鳥取
鳥取観光
砂丘で知られ、漫画家・水木しげる氏の関連スポットが人気

【鳥取県】国指定史跡・鳥取城跡!久松山山麓から山頂まで見所ガイド

取材・写真・文:

東京在住
訪問エリア:25都道府県

2017年10月10日更新

3,384view

お気に入り

写真:SaoRi

鳥取城跡が残る久松山はJR鳥取駅から車で約10分の距離にあり、市街からもその頂きがよく見えます。山麓付近は久松公園として整備されており、かつての鳥取城を十分に感じさせてくれる二の丸跡や三の丸跡、国内唯一の球面石垣である天球丸跡などは比較的楽に散策することができます。しかし、山頂を中心とした山上ノ丸にある天守櫓や車井戸、鳥取市を一望できる絶景スポットまでは、それなりの装備と覚悟が必要な険しい道です。簡単に行きやすい山麓と、標高263mの登山を要する山頂の、両方の鳥取城跡の見所について紹介します。

この記事の目次表示

鳥取城とはどんなお城?

鳥取城は、戦国時代から明治維新に至るまで、久松山の自然地形を利用して築かれた山城です。

  • 写真:SaoRi

因幡地方の政治拠点として長く存続したことにより、土でできた中世城郭と石垣でできた近世城郭が併存しています。

  • 写真:SaoRi

日本城郭史上でも珍しく、昭和32年には学術的・歴史的にも貴重な城郭として国指定史跡に選ばれています。

鳥取城の有名な歴史

鳥取城は戦国時代に、織田氏と毛利氏の対立により、二度にわたって羽柴秀吉の攻撃を受けています。
特に、天正9年に鳥取城将・吉川経家との戦いで秀吉が行った徹底的な兵糧攻めは「鳥取の渇え殺し」として広く知られています。

  • 写真:SaoRi

全国最大級とも言われる強固な包囲網で山全体を幾重にも取り囲み、最後は経家の自刃により幕を閉じました。

  • 写真:SaoRi

久松山には現在でも、多くの陣跡が残っています。

お手軽散策!山麓の見所8選

冒頭にも書きましたが、久松山の山麓付近は久松公園として整備されています。

  • 写真:SaoRi
  • 写真:SaoRi

山頂ほどの険しさや危険な場所はなく、道や階段なども歩きやすいです。

  • 写真:SaoRi
  • 写真:SaoRi

それでいて、十分に史跡も楽しめるのでお散歩や観光、気軽な城巡りにオススメです。

山麓の見所その1:北ノ御門跡

北ノ御門跡は、鳥取県立博物館側の入り口にあります。

  • 写真:SaoRi

袋川が悠然と流れており、石垣とのコラボレーションの景色には風情があります。

  • 写真:SaoRi

山麓の見所その2:表御門跡

表御門跡の周辺は高い石垣が連なっています。

  • 写真:SaoRi

周囲を石垣に囲まれた道を歩いているとタイムスリップしたような気分を味わえます。

  • 写真:SaoRi

山麓の見所その3:二ノ丸跡

二ノ丸跡は鳥取城山下ノ丸のほぼ中央部に位置しています。

  • 写真:SaoRi

広場には草や木々が生え、見晴らしも良く、憩いの場としても活用されています。

山麓の見所その4:石切場

石切場は、かつて石垣を築くために石を切り出した場所です。

  • 写真:SaoRi

崖の表面には、「矢穴」と言われる長方形の穴があり、この穴に「矢」と呼ばれるクサビを入れ、大きなハンマーで叩いて岩を割り、石を切り出したそうです。

  • 写真:SaoRi

現在でも、その長方形の矢穴がしっかりと残っているので、ぜひ注意深く見てみて下さいね。

山麓の見所その5:三階櫓跡

この場所には、創建当時の最新建築様式だった層塔型の三階櫓がありました。

  • 写真:SaoRi

層塔櫓とは、正方形の櫓台に上階を下階より規則的に小さくして積み上げた櫓のことをいい、一階は八間四方、二階は六間四方、三階は四間四方で、山陰地方で初めて建てられたものでした。

  • 写真:SaoRi

元禄5年に山上ノ丸の天守櫓が焼失してからは、この三階櫓が鳥取城の象徴となっていましたが、明治20年に解体撤去され、現在その姿は残っていません。

山麓の見所その6:菱櫓跡

菱櫓は、土地と建物が共に菱型であり、西南隈の三階櫓と東南隅のこの菱櫓の対比で鳥取城の風格を現していました。

  • 写真:SaoRi

明治維新までその偉容を誇っていましたが、現在は跡地だけとなっています。

  • 写真:SaoRi

山麓の見所その7:三ノ丸跡

三ノ丸の城郭は、池田長吉の時代に鳥取城大改造によって築造されました。

  • 写真:SaoRi

江戸時代中頃以降には藩主の御殿が建てられ、城内の最も重要な場所として発展しました。

  • 写真:SaoRi

また三ノ丸の背後には庭園があり、その跡地を望むこともできます。

  • 写真:SaoRi

城郭内の庭園は、この鳥取城のほかに、数える程しかなく、大変貴重な庭園跡といえます。

山麓の見所その8:天球丸巻石垣展望所

山麓の見所紹介の中では一番高い場所にある、国内唯一の球面石垣である天球丸巻石垣展望所。

  • 写真:SaoRi

印象的な大きな木が二本生えており、視界的にも開けていて、静寂さがあります。

  • 写真:SaoRi

鳥取市街を見渡すこともできるので、山麓周辺の史跡巡りを楽しまれる方はここをゴールとして目指すことをオススメします。

  • 写真:SaoRi
久松公園
鳥取 / 公園 / 春のおすすめ観光スポット / 桜の名所 / ハイキング
住所:鳥取県鳥取市東町2地図で見る
電話:0857-22-3318

装備と覚悟を!山頂までの道のりと見所3選

天球丸巻石垣展望所を過ぎて階段を上っていくと、道は一気に険しくなります。

  • 写真:SaoRi整備が行き届いている山麓付近の足場
  • 写真:SaoRi天球丸巻石垣展望所を過ぎ、山頂までの登山口付近の足場

写真にあるように、整備されていたこれまでの道とは違い、危険な場所も増えます。

  • 写真:SaoRi
  • 写真:SaoRi

標高263mと小さな山なので、高度な登山技術などは必要ありませんが、最低限の動きやすい服装や靴、水分、そして覚悟を持って挑みましょう。

山頂までの道のりをザックリと!

山上ノ丸がある山頂までの道には、そこまでの史跡はなく、山登りに専念できるかと思います。

  • 写真:SaoRi

二合目付近で既に足場が非常に悪くなっているので、最初から注意して進みましょう。

  • 写真:SaoRi

三合目を過ぎる辺りには、木の根が張り巡り、危険を知らせる看板が増えてきます。足元や頭上への注意はもちろん、野生動物や蜂などにも気を付けましょう。

  • 写真:SaoRi
  • 写真:SaoRi

五合目と六合目の間には、簡易的な休憩広場があります。

  • 写真:SaoRi

頂上までの間で休める場所はここだけなので、休憩が必要な方はここでしっかりと休んでおきましょう。

  • 写真:SaoRi

休憩場所を通り過ぎ、もうしばらく険しい道を進むと、八合目、九合目が見えてきます。

  • 写真:SaoRi
  • 写真:SaoRi

九合目を過ぎる頃には足場も大分落ち着きます。ここまで来れば、山上ノ丸の見所は、もう目前です。

  • 写真:SaoRi
  • 写真:SaoRi

山頂の見所その1:本陣山

山上ノ丸跡からは、秀吉が天正9年に鳥取城を兵糧攻めした際に本陣を構えた本陣山を見ることができます。

  • 写真:SaoRi

本陣部分には巨大な土塁や空堀が当時のまま残されており、戦いの際に築かれた臨時的な土の城としては、日本最大級とされています。

  • 写真:SaoRi

山頂の見所その2:車井戸

本丸の中央部には、池田長吉が慶長7年からの城内大改築の時に掘ったといわれる車井戸があります。

  • 写真:SaoRi

囲いの中にあるものの、間近で見ることができるので登頂した際にはぜひ見てみて下さい。

山頂の見所その3:天守櫓跡

久松山の頂上にある天守櫓跡は、まさに鳥取城跡巡りのゴールにふさわしい場所です。

  • 写真:SaoRi

平面上に切り開かれた地には、草花が咲いており、登山の汗に気持ち良い爽やかな風が吹いています。

  • 写真:SaoRi
  • 写真:SaoRi

そして、頂上ならではの景色が待っています。

  • 写真:SaoRi

南を見れば鳥取市街を一望でき、西を見れば日本一大きな池の湖山池があります。

  • 写真:SaoRi山頂から南方面には鳥取市街が広がる
  • 写真:SaoRi山頂から西方面には湖山池が望める

北には鳥取砂丘の一部と日本海が見え、遠くまでよく見渡せます。

  • 写真:SaoRi山頂から北方面には鳥取砂丘と日本海が広がる

登頂の達成感と眼下に広がる絶景の中で、鳥取城の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょう?

次のページを読む

鳥取の旅行予約はこちら


鳥取のパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

鳥取のホテルを探す

鳥取の航空券を探す

(鳥取空港)

(米子鬼太郎空港)

鳥取の現地アクティビティを探す

鳥取のレンタカーを探す

鳥取の高速バスを探す

この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

同じテーマの記事


【2024最新】中国地方の人気観光スポットTOP55!旅行者が行っている観光地ランキング

嚴島神社や原爆ドーム、出雲大社などをはじめとする中国地方の観光スポットを、トリップノートの9万2千人を超える旅行好きトラベラー会員(2024年1月現在)が実際に...


【西日本】家族旅行におすすめの観光地27選

ジンベエザメが見られる世界最大級の水族館「海遊館」や、パンダの飼育数日本一の「アドベンチャーワールド」、大迫力の観光放水が見られる「黒部ダム」など、西日本の家族...

【鳥取】場所と見方を知らないと見られない!迫力満点の「江島大橋」を楽しむための方法と撮影場所

テレビCMで「ベタ踏み坂」として登場し、一躍有名になった橋「江島大橋」。見た人々を圧倒させるほどの急勾配な橋ですが、実は普通に見ただけではこの迫力ある姿は拝めま...

夏の女子旅に!国内のおすすめ観光スポット16選

美しい”美瑛ブルー”を楽しめる「白金青い池」や、ビタミンカラーのひまわりに出会える「明野ひまわりの里」、縁むすび風鈴で知られる「川越氷川神社」など、夏の女子旅で...

全国のおすすめ花畑85選!一面に絶景が広がる花の名所ガイド

チューリップにバラ、ひまわりに菜の花など、季節ごとにカラフルな花畑が広がる、全国のおすすめの花の名所をご紹介!カメラ片手に、全国の花の絶景を見に出かけませんか?

この記事を書いたトラベルライター

転勤族ライター
子供の頃から現在に至るまでの生粋の転勤族!転勤の先々でその地ならではの良さを暮らしながら体感し、ディープに発信していきたいと思います!

特に体や足を使ったアクティブな取材が大好きなので、登山や探勝路などで出会った絶景や情報などをお伝えしていければと思います♪
https://www.one-access.work/

【鳥取】場所と見方を知らないと見られない!迫力満点の「江島大橋」を楽しむための方法と撮影場所

テレビCMで「ベタ踏み坂」として登場し、一躍有名になった橋「江島大橋」。見た人々を圧倒させるほどの急勾配な橋ですが、実は普通に見ただけではこの迫力ある姿は拝めま...


【徳島】大秘境を満喫!小歩危・大歩危・祖谷のオススメスポット&楽しみ方8選

「大股で歩いても、小股で歩いても危険」といわれていたことからその地名がついた大歩危(おおぼけ)・小歩危(こぼけ)、そして平家の落人が隠れ住んだと伝えられている祖...


【鳥取県】すなば珈琲に行ったら食べておきたい定番メニュー8選!

2014年に鳥取市内に2店舗同時オープンしたのをきっかけに、現在では鳥取県全域にわたってお店をかまえる「すなば珈琲」。平成28年に鳥取県が行った「鳥取県の観光地...

いつ行く?鳥取砂丘!~鳥取砂丘の季節別楽しみ方&見どころガイド~

一生に一度は行っておきたい鳥取砂丘!「今年こそは行くぞ」と意気込んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか?さて、漠然と「今年こそは」と考えているものの、どの...

揺れないで!飛行機が怖い・苦手な方に試してほしい6つの簡単な対処法

遠方の地に早く向かうのに大変便利な移動手段、飛行機。地上を何時間もかけて移動していた時代が嘘のように、目的地まであっという間に連れていってくれますよね。その便利...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります