フィンランド
フィンランド観光
「森と湖の国」はサンタクロースとムーミンの故郷

町でオーロラ観測できる冬のフィンランド・サーリセルカと小さな教会

取材・写真・文:

神奈川在住
訪問エリア:19ヶ国

2021年1月8日更新

3,658view

お気に入り

写真:まきまき

雪と氷の世界である冬のラップランド。中でも代表的なのはフィンランドの北部の町「サーリセルカ」です。ここは神秘の冬を感じられる素晴らしい場所であり、厳冬期に多くの観光客が訪れています。そんなサーリセルカの町の様子と、ひっそりと佇む小さな教会をご紹介します。サーリセルカでは町からオーロラ観測ができるため、運が良ければ宇宙に広がる光のカーテンに遭遇できるかもしれません。

この記事の目次表示

神秘の世界ラップランドとは

  • 写真:まきまき

北緯66度33分より北側の地域を北極圏といいますが、さらにノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアを含むこの辺り一帯のことを、ラップランドと呼んでいます。厳密には北極線が境目ではないようですが、大まかにはスカンディナヴィア半島北部からコラ半島までのエリアを指しています。

夏は一日中太陽が沈まない白夜となり、美しい自然が顔を出すので、ハイキングなどを楽しむ人々が多いようです。一方冬は太陽の昇らない極夜といった状態で、辺りは厚い雪と氷に覆われます。そしてときには夜空にオーロラがうごめく、神秘の世界が広がっています。

ラップランドの町サーリセルカ

  • 写真:まきまき

ラップランドにある町といえば、フィンランド北部のサーリセルカです。冬は一面白銀の世界で、周囲は森に囲まれています。規模は徒歩20〜30分で一周できてしまうほどの大きさで、人口はわずか350人しかいません。とても静かではありますが、ローカルな田舎町というよりはリゾート地であるため、多くの観光客が訪れています。

通常どの地域でもベストシーズンと言われるのは、雨が少なく暖かい時期であることがほとんどですが、サーリセルカはそれとは逆で、厳しい冬である12月から2月の期間にたくさんの人がやって来るそうです。施設はメイン通りを中心に、ホテルやレストランが並んでいるほかスキー場も隣接しています。

サーリセルカの町の様子

  • 写真:まきまき
  • 写真:まきまき

町にはいくつかのギフトショップがあり、サンタクロースやトナカイの置き物、キャンドルやランタンなどのクリスマスグッズが置かれています。筆者が訪れたのはクリスマスが過ぎた1月末でしたが、決して時期遅れな雰囲気ではなく、真っ白な雪とともにリアルなムードを楽しむことができました。

また店頭でランタンを灯していることも多く、冷たい雪の中に灯る小さな炎からは、優しい温りが感じられます。

  • 写真:まきまき

スーパーマーケット「Saariselän Kuukkeli Oy」は、食品売り場のほかホームセンターにもなっていて、ここでほとんどの生活用品を調達することができます。ムーミンのお茶やカップなど、かわいいグッズも置いてあるので、お土産として買い物するのもいいでしょう。

  • 写真:まきまき

それにしてもサンタクロースは、雪深いラップランドがよく似合います。実はサーリセルカの森の奥にはサンタクロースの家があり、ときどき町にも買い物をしにやって来るという、そんなイメージさえ膨らんでしまいます。ちなみに森の中には野生のトナカイがいるそうで、スキー場などでひょっこりと遭遇するのも珍しくないようです。

Saariselän Kuukkeli Oy
フィンランド / スーパーマーケット
住所:Saariseläntie 1, 99830 Saariselkä, Finland地図で見る

サーリセルカの小さな教会

装飾の少ない教会内のシンプルな様子

  • 写真:まきまき

町の片隅には小さな教会「Saariselkä S:t Paulus kapell」が一軒あり、中はガランとした空間にイスを並べただけの、とてもシンプルなインテリアです。祭壇はステンドグラスではなく透明のガラス張りになっていて、正面にはこんもりと雪のかぶった木々の姿が見えています。

それはまるで森の妖精たちが、こちらを覗き込んでいるような光景です。派手な装飾がないところはかえって個性的に感じられ、サーリセルカらしい素朴な雰囲気が味わえるでしょう。

サーリセルカの教会でオーロラ待ちができる

  • 写真:まきまき

明かりの少ないサーリセルカでは、夜は町からオーロラ観測をすることができ、教会の脇辺りがちょうど観測に適した場所となっています。ですが冬は常に氷点下ふた桁の気温なため、いつ発生するかわからないオーロラを、野外でずっと待っているのは決してかんたんなことではありません。

だけどこの教会は、そんなオーロラ待ちの人たちのために深夜も開放してくれているそうです。室内で発生待ちができるのであれば、とても手軽でありがたいですね。ただ教会の窓から夜空が見えるわけではないので、ときどき外にチェックしに行くのを忘れないようにしてください。

オーロラ観測に関しては、もちろん現地ツアーに参加するなどして、建物のない湖や丘に行ければよりベストではありますが、予算の都合でそれができない場合でも、サーリセルカならば見られるチャンスは訪れるということです。

もしもオーロラに遭遇できなくても、残念がることはありません。ラップランドの昼の短かさや星座の位置などから、きっと普段とは違う角度から宇宙を感じられると思います。そして特別な出来事がなくても旅はすでに素晴らしく、小さな出会いのひとつひとつが豊かさを与え続けてくれるでしょう。

Saariselkä S:t Paulus kapell
フィンランド / 社寺・教会 / 教会
住所:99830 Saariselkä, Finland地図で見る

サーリセルカの行き方

  • 写真:まきまき

フィンランド北部の町、サーリセルカの最寄りの空港はイヴァロ空港です。イヴァロ空港は日本からの直行便がないため、ヘルシンキからフィンランド国内線に乗り換えるのが一般的です。到着後はサーリセルカ行きのバスが空港の目の前から出ています。空港の規模はとても小さいので、バス停を探して迷うことはないでしょう。

それからサンタクロース村があることで有名な町「ロヴァニエミ」から、バスでサーリセルカに向かうのもおすすめです。所要時間は約3時間半〜4時間ほどかかりますが、バスでの移動は旅の経験を深めてくれるので、是非利用してみてはいかがでしょうか。その際にはフィンランドを走るバス会社「Matkahuloto」で、時間や料金などの詳細を確認してみてください。

サーリセルカ
フィンランド / 町・ストリート
住所:Saariselkä Finland地図で見る

次のページを読む

フィンランドの旅行予約はこちら


フィンランドのパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

フィンランドのホテルを探す

フィンランドの航空券を探す

フィンランドの現地アクティビティを探す

フィンランドのWi-Fiレンタルを探す

この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

同じテーマの記事


冬こそ美しい!雪のフィンランド・ヘルシンキの2大寺院と凍りつく港

フィンランドの首都ヘルシンキは、バルト海東部のフィンランド湾に面した小さな半島に位置しています。北極圏からそれほど遠く離れていませんが、ノルウェー沿岸を通る暖流...


これぞ北欧の村♪ヘルシンキから行くアーティスト村フィスカルス!

フィンランドの首都ヘルシンキから西へ約85kmの場所に、人口は600人程ですが、観光客は年に10万人訪れるというフィスカルス村があります。もともとは工業地帯でし...

【フィンランド】ヘルシンキを1日で回る!よくばり観光モデルコース♪

北欧フィンランドの首都、ヘルシンキは日本人にも大人気の旅行先です。そんなヘルシンキは実はとてもコンパクトな街で、1日あればほとんど回れてしまうってご存知ですか?...

【フィンランド】夏は白夜、冬はオーロラを堪能!北極圏(ラップランド)を旅しよう!

北欧フィンランドのほか、スウェーデンやノルウェー北部に位置するのがラップランドと呼ばれる北極圏地域です。北極圏では、夏は日が沈まない白夜を体験できるほか冬には、...

飛行機からオーロラ鑑賞も!?トラム&徒歩で楽しむ冬のフィンランド・ヘルシンキの街歩き

フィンランドは成田から平均10時間20分と、ヨーロッパでは最も飛行時間が短い国です。冬には氷に覆われる幻想的なバルト海や、オーロラを見られる可能性があり、北欧ら...

この記事を書いたトラベルライター

トラベルフォトグラファー
カメラを片手に一人旅をしています。行ったことのある場所を再び訪れても、旅にはふたつとして同じ経験はなく、世界はミラクルの連続です。感動からハプニングまで、様々な出会いの中にたくさんの面白さがあり、出発してから帰るまですべての場所が目的地ですね。

それらを旅好きな仲間達と共有していけたらと思っています。みなさんの旅がHappyでありますように。
http://makimomo.com

スーツケースDIY修理!セルフでキャスターを交換する方法

スーツケースのキャスター部分を修理に出すと、1ヶ所数千円もかかるため買い替えた方が早いです。でも部品そのものは安価であるため、自力で直せたら助かりますね。今回は...


スーツケースのキャスターゴムの自力でかんたん修理方法

スーツケースのキャスターを保護する表面のゴム部分。ここが取れてしまったら大ピンチです。壊れる前に対処をしなければなりませんが、修理に出したり買いかえるのはちょっ...


日本三大パワースポット!長野県の分杭峠でゼロ磁場を体感しよう

長野県の分杭峠(ぶんぐいとうげ)は標高1,424mの静かな山の中に位置しています。そこはゼロ磁場と呼ばれる特殊な状態が生み出されていて、世界有数のパワースポット...

【神奈川】みさきまぐろきっぷでお得に!三浦半島日帰り旅行モデルコース

京急線の終点「三崎口」を降りると、都会の景色とは一変したのどかな世界が広がっています。マグロ料理を堪能したり潮風に吹かれたりと、リフレッシュするには最高の場所で...

【神奈川】箱根フリーパスで巡る日帰り定番モデルコース

日帰り旅行におすすめな神奈川県の箱根は、豊かな自然に囲まれた温泉地で、東京近郊からのアクセスも良く手軽に訪れることができます。そんな箱根をめぐる、定番の日帰り観...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります