インドのムンバイは、イギリス植民地時代の壮麗豪華な建築物が今も遺る魅力的な街です。一方で、スラムに生きる人々の力強さや優しさも、垣間見ることのできる都市です。今回は、多くの人々が交錯するムンバイをご紹介します。
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イギリス植民地時代の長かったムンバイの歴史
インドの最大都市ムンバイは、首都のデリーに並ぶ歴史のある街です。古くは紀元前にまで遡り、数々の王朝が歴史を重ねてきました。1534年にポルトガルが城塞を築くと、1661年に王女がイギリスのチャールズ2世と結婚し、ムンバイは持参金としてイギリスへ委譲されます。その後、ムンバイはイギリスの植民地で最大の商業都市として飛躍し、1947年の独立後も発展を続けます。
統治時代の優美な建築物
ムンバイを植民地としていたとき、イギリスは建築物や鉄道の敷設を積極的に行いました。その時代の建築物は今でも遺り、世界遺産となっている建築物もあります。
チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス(世界遺産)
ムンバイの中心に位置する鉄道駅です。非常に大きなターミナル駅で、1888年のイギリス統治時代に建てられました。
外観は鉄道駅と思えない壮麗なゴシック建築で、インドの伝統建築の要素も見られ、世界遺産に指定されるのも納得の豪奢な建物です。
- チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス
- インド / 駅・空港・ターミナル
- 住所:chhatrapati shivaji terminus地図で見る
Municipal Corporation of Grater(公共施設)
その向かいにも美しい英国建築物があります。
こちらは公共施設ですが、インド色の強い趣のある建物です。
- Municipal Corporation of Grater
- インド / 建造物
- 住所:5, Mahapalika Marg, Fort, Dhobi Talao, Chhatrapati Shivaji Terminus Area, Fort, Mumbai, Maharashtra 400001 インド地図で見る
インド門
チャトラパティ駅から30分ほど南へ行くとインド門があります。アラビア海に面した記念建造物です。元々は漁村の桟橋でしたが、イギリス統治時代に改装され、イギリス人総督や著名人の上陸地として使われました。
インド門に向かって歩いていると、途中から人々が列をなして同じ方向へ歩いていくのですぐわかります。
こちらは、何をするでもなく門の周りに人々が集まり、座って会話をしたり、セルフィーを撮ったりと思い思いにのんびり過ごす地元の人を目にすることができます。
日本人がウロウロしていると、「一緒にセルフィー撮って!」と人が集まってきますよ!
- インド門(ムンバイ)
- インド / 建造物
- 住所:gatewey of india mumbai地図で見る
タージマハルホテル
インド門を背にして西を望むと、タージマハルホテルが見えます。1903年、全てにおいてインド人の手で築かれたこちらのホテルは、現在に至るまでインドを代表するホテルです。
格式ある外観の美しさは言うまでもなく、クラシカルで上品な空間は、インドを訪問する世界の著名人を魅了しています。
フォート地区にある建築
チャトラパティ駅からインド門へ至るまでの道のりには、他にも数多くの目を惹く建築物が点在していますので、アーキテクチャに興味のある方は、歩いて散策されることをオススメします。
昔からのムンバイの日常
豪華な建築物の狭間にはスラムがあちこちに点在しています。また、日本に住んでいると信じられない光景ですが、一般道路を闊歩している牛の様子などもインドでは日常です。
何しろ人が多いので、ちょっとしたところは長蛇の列。とにかく入り乱れているイメージです。
スラムの生活
ムンバイに限らず、インドを旅しているとどこでも目にするスラム街。豪華な建築物の隙間にはスラムに住む人々の生活を垣間見ることができます。こちらのスラムは家の屋根や壁がブルーシートで覆われている様子が見えます。
ここを歩いていると、目を覆いたくなるような汚い場所もあるのですが、人々は総じて明るく人懐こく親切です。特に子供たちは本当に無邪気で可愛いです。
電車のカオス
日本のテレビに映るインドの列車の光景は、ドアからはみ出した人々、列車の上まで登っている人など、日本人にしてみれば「???」ですよね。市内を走る列車ではあそこまでひどくないですが、例えば電車の走行中、ドアが空きっぱなしだったりは日常です。
クーラーなどない車中。扇風機も壊れているのか回っていません。ドアが開いていると良い風が入って、暑いムンバイにはちょうどいいかも知れませんね。
女性専用車両もあります。
道路のカオス
道幅広く取られているムンバイの幹線道路でも、やはり人口比、車両比に比例はしていないよう。常に混雑しています。特に車線というものもないので、上から見ると入り乱れて様子がよくわかりますね。
インドは、日本と相反する文化が多々あり、新たな発見や考えさせられることが多く、旅の醍醐味を存分に感じることのできる国だと思います。欧米などの観光旅行に飽きた方は、是非行ってみられると違う世界が開けるかも知れないですよ!
ムンバイへの行き方
日本からムンバイへは直行便があります。ムンバイの国際空港は美しいインテリアデザインが施され、特にターミナル2はスタイリッシュで整然としており、ため息の出るような空間です。