旅行好きの人ならご存知、トルコのカッパドキアのような造形美が日本でも見られるのを知っていますか?本州最北端・青森県にある「仏ヶ浦」は、海底が見えるほど透き通った海にそり立つ、壮大なスケールの奇石海岸。実際にみるとあまりの美しさに驚嘆する景色です。ここでは知る人ぞ知る絶景の地、仏ヶ浦の魅力をご紹介します。
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自然が生んだ神秘の海岸、仏ヶ浦とは
仏ヶ浦とは青森県下北半島にある、全長約2kmに渡ってつづく奇石海岸。太古の海底火山によって生まれたグリーンタフ群が、津軽海峡の荒波や風雪により少しずつ削られて、現在の神秘的な造形となったと言われます。この世のものとは思えぬ程の美しい景観は仏の住む地と称され、国の名勝・天然記念物にも指定されていますよ。ベストシーズンは5月〜10月ごろ。
仏の住む地、仏ヶ浦の見どころ
如来の首
仏の住む地と称される仏ヶ浦は、ひとつひとつの奇勝に仏に因んだ名がつけられているので、探し見比べてみると面白い。こちらは如来像に似ていることからその名がついた如来の首。右側を向く横顔がお分かりになるでしょうか。高さは15m程。
双鶏門(そうけいもん)
写真中央、上のほうに映っている向かい合う小さめの岩が双鶏門です。その左に連なる大きな奇岩は、見る角度によってはモアイ像にそっくり!と写真に収める方も。
蓮華岩(れんげいわ)
こちらは蓮華の形をした蓮華岩。陸上からもご覧になれますが、観光船に乗って海上から眺めるのがオススメ。
一ツ仏
左側の一番大きな岩が一ツ仏です。陸上からみると、ロウソクの火のような形でまっすぐそり立つ巨岩がみられます。高さ約23m。
不老長寿の水
干潮時にだけ歩いていける極楽浜には、岩の間から不老長寿の水と呼ばれる湧き水が出ています。ペットボトルに入れて持ち帰る方も。
大町桂月歌碑
その昔地元の人以外ほとんど知られていなかった仏ヶ浦が、広く知られるようになったきっかけである文豪・大町桂月が詠んだ歌が残されています。
呆れ果て 驚き果てて佛宇陀 念仏申す外なかりけり」
展望台
国道338号線沿いに設けられた展望台からは、仏ヶ浦を一望することができます。仏ヶ浦駐車場から佐井港方面へ1.5km程の地点にあります。
フェリーや標高差100mの階段!? 仏ヶ浦へのアクセス方法
仏ヶ浦は「日本の秘境100選」に選ばれた遠隔の地。だからこそ訪れてみたい旅人心をそそる場所ですが、潮の干潮・満潮時刻や各交通機関のチェックがかかせません。スムーズな乗り継ぎで、快適な旅を楽しんでください♪
行き方:首都圏から佐井村まで
◼︎飛行機
各社飛行機にて函館空港または青森空港で降機。函館空港から定額タクシーまたはシャトルバスにて函館フェリーターミナルへ。青森空港からは連絡バスにて青森駅で下車。各スポットからは、下記のフェリー・電車・車へ乗り継ぎ佐井村へ。
◼︎フェリー
函館・青森・蟹田方面から各種フェリーにて佐井村へ。仏ヶ浦はさらに佐井港・牛滝港・脇ノ沢港から出ている観光船に乗り継ぐため、いずれかの港を利用しましょう。
◆津軽海峡フェリー:(運行区間)函館〜大間崎間
※大間崎〜佐井間は連絡船はありません。バス、タクシー、レンタカーをご利用ください。
◆シィライン:(運行区間)青森〜脇ノ沢港〜牛滝港〜佐井港
◆むつ湾フェリー:(運行区間)蟹田〜脇ノ沢間
◼︎電車
東北新幹線にて八戸駅または新青森駅で下車。各駅から青い森鉄道または奥羽本線(野辺地にてJR大湊線に乗り継ぐ場合あり)に乗り継ぎ、下北駅で下車。下北駅からは路線バス(下北交通)にて佐井村へ。
◼︎車
東北自動車道 八戸I.C.または青森I.C.で下車。国道4号線を陸奥湾沿いに北上し、むつ市を目指します。むつ市からは津軽海峡沿いを走行する北まわりのルート、または陸奥湾沿いを走行する南まわりのルートで佐井村へ。(薬研温泉〜佐井へ抜けるルートもありますが、未舗装で山岳地帯を通るため迂回することをオススメします。)
◆北まわりルート(大畑~風間浦~大間を経由)
マグロや本州最北端の地として知られる大間崎、下風呂温泉、恐山、薬研温泉などを巡るのに最適。
◆南まわりルート(川内〜脇ノ沢〜牛滝を経由)
北限のニホンザルや鯛島で知られる脇ノ沢、川内ダム・川内渓谷の観光に便利です。
行き方:佐井村から仏ヶ浦(入り口:仏ヶ浦港周辺)まで
◼︎車
各ルート(北まわり・南まわり)を経由して国道338号沿いにある仏ヶ浦駐車場(冬季閉鎖)へ。駐車場からは遊歩道を20〜30分程歩いて仏ヶ浦港周辺へ。遊歩道は標高差100m程の急勾配な階段であるため、足腰の弱い方は観光船でのアクセスがオススメです。
◼︎連絡船
仏ヶ浦港へ入港する連絡船は、佐井港・牛滝港・脇ノ沢から出航していて全てガイド・パンフレットが付いています。佐井港からはこのルートのみ、途中「願掛岩」という観光スポットがみられたり、牛滝港から出航する「夢の海中号」は唯一海底がみえるグラスボート式の連絡船です。お好みの観光船で仏ヶ浦を堪能してくださいね。詳しくは下記をご覧ください。
◆佐井港出発:片道約30分。運行2社の詳細は佐井定期観光(株)、仏ヶ浦海上観光(株)からご確認ください。
◆脇ノ沢港出発:片道約45分。「夢の平成号」が運行。
◆牛滝港出発:片道約15分。運行は「夢の海中号」。
夢の海中号の問い合わせはこちらへ、電話0175-38-5818・0175-38-5018。往復1,000円、営業時間は7時30分〜17時。営業期間は5月1日~10月中旬。
歩き方
仏ヶ浦は海の波風によって複雑に岩が削られているので、歩き易い靴で訪れましょう。また散策中は岩壁からの落石に気をつけて下さい。海岸の観光地であるため、満潮・干潮時間をチェックして干潮時に訪れることをオススメします。海は透明度が高くとても綺麗ですが、水深5m〜と非常に深いので波打ち際には近づかないようにしましょう。
5月〜7月頃は、イルカの群れに出会えることもあるそう。フェリーで訪れる方は、ぜひ探してみてはいかがでしょうか。