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【富山】地元出身ライターが語る!新湊曳山祭りのあれこれ

取材・写真・文:

富山在住
訪問エリア:18都道府県

2018年8月17日更新

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写真:まなもんさん

毎年10月1日、富山県射水市の新湊(しんみなと)では、新湊曳山祭りがあります。地元の皆さんはお祭りが始まる前からウキウキワクワク。新湊出身で県外に住んでいる人も、その日になると帰省し参加する程、地元に根付いたお祭りです。今回は、新湊出身の筆者が新湊曳山祭りについてあれこれ説明をしていきます。

この記事の目次表示

約370年前から続く!海の男たちのお祭り

  • 写真:まなもんさん

「新湊曳山祭り」は、毎年10月1日に富山県射水市(新湊・放生津地区)で行われる放生津八幡宮(ほうじょうづはちまんぐう)の秋季例大祭です。一番の見どころは、「ア、イヤサー、イヤサー」の掛け声で新湊の町をめぐる13基の曳山(ひきやま)の巡行。約370年前から続いている、豪華絢爛な曳山と海の男たちによる曳山への熱い想いが見られるお祭りです。

2016年1月に公開された映画『人生の約束』では曳山が物語の鍵を握り、俳優の竹野内豊さんや江口洋介さんらが曳山を曳き、注目を集めました。

2015年3月には北陸新幹線が開通され、首都圏からのアクセスがしやすくなり、遠方から祭りを見に訪れる人も増加しています。

放生津八幡宮
富山 / 社寺・教会 / 神社
住所:富山県射水市八幡町2-2-27地図で見る
電話:0766-84-3449
Web:https://www.houjyoudu.com/

新湊曳山祭りの流れ

ここでまず、お祭りの流れをざっくりと紹介していきます。

くじ取り式

毎年8月上旬の大安日に放生津八幡宮で行われます(2018年は8月5日に行われました)。くじ引きでその年の曳山の巡行順番が決まる重要なイベントです。

  • 写真:まなもんさん古新町・花山
  • 写真:まなもんさん古新町・提灯山

ただし13ある町のうち古新町(ふるしんまち)だけは、どの町よりも歴史が古く、1番最初に曳山を製作し巡行していたことから、くじ引きには参加せず、毎年1番目を務めています(くじのけ山)。

2番目以降の順番をくじ引きで決め、2番目~7番目の曳山を「前山」、8番目~13番目の曳山を「後山」と呼びます。

前の年が「前山」だった町は次の年は「後山」になり、8番目~13番目を決めるくじを引きます。前の年が「後山」だった町は次の年は「前山」になり、2番目~7番目を決めるくじを引きます。それを毎年交互に繰り返します。

曳山の組み立て・お囃子の練習

  • 写真:まなもんさん
  • 写真:まなもんさん

毎年9月頃になると、10月1日のお祭りに向け、曳山のある町内では公民館などでお囃子の練習が始まり、曳山の組み立てもします。

霊迎式(たまむかえしき)

毎年9月30日に放生津八幡宮で行われる行事。一言で説明すると、海から神様をお迎えする式です。同日に曳山がある町では、放生津八幡宮から神主を迎え、曳山に王様と前人形を入れる儀式があります。

曳山祭り

  • 写真:まなもんさん

毎年10月1日に行われるメイン行事です。放生津八幡宮からスタートし、一日かけて13基の曳山が新湊中を巡行します。

この日は、屋台も出て新湊が一年で1番活気づきます。

築山神事(つきやましんじ)

毎年10月2日に放生津八幡宮で行われます。飾り人形をお祀りする行事です。

花山(はなやま)と提灯山(ちょうちんやま)

曳山は時間帯によって「花山」と「提灯山」に姿が変わります。

  • 写真:まなもんさん
  • 写真:まなもんさん

花山は昼の巡行の姿で、曳山の上部が赤・黄・白等の菊の花(和紙やナイロンで作られている)の花笠になっているのが特徴です(中町を除く)。特に、天気が良いと花笠が青空に映え、素敵な写真が撮れますよ。

  • 写真:まなもんさん
  • 写真:まなもんさん

提灯山は夜の巡行の姿で、花山からガラリと雰囲気が変わり提灯で覆われています。曳山を曳くスピードが変わると、提灯もそれに伴い激しく揺れたり小さく揺れます。

ちなみに、曳山の一番上のシンボルを「だし」と呼び、その下の前側に「前人形(からくり人形)」、後ろ側に「王様」が乗っています。それぞれ町によってスタイルが異なるので、推しの曳山を探すのも楽しいですよ。

曳山の高さは各町で異なりますが約8メートルで、一番高い曳山は東町の8.8mです(昔は約10mありましたが、電線が張られたことにより、切り落とした模様)。重さは約4~5トンと、どっしりしています。

高さがあり、重量のある曳山を、1つの町内で多いところでは約80名の曳子さんが曳いており、若い衆を含めるとトータルで120名程曳山に参加しています。

毎年交互に変わる巡行経路

曳山の順番だけでなく、巡行経路も毎年交互に入れ替わります。

前の年が花山(昼)の巡行経路として使われた道は、次の年では提灯山(夜)の巡行に使用される道になり、反対に、前の年が提灯山(夜)の巡行だった場所は、次の年では花山(昼)の巡行に変わります。

同じ場所でも毎年違った光景を見られるのが、新湊曳山祭りの魅力です。

2018年の曳山巡行経路や見どころは、下記をご覧ください。

ここに注目!

小さい頃から曳山を見てきた筆者による、新湊曳山祭りの注目してほしいところを紹介していきます。

言葉に注目!

曳山を曳いている姿を見ていると、様々な言葉が飛び交っています。

例えば、「ア、イヤサー、イヤサー」は弥栄(いやさか:繁栄を祈り叫ぶ声。万歳)が語源の言葉で、新湊の繁栄を祈り、小さな子供からご年配の方まで、時にははたきを振りながら一日中叫びます。

他には、方角を示す言葉。

  • 「田んぼ」は新湊からみて南側
  • 「浜」は海の方向
  • 「立山」または「高周波(こうしゅうは:新湊にある工場)」は東
  • 「二上山(ふたがみさん)」あるいは「こうかん(新湊にある工場)」は西

を意味し、山を曳くにあたりとても重要な掛け声となっています。

それらを聞いた曳子さん達は、その都度言われた方向に曳山を修正します。そのおかげで、家や電柱、電線、見物客等に突っ込むことなく、安全に曳山祭りが行われるのです。

曲がり角や曳山が通った跡に注目!

  • 写真:まなもんさん角を曲がる瞬間

曲がり角は、曳山を曳いている人も見物客もハラハラドキドキ、迫力のあるポイントです。各町のチームワーク次第で上手く曲がり切れるかどうかが懸かっています。曲がる際のアスファルトが削れる音にも注目です。

約4~5トンもある曳山を曳けば、道路には車輪の跡が付きます。一日で消えることなく数日間は跡が残ります。

さいごに

小さい頃から家族や同級生たちが曳山に参加しているのが当たり前、それを見るのも当たり前。例え小さな子供でも、大人でも、おじいちゃんやおばあちゃんになっても、新湊で生まれ育った皆さんにとっては、曳山がなくてはならない存在です。

そんな地元で愛されたお祭りを、是非県内外の皆さんにもご覧になっていただけたら幸いです。

毎年10月1日は新湊曳山祭りを見に出かけてみませんか?

新湊曳山祭り
富山 / イベント・祭り
住所:富山県射水市新湊地図で見る
電話:0766-84-4649(射水市観光協会)
Web:https://www.imizu-kanko.jp/event/800/

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この記事を書いたトラベルライター

温泉好き女子
国内旅行(特に温泉)が好きです。

某専門学校 旅行学科・ツアープランナーコース卒業。その為、旅行関係や温泉関連の資格はそこそこ取っていますが、特に温泉では20代であれば詳しいほうかなと思います。

温泉が好きで、女子の特権を活かし「オシャレでかわいく、快適に温泉を楽しみたい」と常に考えています。

実際に考えた温泉コーデや、自分なりにこだわりのある温泉グッズを持って、実際に温泉に足を運んで楽しんでいます。

これからも、どんどん日本各地の観光地や温泉を巡り、その良さを伝えていきます♪
https://ameblo.jp/sea7423

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