LGBTフレンドリー/ゲイフレンドリーとは?「LGBT」とは?それら基本概念の解説しつつ、欧米〜中東まで世界各国のゲイフレンドリーバー/カフェ/レストランを、複数紹介します。
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LGBTフレンドリー/ゲイフレンドリーとは
LGBTフレンドリーという言葉は、性的マイノリティの人々を拒絶しない態度を示すときに使われる言葉です。(英語では)一般的に「ゲイフレンドリー」と呼ばれています(Gay/ゲイという言葉は、英語では同性愛を意味するので、同性愛の女性にも当てはまることがあります)。
自分はLGBTに当てはまらないけれど(いわゆるヘトロセクシュアル/heterosexualだが)、LGBTフレンドリーの態度を示している場合は、「アライ/Ally」と呼ばれます(アライという言葉には「同盟」のような意味があり、 英語のニュースでは「同盟国」のような意味でも、よく使われます)。
LGBTフレンドリーバー/カフェ/レストランetc(以下:ゲイフレンドリーバー/カフェ/レストランetc)とは、ゲイフレンドリーであることを(ある意味ブランディングの一貫として)表明している飲食店のことです。
例えばゲイバーだと、実質、ゲイ以外の客が利用しにくいですが、ゲイフレンドリーバーはそうではありません。ゲイ向け飲食店として経営したいけれども、客層を広げたいからゲイフレンドリーにしておく、という状態がなきにしもあらずです。
欧米先進国のリベラルな都市には、ゲイフレンドリーバーやゲイフレンドリーカフェなどがちょくちょくあり、どちらかというと若者を中心に、性別に関係なく人気があります。
LGBTの意味
LGBTとは、性的マイノリティの分類の頭文字を合わせた言葉です。L:レズビアン、G:ゲイ、B:バイセクシュアル、T:トランスジェンダー。厳密には4種類以上ありますが、この記事では割愛させていただきます。
また性別には、どうしても男or女という二元論に落とし込まなければならないのか?のような疑問や議論も存在します。なぜなら両性具有(生まれながら、男性器と女性器を身体的に有する状態)という状態もあるからです。この状態は「Intersex」とよばれ、LGBTIQA+の「I」にあたります。
LGBTうんぬんの用語には、これらを認識し、議論をすすめていくという役割があります(無いとそこで「しらん・わからん」で話が終わって諸々の不便が解消されませんが、知ればそこで問題即解決なことも多いです)。
性的指向
LGBT に関するよくある典型的な誤解の一つが、「性的指向」という言葉についてです。「指向」と「趣向」がごっちゃになっているケースが有名ですが(典型的NGとして)、これらふたつは別です。
【性的指向】は、性的に関心がある性別の対象を指します。例えばヘテロセクシュアルの男性が女性を好きな場合、この男性の性的指向は女性であり、女性が好きという部分は趣味(という次元)ではありません。
男→男(性的指向:男)、女→女(性的指向:女)、男→女(性的指向:女)、女→男(性的指向:男)。これらは趣味・趣向ではありません。「趣向」はあくまでも「趣味」なので、性別が関係なく、たとえば「SMがすき」とか、そういうことを指します。
男が女を好きなこと(性的指向)と、SMがすきなことは(性的趣向)、好きの次元が違います(例えば男性が「私は女性が好き」と言って「なんだその趣味は」という展開には決してならないように)。同性愛を趣味のように茶化すとNGな理由が、そこにあります。これが、「性的指向」という言葉が司るところです。
性自認
性的指向に対し、性自認とは、自分が自覚している性別のこと。「性自認」と「生まれた時の身体的性別」が一致している場合、シス男性/シス女性と呼ばれます。トランスジェンダーは、肉体の性別と性自認がイコールでない状態が前提となります。女装とは別です。
マツコデラックスやナジャグランディーバのようなドラァグクイーン(女装家)は、あくまでもパフォーマー/異性装なので、強引にまとめると歌舞伎の女方と似たような状態です。そしてドラァグクイーンは、たいていが、パフォーマンスの一環として異性装をしているゲイ(男性)、です。
この状態の人たちが、商売としての女装(ドラァグクイーン)を、スラングで「オカマ」「オネエ」と呼ぶことはあります。しかし、商売としての女装(ドラァグクイーン)以外に(たとえばゲイ男性とかに)「オカマ」「オネエ」と言うのは、ほとんどのゲイ男性は女装を職業としてないので、侮辱となりえます。これはアメリカの黒人に関するNワードに近いものがあります。
これから紹介するゲイフレンドリーの飲食店は、前提として、上記の理解があります。
世の中の変わり目では、しばしば、正当・理不尽の両方の批判が、このよう脆い立場へ集中することがあるため、謂れのない批判を受けないために、このデリケートなゾーンを包みつつ、「大丈夫」とプレゼンしていくというとことが、(あまりよくわからないと思われがちな)ゲイフレンドリーと呼ばれる表現にはあります。 そして海外には、そういう状況が当たり前である、という国も多いです。
【1】アメリカ・ボストンのゲイフレンドリーレストラン「dbar」
アメリカのマサチューセッツ州の州都・ボストンにある、ゲイフレンドリーレストランです。ボストンはアメリカでも有数の、リベラルな都市。「ゲイです」というカミングアウトが「母子家庭です」くらいに聞こえてもおかしくないくらいの環境があります。
「dbar」は夕方まではレストラン営業をしており、夕方からはゲイクラブ営業が始まります。写真はロブスターオムレツで、19ドル/2,090円。
- ディーバー
- アメリカ / 洋食・西洋料理
- 住所:1236 Dorchester Ave, Dorchester, MA 02125地図で見る
- Web:https://www.dbarboston.com/
【2】アメリカ・ワシントンDCのゲイフレンドリーレストラン「Annie’s」
アメリカの首都・ワシントンDCにあるのがこちらの「アニーズ」。アメリカでもかなり有名な、老舗ゲイフレンドリーレストランです。Netflixの番組・アグリーデリシャスにも登場しています。写真はPrime Rib French Dipで、15.50ドル/1,705円。