アメリカのアイダホ州、モンタナ州、及びワイオミング州にまたがるイエローストーンは、“世界で一番最初にできた国立公園”としても有名で、日本でもよく耳にします。園内はとてつもなく広大で、エリアによっても全く表情が異なるのが魅力!大迫力の間欠泉、壮大なテラス、色鮮やかなプールなど、魅力いっぱいの見どころを押さえられるイエローストーンの巡り方をご紹介します!
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イエローストーン国立公園とは?
「Keep Wildlife Wild!」 自然のものは自然のままに。
“人間がなるべく介入せず、自然を自然たるままに残すために国が管理する”という趣旨で「国立公園」が誕生したのは、1872年に認定された 「イエローストーン国立公園」が世界で初めて!パークの入口には、他の国立公園には無い “Created by act of congress March 1872” という刻印が入った記念碑があり、その歴史を感じます。
イエローストーン国立公園は広大な敷地であるがゆえに、ゲートを入ってすぐに見どころがあるワケではなく、観光ポイントまではそれなりのドライブが必要。
しかし、この向こうには 「ガイザー(間欠泉)」「プール」「テラス(石灰棚)」「滝」「渓谷」「湖」 など、ここぞとばかりに見どころは盛りだくさん!
どこでどんなことをして楽しみたいか人によって異なるかもしれませんが、やはり「ここは見ておくべき!」として挙げられるのは「ガイザー」「プール」「テラス」です。今回は、この3つをメインに紹介していきます!
事前準備として知っておきたい【地理】のこと
その前に、少しだけ地理についてのお話を。といっても難しいことではなく「どこに何があってどのくらいの距離感か?」についてです。
例えば「テラス」と「ガイザー」の距離は車で約1.5時間。「公園内だからすぐ近くでしょ」という感覚ではないのがさすがアメリカ。その規模感を少しでも知っておくと、とんでもない時間のロスを未然に防げると思います。
5つのカントリー
イエローストーンは大きく分けて 5つのcountry(カントリー)があり、それぞれ特徴が異なります。
1:マンモスカントリー … テラス(石灰棚)
2:ガイザーカントリー … ガイザー(間欠泉)とプール
3:ルーズベルトカントリー … 滝
4:キャニオンカントリー … 渓谷
5:レイクカントリー … 湖
例えば「テラス、ガイザー、プールを見たい!」という方は、「マンモスカントリー」と「ガイザーカントリー」を中心に巡れば良いワケです。
メイン道路は8の字ループ
上記の5つのカントリーを結んでいるのが【8の字】の周遊道路。便利かつ単純なルートなので迷うことはほぼないと思いますが、南北間は102km、東西間は87km、8の字の総距離は229kmもあることを考えると、やっぱりイエローストーンはとっても広大!ということが分かります。
また、写真のように バイソン の群れに邪魔され渋滞が発生することもよくありますので、時間には余裕を持って行動するのをオススメします。
もちろん車で威嚇するのは禁止!速攻パークレンジャーが飛んで来て、高額の罰金を払うことになるかもしれません。
8の字ループ沿いには8つのビレッジもあるので、レストラン、トイレなども困ることはないと思います。(ただし時期によります。文末をご参照ください)
さて!ではいよいよ、見ごたえのあるスポットをご紹介します!
テラスを見るなら【Mammoth Country マンモスカントリー】
近づくにつれ、別府温泉のようにあちこちから蒸気が湧き上がっているのが見える マンモスカントリー はパーク内の北西に位置する、いわゆる温泉地帯。と言っても人が入る温泉はありません。人間のためにそんな施設は作らない!「Keep Wildlife Wild!」 それが国立公園です。
「Terrace Mountain テラスマウンテン」 と呼ばれるエリアには、石灰成分が含まれた温泉が流れ出ている箇所がたくさんあり、様々な テラス(石灰棚) を見ることができます。
流れ出ている温泉は、当然のことながらとても高温。直に地面を歩くことは不可能なので、歩いてテラスまで近づけるように足場を組んだトレイルがあります。ゆっくり廻って1周1時間くらい。アップダウンもありますが、様々な角度からテラスを見ることができます。
なんと見事な石灰棚!!オレンジがかった色になっている部分には、この場所しか棲息していないバクテリアが発生しているからなんだそう。
こんな目の前まで行くことができたり、上から、下から様々な角度から見ることができます。
湯気がもくもくと上がっているど真ん中を歩いて行く道も。
なんとも言えない神秘的な雰囲気です。水面にもっと顔を近づけると、本当に「ここは人間が立ち居ることができない世界だな」と思ってしまいます。
また、「ざざざざざ!!!」と、まるで濁流のような川の音が、辺り一体に響き渡っているのですが、どんなに目をこらしてみても緩やかに水が流れているようにしか見えません。一体この濁流の音はどこから来ているんでしょうか…
ここでは毎日2トン以上の石灰が地中から流出しており、テラスの形も1週間もすれば変わってしまうんだとか。一期一会の光景をぜひ目に焼き付けておきたいものですね。
散策通路の入口に、モニュメントのようにそびえ立っているのは リバティキャップ。自ら噴出した流出物で、噴出口が塞がってしまったんだそう。