福岡県南部にある八女市は、全国でも有数のお茶・八女茶(やめちゃ)の産地として知られています。とくに、最高級のお茶・玉露(ぎょくろ)の生産は日本一。福岡市から車で約1時間半、八女市星野村にある「茶の文化館」は、お茶を味わい・学び、そしてお茶にまつわるあらゆる体験ができる施設です。日本茶ってこんなに奥深いんだ!と発見することも、たくさんありますよ。茶の文化館を、訪ねてみませんか?
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八女茶ってどんなお茶?
茶の文化館に行く前に、まずは八女茶について少し説明します。
全国有数のお茶の産地・八女地方
福岡県の南部・八女地方で生産される八女茶(やめちゃ)。生産量は全国6位。中でも、最高級のお茶である玉露(ぎょくろ)の生産量は全国一位で、国内の生産量の半分近くを占めています。
この地域一帯は、山間地であり、朝晩の寒暖差が大きく、川が多いため、霧が多く発生します。この霧が太陽の光を自然とさえぎるため、良質なお茶の生産に適した環境となるのです。
また、質の良いお茶のみを生産しているのも、八女茶の特徴です。他の多くの地域では、お茶の芽を増やして年に3回~4回摘み、収量を増やしています。ところが八女では、葉をしっかりと育ててから摘むので、ほとんどの場合一番茶のみ、摘んでも二番茶までと、多くとも年に2回しか摘みません。とくに玉露は、一番茶のみで、年に1回しか摘まないのです。
日本一を誇る玉露の生産
八女の玉露は、高品質であることで知られています。
玉露も、煎茶の一種ですが、お茶の新芽が出たら日光が当たらないようにするという特別な方法で栽培されます。そのため、通常の煎茶と比べて、渋みが少なく、まろやかなコクのある味になります。
最高級のものは「八女伝統本玉露」と名付けられています。お茶の葉はすべて手摘み、稲わらで日光を遮る、というように、昔ながらの伝統的な製法で作られているのです。
茶の文化館は、星野村にあります
星野村ってどんなところ?
茶の文化館があるのは、八女市星野村。2010年に八女市に合併しましたが、もともとの地名であった「星野村」という名前が、今も継続して使われています。
「日本で最も美しい村」連合にも加盟。「星」がつく地名のとおり、星の美しさも格別です!
どこまでも続く空。その中に、棚田や茶畑が広がっています。
アクセス方法
- 福岡市から南へ、車で約1時間半。広川ICまたは八女ICから車で約50分。
- 電車とバスの場合は、JR羽犬塚駅から、バスで途中乗換で約90分。
- 詳しいアクセス方法はこちら
お茶とふれあい、味わい、体験できる施設「茶の文化館」
それでは、茶の文化館に入ってみよう!
茶の文化館は、2017年4月にリニューアルされ、より充実した展示内容となりました。入場は無料です。
玄関を入ると、まず、おみやげ売り場があります。
様々な種類のお茶の葉はもちろん、キャンディ、かりんとう、まんじゅう、カステラ、アイス、ジャム、ふりかけ、石鹸、お茶染め製品・・・と、お茶を使ったあらゆるものが売られています。急須や、茶道具もあります。
ついつい気になって立ち止まってしまいますが・・・また帰りにゆっくり!まずは、中に入ってみましょう。
お茶の奥深さを学ぼう
展示コーナーです。
お茶にはいろんな種類があるけれど、実はどれも同じ葉っぱから。煎茶、深蒸し煎茶、かぶせ茶、玉露、抹茶、番茶、茎茶、ほうじ茶、玄米茶、紅茶、ウーロン茶。全部同じ葉っぱで、作り方が違うだけです!
お茶のライブラリー。
茶道やお茶のことが学べる本がそろっています。ゆったりと外の景色を眺めながら、くつろげるスペースです。
お茶席でお茶を味わおう~おススメは「しずく茶」!
八女茶席で、お茶を味わうことができます。(有料)
ここでおススメは、「しずく茶」(500円~)。八女伝統本玉露をおいしくいただくために、茶の文化館で生み出された飲み方です。
蓋つきの茶碗で、しずくのように落ちてくるお茶を、一滴一滴味わいます。玉露のコクとまろやかさが、口の中いっぱいに広がります。1煎目~4煎目まで楽しめ、その度に味が変わります。最後はなんと、酢醤油で葉っぱごと食べてしまいます。
ぜひ、「しずく茶」をお試しください♪
定番の抹茶もありますよ。
レストラン「八女茶寮」では、お茶を使ったメニューが楽しめます。
茶そばや、お茶を使った天丼、玉露を使ったカレー、サラダ、アイスやパフェ・・・など、バリエーションはいろいろ。全てのメニューにお茶が使われています。
体験工房で、お茶を体験しよう
体験工房では、お茶にまつわるいろんな体験ができます。以下のメニューは、予約なしに随時受付しています。
- 石臼抹茶ひき 500円/20分
- ほうじ茶作り 500円/40分
また、以下のメニューは、予約が必要ですので、茶の文化館に、直接お問い合わせください。
- お茶の淹れ方 600円/40分
- 手もみ緑茶作り体験 1,000円/30分(生の葉っぱから緑茶を作ります。完成したお茶は持って帰れます)
- 闘茶会 800円/40分(5種類のお茶を飲み比べて、名前を当てます)
- 和菓子作り体験 1,500円
新茶の時期がオススメ!
年間を通じて楽しめる茶の文化館ですが、一番オススメの季節は、新茶の出る時期です!「夏も近づく八十八夜」・・・「茶摘み」の歌に出てくる「八十八夜」とは、ちょうど5月の初め頃のことですが、この頃が、新茶の茶摘みの最盛期です。
ゴールデンウィークは、ちょうど摘みたてのお茶が味わえる時期。5月3日~5日には新茶フェアも行われますので、タイミングの合う方は、行ってみてはいかがでしょうか。
もちろん、どの季節に行っても、その季節ならではの楽しみ方がありますよ!
おわりに
知れば知るほど、奥深い日本茶のこと。八女市には、お茶を楽しめるところがたくさんありますので、ぜひ、その魅力を見つけてみてください。まずは、茶の文化館を訪ねるのがオススメですよ!
- 茶の文化館
- 福岡 / 博物館 / 体験・アクティビティ / 穴場観光スポット
- 住所:福岡県八女市星野村10816-5地図で見る
- 電話:0943-52-3003
- Web:https://www.city.yame.fukuoka.jp/soshiki/11/h1/4/1...