観光に行ったら、その土地でしかできない特別な体験をしたいと思いませんか?こちらの釜蓋神社は、お参りの作法が変わっており、「集中力が必要な神社」としても知られています。『ナニコレ珍百景』でも紹介された釜蓋神社について紹介します。
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釜蓋神社とは
その昔、天智天皇とお妃さまを迎えるために大量のお米を炊いていたとき、急に突風が吹き荒れてお釜の蓋が飛ばされ、現在の神社の地に落ちたそうです。その土地に住む人々がこの釜蓋を拾い上げて神様として祀ったことから、釜蓋(かまふた)神社と呼ばれるようになりました。
ご利益
そんな釜蓋神社は、古くから武(武士道・勝負)の神様として畏敬されています。
戦前は、釜の蓋や鍋を持ったり被ってこちらの神社に祈願すると、敵の鉄砲に当たることなく無事に帰って来られるという言い伝えが広がっていたことから、出兵者やその家族が参拝に訪れていたそうです。
今でも勝負事や開運・開拓の神様としてよく知られ、多くのスポーツ選手が訪れています。商売繁盛・入学就職・試験合格等にもご利益があるとされ、最近はパワースポットとして多くの参拝者で賑わっています。
参拝方法
釜蓋神社では、お釜の蓋を使ってお参りをします。
まずは、さまざまなご利益が書かれた蓋の中から、お好みのものを選んでください。大きいものや小さいもの、さらには2人用の特大サイズもあります。
次に、外側に位置する鳥居の下に立ち、蓋を頭の上に載せます。そのまま10mほど離れた御賽銭箱まで蓋を落とさずに歩けたら、願いが叶うと言われています。
意外と簡単!と思われるかもしれませんが、お釜の蓋は表面がツルツル。しっかりバランスをとらないと、蓋が滑り落ちてしまいます。さらに、神社は海に突き出した岩礁の上に鎮座しているため、海風が吹く中を歩かないといけません。
ですが、成功するまで何度でも挑戦できるのがうれしいところ。「諦めずに最後までやり抜きなさい」と、神様からのメッセージをいただいているような気持ちになれました。
さらに難易度の高い参拝も
お釜の蓋を頭に載せた参拝をクリアして、ほっと一息つけるのもつかの間。釜蓋神社の神様は、参拝者にさらなる試練を与えてくださいます。
直径5cmほどの素焼きの小さなお釜の蓋を、神社下の岩場にあるお釜の中に投げ入れるという願掛け方法もあるのです。
距離があるのでコントロールしにくい上、海風も吹いているので非常に難しく、筆者は成功させることができませんでした。
投げ入れ用のお釜の蓋は2個100円で販売されており、こちらも何度でも挑戦できます。
境内の見どころ
御朱印とお守り
どちらも拝殿の中で販売されています。拝殿の中には有名なスポーツ選手のサインが多く掲げられ、勝負事の神様への信仰の厚さが伺えました。
寿石
拝殿の奥には、霊石が鎮座しています。撫でながらお祈りをすると、子宝・安産・良縁のご利益があるとされています。
絶景スポット
神社の左側には小さな鳥居が建っています。
こちらをくぐって小道を歩いた先には、「希望の岬」という公園があります。ここからは東シナ海と「薩摩富士」とも呼ばれる開聞岳を眺めることができる、抜群の景色を楽しめる場所です。お釜の蓋やしゃもじ型のベンチもあるので、雄大な自然を感じながら一休みしてはいかがでしょうか。
おわりに
釜蓋神社のような参拝方法は、他の神社にはありません。また、絶景を楽しめる場所もあり、きっと旅の印象深い思い出として残ることと思います。