イタリア・シチリア島にある世界遺産の町として有名な「シラクーサ」は、太宰治の小説『走れメロス』の舞台となった町でもあります。そんなシラクーサの町では、格安のオープンバスに乗って点在する名所を楽々制覇するのがおすすめです◎
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イタリア・シチリア島にある古代遺跡の町「シラクーサ」
シラクーサの歴史
イタリアのシチリア島南東部に位置するシラクーサは、ギリシャ時代にはアテネと同じぐらい繁栄していたとされています。また、古代ローマ時代に征服された後、9世紀にアラブ時代となりパレルモが首府になるまでは、シチリア島のなかで最も重要な町であったという歴史を持ちます。
さらに、天才数学者・アルキメデスを生んだ町であるシラクーサは、太宰治が描いた短編小説『走れメロス』の舞台としても知られています。
古代遺跡の町から「世界遺産の観光地」へ
シチリア島のなかで最も重要な町としての歴史を持つシラクーサは、古くからギリシャ・ローマ時代の遺跡が数多く残されている古代遺跡の町として、多くの観光客が足を運んできました。
特に1990年代後半からは、戦後荒廃していたオルティージャ島の再開発がはじめられ、2005年には市内および周辺の歴史的建造物や遺跡が「シラクーサとパンターリカの岩壁墓地遺跡」として世界遺産に登録されています。このように古代遺跡の町から世界遺産の観光地となったシラクーサは、イタリア・シチリア島のなかでもぜひ訪れてもらいたい観光地のひとつです。
コスパ最高!シラクーサの観光名所をめぐる格安オープンバス
1日5ユーロ(約600円)!効率良く名所を巡ることができる
世界遺産の観光地となったシラクーサの名所を巡るのにおすすめなのが、気軽に利用できる格安のオープンバスです。朝9時から夜19時30分まで毎日利用できるうえ、なんと1人につき1日たったの5ユーロ(約600円)で乗り降りし放題なため、とってもお得です◎
また、乗り降りできるポイントは15ヶ所あり、シラクーサが誇る数々の名所を気軽に巡れるのが魅力です。各停留所では、5ユーロで購入したバスのチケットを見せれば自由に乗り降りができます。交通状況などによっても異なりますが、基本的にバスは20分ごとに巡回しているので、それほど待つこともなく効率良く名所をまわれます!
日本語も!6ヶ国語のオーディオ&イヤホンは無料で利用できる
5ユーロ(約600円)と格安で利用できるオープンバスですが、チケットの購入時には1人ずつに無料でイヤホンを配布しています。名所をめぐりながらバス内でガイダンスを聞くことができるので、より知識を深められます。また、オーディオガイダンスはイタリア語をはじめ6ヶ国語から選べるようになっており、日本語も選択できます!
日本語でのオーディオガイダンスも含まれて1日乗り放題5ユーロ(約600円)なんて、まさに乗らなきゃ損!といっても過言ではないほどのサービスです◎
自由にホップオン・ホップオフできる15ヶ所のポイント
バスで巡る15ヶ所の停留所は、シラクーサの名所を結ぶように点在しています。そのため、目的地をあらかじめ決めておいたり、オーディオガイダンスを聞いて興味を持ったりした場所で降り、観光を楽しみながら次の停留所まで歩くなどといったように、自由かつ気軽に利用できるのが大きな魅力です。
また、歩き疲れたときには、乗車したまま一通りの観光地をバスから眺めるなんていう利用方法もおすすめです◎
特に見どころとなる4つの観光スポット
1.ウンベルティーノ橋(Umbertino bridge)
現在では観光用の港が広がるスポットとなっているものの、かつではギリシャや古代ローマ、アラブの侵略によってさまざまな戦争がおこなわれた場所でもあります。
2.アポロ神殿(Temple of Apollo)
紀元前6世紀末に建てられたとされるアポロ神殿は、約3000年もの歴史を誇り、世界で最も古い石造りの神殿といわれています。1963年の大地震によって崩壊してしまったものの、1860年に発掘されたものが現在の姿として残っています。
3.アルキメデス広場(Archimedes square)
紀元前3世紀にシラクーサで生まれた天才科学者であるアルキメデスに捧げられたのが、ここ「アルキメデス広場」です。広場の中央には、ギリシャ神話の『アレトゥーサの伝説』を表現する、19世紀末にジュリオ・モスケッティによって彫刻された「アルテミスの噴水」があります。
4.マエストランツァ通り(Via Maestranza)
マエストランツァ通りでは、1963年の大地震によって崩壊した中世の建造物がすべてバロックスタイルで再建されていて、綺麗な街並みを散策できます。
- マエストランツァ通り
- イタリア / 町・ストリート
- 住所:Via Maestranza, Siracusa地図で見る
その他、バスに揺られながら眺めた数々の名所
古代ギリシアで建造されたものとして最大規模である「ギリシア劇場(Greek theatre)」や「アルキメデスの墓(Archimedes tomb)」なども、バスに揺られながら眺めることができます。1日ではすべての観光スポットをゆっくりとまわることは難しいため、下車してしっかりと観光したいポイントを決めておくのがおすすめです◎
ちなみに筆者の場合は、シチリア島の東海岸に位置するタオルミーナにあるギリシア劇場の観光を済ませていたため、シラクーサにあるものはバスの上から眺めるだけの行程にしました。
なお、文豪ゲーテも「世界一美しい」と絶賛した景色に出会えるタオルミーナの「ギリシア劇場」に関してはこちらの記事で詳しくご覧いただけます!
- ギリシア劇場(シラクーサ)
- イタリア / 遺跡・史跡
- 住所:Greek theatre, Siracusa地図で見る
シラクーサへの行き方
シラクーサへは、国際空港のあるカターニアからバスや鉄道などの公共交通機関でアクセスできます。鉄道でアクセスする場合の所要時間は片道1時間15分ほど、乗車料金は6.9ユーロ(約820円)~10.5ユーロ(約1,245円)です。電車は1時間に1本ほど出ているため、カターニアからの日帰り旅行にもおすすめです◎
まとめ
古代遺跡の町から世界遺産の観光地へと変化を遂げたシチリア島・シラクーサには、さまざまな見どころが点在しています。そんなシラクーサで観光スポットをめぐる際におすすめの方法として、格安かつ自由に乗り降りができるオープンバスをご紹介しました。
ぜひシラクーサを訪れたときには、コスパ最高のオープンバスに乗って『走れメロス』の舞台を駆け巡ってみてくださいね!