土産はもちろん、地物野菜やB級グルメなどを楽しめる良い機会になるでしょう。
三陸沿岸に近いこともあり、生け簀が設置されている道の駅などもあります。新鮮な魚介類がお手頃価格で手軽に購入できるので、お土産にもおすすめです。遠方の場合は、宅急便での送付も可能です。
また、道の駅によっては、屋内遊具のあるキッズコーナーや日帰り温泉施設、展望デッキがある施設など、それぞれに特徴がある施設もあるので、立ち寄りながら新たな発見をするのも楽しいですね。
ただし、注意点が一つ。道の駅は、17時や18時に閉まるところが多いので、食事や買い物を予定している場合は、お早めに。トイレはどこも24時間使用可能となっています。
- 道の駅 さんりく
- 大船渡市 / 道の駅・サービスエリア / おみやげ屋 / ソフトクリーム
- 住所:岩手県大船渡市三陸町越喜来字井戸洞95-27地図で見る
- 電話:0192(44)3241
- Web:https://www.sunfull.jp/sanriku/top/
- 道の駅 三滝堂
- 宮城 / 道の駅・サービスエリア / おみやげ屋 / ドッグラン
- 住所:宮城県登米市東和町米谷字福平191-1地図で見る
- Web:https://mitakido.jp/
- 道の駅 大谷海岸
- 宮城 / 道の駅・サービスエリア / おみやげ屋 / ご当地グルメ・名物料理 / ツーリング
- 住所:宮城県気仙沼市本吉町三島94-12地図で見る
- 電話:0226-44-3180
- Web:https://mitinoekiooya.jp/
給油について
道の駅とガソリンスタンドは、併設されている場所が少ないので注意が必要です。インターチェンジ付近1kmないし2km範囲に、スタンドがあることも多いですが24時間営業ではない場合も多いので、給油は早めがおすすめです。
ハーフインターに注意
三陸沿岸道路を走るうえで、覚えておきたいことがあります。三陸沿岸道路には、ハーフインターチェンジが多く存在します。ご存じない方のために簡単に説明すると、高速道路のインターチェンジは通常、上り線の入口・出口、そして下り線の入口・出口の4方向にアクセスできるのが標準的な構造です。
しかしハーフインターチェンジは、アクセス方向が制限されるインターチェンジなので、入口のみ、もしくは出口のみしかなく、希望箇所で降りたり乗ったりができないこともあるわけです。この入口・出口は、だいたい次のインターチェンジで交互になっていることが多いので、予定を立てる際に確認しておくと便利です。ただ全長359kmのあいだにインターチェンジは70か所以上を数え、次のインターチェンジまで1km程度の場所も多いので、時間的な余裕さえあれば大きな問題ではないですね。
また、龍泉洞や宮古など有名観光スポット、大きな町がある箇所は、フルインターチェンジになっているので、不便に感じることはないと思います。当日になって戸惑わないよう、下調べをしておくと安心ですね。
東北縦貫自動車道への横断道路も整備
三陸沿岸道路が整備されたことで、主要な横断道路も同時に整備されました。青森の八戸自動車道は有料ですが、岩手の宮古盛岡横断道路も2021年(令和3年)3月には開通し、全区間無料です。釜石=花巻間は、花巻の少し手前の東和I.Cまでが無料区間となっています。
どちらも、震災前と比べると30分強の時間短縮となっています。もちろん、これら無料の横断道路には、道の駅やガソリンスタンドも整備されていて、三陸沿岸道路と同じ環境です。
- 道の駅 釜石仙人峠
- 釜石市 / 道の駅・サービスエリア / おみやげ屋 / ソフトクリーム
- 住所:岩手県釜石市甲子町第7地割155番4地図で見る
- 電話:0193-27-8530
- Web:https://www.michi-no-eki.jp/stations/view/7980
さいごに
三陸沿岸道路について簡単に記しました。三陸沿岸道路や横断道路を使用し、それぞれの地域に立ち寄ることでまだまだ完璧とは言えない東北の復興支援につながり、また新たな出会いや楽しみ方も広がります。お出かけの参考になれば幸いです。(olive)
- 道の駅 遠野風の丘
- 遠野市 / 道の駅・サービスエリア / おみやげ屋
- 住所:岩手県遠野市綾織町新里8地割2番地1地図で見る
- 電話:0198-62-0888
- Web:http://kazenooka.tonofurusato.jp/