京都の伏見区にある伏見稲荷大社は、全国に3万社あると言われる稲荷神社の総本宮です。「外国人に人気の日本の観光スポット」に2014年から3年連続1位(トリップアドバイザー調べ)になるほど、近年では外国人観光客にも大人気。特徴は、なんといっても圧巻の千本鳥居。昔から神社に親しんできた日本人でも、ずらっと並んだ鳥居には感動を覚えます。1,300年以上たった今もなお、国内外の観光客を魅了する、伏見稲荷大社の魅力をご紹介します。
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伏見稲荷大社の歴史
伏見稲荷大社の創建は、711年。渡来系の秦氏の分家と考えられている秦伊呂巨(はた いろこ)が稲荷山に開いたとされています。
応仁の乱により京都の他の寺社同様、壊滅的な被害を受けましたが、1499年に本堂が再建されました。天下統一を成し遂げた豊臣秀吉が伏見城を建築したことで、伏見の街は大いに発展。伏見稲荷の信仰は全国区へと広がりました。
また、秀吉が母である大政所の病気平癒を祈願したところ、大政所の病が治ったことにより、秀吉自身も厚く信仰。修復作業にも力を入れるようになりました。現在も残る楼門は、その際に建立されたものです。
伏見稲荷大社の神様
豊臣秀吉にも信仰されたという伏見稲荷大社、どんな神様を祀っていて、どのようなご利益があるのか気になるところですよね。
伏見稲荷大社は5柱(【柱】は、神様を数える時の助数詞)の神様を、一つの社殿(本殿)に祀っています。
その中の宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)は本殿中央に祀られ、穀物の神様とされています。そこから、五穀豊穣、商売繁盛のご利益がある神社として人々の信仰を集めています。
神の使いは狐
伏見稲荷大社には、神の使いとして多くの狐の姿が見られます。
こちらの狐は、人の目には見えない「白狐(びゃっこ)」として扱われいます。先に紹介した宇迦之御魂大神の別名が御食津神(みけつかみ)と言われ、三狐神(みけつかみ)に転じたことが由来とされていますが、元々大社が祀られている稲荷山に狐が多く生息しいていた、とも言われているそうです。
境内の狐がくわえている物にも特徴があります。それは、「稲穂」「巻物」「鍵」「玉」の4種。何をくわえているのか、その口元にもぜひ注目してみてください。
大人気の「千本鳥居」
やはり、伏見稲荷大社と言えば、その代名詞は千本鳥居。朱色の鳥居がずらっと並ぶ姿は、圧巻の一言です。実際には千本もの鳥居は並んでいませんが、数が多いことを表すためにこの名が付けられています。
伏見稲荷大社では、願いが「通る」または「通った」という意味から、江戸時代には既に鳥居を奉納する習慣があったそうです。
なお千本鳥居以外にも数多く鳥居が奉納されており、伏見稲荷大社全体では様々な大きさで1万基以上の鳥居があるそうです。
現在も鳥居を奉納することは可能ですが、一番安価なものでも175,000円~と正直なかなかのお値段。なので、お財布に優しい鳥居型の絵馬に願いを託してみてはいかがでしょうか。
千本鳥居を抜けた先にある奥社奉拝所にあるおもかる石。願い事を念じたあと、持ち上げた石が自分の予想よりも軽ければ願いが叶い、重ければ願い難いと言われています。
千本鳥居を抜けてお山巡りへ
伏見稲荷大社を訪れる人の多くが、千本鳥居を抜け奥社奉拝所で参拝し引き返しますが、その先、稲荷山の山頂に向けてまだまだ参道が続いています。
稲荷山をぐるっと1周約4キロの道のりを歩くお山巡り。所要時間は2時間ほどです。アップダウンもあり、少々ハードな道ではありますが、時間があればぜひ足を延ばして頂きたいです。
千本鳥居以降は人も少なくなり、よりゆっくりと参拝することができます。
奥社奉拝所から20分ほど登った四ツ辻は随一の絶景スポット。眼下に広がる景色に疲れも忘れてしまいます。
四ツ辻から山頂への道は二手に分かれています。時計回り、反時計回りどちらに進んでも、1周回ってまたこの四ツ辻へ戻ってくるような道のりです。
山頂まではこのような階段が続きます。お山巡りをする方は、歩きやすい靴が必須です!
稲荷山の山頂は、標高233m。この地点にあるのが一ノ峰です。時計回りで回ると、ここから二ノ峰、三ノ峰と歩くことができます。
筆者は真夏に登ったので、戻って来た時には全身汗だくでしたが、とても浄化された気分になりました。途中にはお茶屋や自動販売機もありますので、お山巡りをする方は休憩をはさみつつトライしてくださいね。
- 伏見稲荷大社
- 伏見 / 神社 / パワースポット
- 住所:京都府京都市伏見区深草藪之内町68地図で見る
- 電話:075-641-7331
- Web:http://inari.jp/