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【アメリカ】野生の動物を観るのも醍醐味!「イエローストーン国立公園」

取材・写真・文:

兵庫在住
訪問エリア:18ヶ国

2017年9月7日更新

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写真:まき子

“世界で一番最初にできた国立公園”としても有名で、日本でもよく耳にする「イエローストーン国立公園」は間欠泉やプールといった大自然も素晴らしいですが、そこで生きる野生動物にもぜひ目を向けてみてください。すぐそばで悠々と歩くバイソンから、遠目でしかみられない貴重なオオカミなど、動物探しも楽しいものです。その際の注意点などもご紹介します!

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自然や野生動物を守るための「イエローストーン国立公園」

  • 写真:まき子

アメリカでは、ユネスコ世界遺産に登録されるより国立公園に指定されることの方が価値がある、とよく言われます。それくらい重要視されている国立公園としての役割は、「Keep Wildlife Wild!」 自然のものは自然のままに後世に残すこと。

イエローストーン国立公園は、その中でも一番最初に指定された国立公園です。

  • 写真:まき子
  • 写真:まき子

広大な敷地の中には、自然をあるがままに保ちつつも、人が楽しめるよう、大迫力の間欠泉やカラフルで美しいプールなどがみられるトレイルがたくさんあり、ついつい華やかな自然に目を向けがち。

でも、ちょっと立ち止まって、森の中、崖の上、草原の中、雪の上をじっくり観察してみてください。イエローストーンに生きる野生の動物たちに、きっとたくさん出会えます。

国立公園のシンボルマークにもなっている「アメリカバイソン」

イエローストーンでまず目にするのは、おそらく アメリカバイソン だと思います。バイソンは一時乱獲されて絶滅危惧種になったのですが、今ではかなり回復しているそうです。

  • 写真:まき子

インフォメーションセンターの駐車場すぐ隣で、バイソンの親子が悠々と草原の草を食べているくらいに間近に見られるのですが、これくらいで驚いてはいけません。

  • 写真:まき子

彼らはパーク内の主要道路も歩いて移動しています。パークレンジャーの話によると、人間が動物に危害を与えないようにして来たおかげで、バイソンも人や車を見ても逃げないんだそう。

  • 写真:まき子

こんな2〜3頭だけなら良いのですが・・・

  • 写真:まき子

「ん?何やら渋滞しているぞ…?」
と車の先を見ると、バイソンの群れが道路を悠々と歩いています。こんな現場に遭遇したら、もう諦めましょう。

  • 写真:まき子

なぜなら、パーク内では 動物を車などで威嚇することはタブー!! だからです。ここでの主役は動物たち。もし威嚇などするとパークレンジャーが飛んで来て、とんでもない罰金を払うことになるかもしれません。

  • 写真:まき子

もし、バイソンなどの動物による渋滞にハマったら、彼らと一緒にゆっくりドライブを楽しんでください♪

「20世紀最大の実験」?!自然のサイクルを取り戻したオオカミ

  • 写真:まき子

筆者が訪れた5月頭はイエローストーン北東部はまだ雪深かったのですが、ドライブ中によーく目を凝らして見ると、一頭のオオカミが!!

  • 写真:まき子

これが“あの”オオカミだ! と、感動してしまいます。

1930年代に絶滅したオオカミ

オオカミというと、『赤ずきん』といった童話にもあるように、何かと悪役で 動物を食い殺し人間も襲う という悪いイメージが付いています。

実際そうかもしれません…が、「悪い奴ら」と言って人間が多くのオオカミを殺してしまったせいで、1930年代にはイエローストーンからオオカミが一度消えてしまいました。

その結果、どうなったかというと…

イエローストーンの生態系が大きく狂ってしまった!!

  • 写真:まき子

現在でも、イエローストーンの中はもちろん、その郊外でも頻繁に見られるのはシカです。彼らは住宅街にまでやってくるほど増殖してしまいます。

なぜなら、オオカミがいなかったから。

  • 写真:まき子

オオカミという天敵がいなくなったことで、シカの数は異常に増え、木や草は食べ尽くされてしまいます。

  • 木や草がなくなれば、小鳥も減る。
  • またオオカミが食べるコヨーテも増殖し、コヨーテが食べる小動物が激減。
  • すると、小鳥や小動物を捕食していたワシやタカといった肉食の鳥類も減る。

このように、生態系が崩壊しつつあったのです。

なんとかしなければ!カナダで捕獲した野生のオオカミ31頭を投入!

そんな生態系の崩壊に気づいた国立公園がとった行動は、 オオカミを呼び戻そう! というもの。1995年にカナダで31頭のオオカミを捕獲し、イエローストーンに放ちました。

その結果は、目まぐるしい変化を遂げたそうです!

まず、増えすぎたシカの変化。オオカミに食べられ個体数が減るのはもちろんですが、オオカミに狙われやすい場所には行かなくなり、彼らの行動範囲はグッと狭まりました。すると、シカが来ない場所から木や草が復活。

シカが食べ尽くして岩肌や土がむき出しだった谷間は、あっという間にアスペンや柳、ハコヤナギが生い茂る森となり、すぐに多くの鳥たちが生息し始めたそうです。コヨーテもオオカミの餌。増えすぎたコヨーテが減ることで、小動物が復活し、それを捕食するワシ、イタチ、キツネなども増えました。

この“オオカミ投入”は「20世紀最大の実験」とも言われたそうですが、31頭だけだったオオカミは今では1,000頭ほどになり、その結果、見事にイエローストーンの生態系を取り戻しつつあります。そんな オオカミ 、イエローストーンに行くなら、ぜひ探してみてくださいね。

戻ってきた動物たち

今では、とてもたくさんの動物たちが生息しているそうです。私たち観光客が見られるのはそのほんの一部かもしれませんが、それでも出会える動物一つ一つを目にすることはとても貴重な体験だと思います。

  • 写真:まき子

ちょこちょこ歩く姿が可愛い キンイロジリス 。つい触って見たくなりますが、その際にもし引っかかれたりしたら大変!!野生のリスは狂犬病など多くの感染源を保有している可能性があるので、決して触らないでください。

  • 写真:まき子

人が来ても全然逃げず、かなり近くでも見られる、黒・白・ブルーの綺麗な鳥はカササギ。日本では佐賀県の県鳥とされているなど馴染みのある鳥ですが、日本で見るより一回り大きい気が…。

  • 写真:まき子

正真正銘のカラスも戻って来ました。カラスというと “人間の食べ散らかしたものを漁る”というイメージですが、人間のゴミ処理を厳しく管理しているイエローストーンのカラスは、オオカミの食べ残しを餌としているそうです。

  • 写真:まき子

望遠鏡を覗いていると、遠くの方で カナダヅル を見ることもできました。日本のツルのイメージとは異なり灰色のツルです。

  • 写真:まき子

世界最速と言われる プロングホーン も! ツノがあるので一見「シカ」のようですが、シカ科ではなく「プロングホーン科」という本種のみ。世界最速の動物というと「チーター」が有名ですが、チーターが早いのは瞬間的。長距離を最速で走れるのは プロングホーン と言われています。

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この記事を書いたトラベルライター

じっとしているのは耐えられない旅行好き&飲兵衛です
日本在住ですがアメリカで生活したこともあり、その時にすっかりアメリカ大陸の自然に魅了されました。それ以来、帰国しても日本の自然の素晴らしい場所をあちこち旅行するのが好きです。1児の母でもありますので、“子連れで行くとどんな旅になる?!”という視点も織り交ぜていろんな場所をご紹介できればと思っています。
http://blog.goo.ne.jp/makiko0213ha

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