高知県を流れる四万十川。四国山地の山間をくねくねと蛇行しながら太平洋へと注ぐ全長196kmの一級河川ですが、手つかずの自然とのどかな里山の風景が多く残ることから“日本最後の清流”とも呼ばれています。そんな四万十川には、「佐田沈下橋」や「岩間沈下橋」などに代表されるように、特徴的な形をした橋がいくつか架けられています。今回はそうした四万十川に架かる代表的な橋を巡る旅について紹介していきたいと思います。
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四万十市のシンボル!四万十川に架かる赤鉄橋
四万十川下流の街、高知県四万十市。高知県第3の人口を擁する街であり、市内の中心部である旧中村市の市街地には、碁盤の目状の街並みが今なお残る「土佐の小京都」の異名を持つ街になります。
そんな風情ある街並みを残す四万十の市街地と、対岸の具同(ぐどう)地区とを結ぶこちらの橋は、通称「赤鉄橋」と呼ばれる四万十市を代表する橋です。四万十川に架かる真っ赤な色合いが大変特徴的な橋で、ドラマのロケ地としても使われたこともあります。正式名称を「四万十川橋」と言って、大正15年(1926年)の6月30日に完成しました。
渡し船による交通手段しかなかった当時の四万十市の住民にとっては画期的な橋で、また完成当時は四国最大級の鉄橋だったことも手伝って、記念式典の日には大挙して四万十の街に見物客が訪れたんだとか。その後、昭和21年(1946年)に発生した南海大地震によって一度壊滅的な被害を受けますが、再建され今に至ります。
今では、少し下流側に国道56号線の「渡川大橋」、そして中村宿毛道路の「新四万十川橋」が架かっているため、交通手段としての重要性は当時より薄れましたが、橋の上から眺める四万十川の雄大な流れも実に見事です。四万十市街を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみると良いでしょう。
- 四万十川橋(赤鉄橋)
- 高知 / 橋
- 住所:高知県四万十市四万十川橋地図で見る
四万十川の風景を代表する「沈下橋」!長さ四万十一の佐田沈下橋
さて、先ほどの赤鉄橋から高知県道340号川登中村線を、四万十川の上流に遡って進むこと約5km。今度は、四万十川の風景に代表される「沈下橋」の光景に出会いに行きましょう。
こちらは、同じく四万十川に架かる「佐田沈下橋」です。距離的には四万十市の市街地からわずかしか離れていませんが、四万十川を少し山の方へ遡るだけで、この素晴らしい自然の絶景!
いかにも“日本最後の清流”らしく、のどかな里山の風景が広がる「佐田沈下橋」。橋の上からは、これぞ四万十川の風景!といった美しい山川の風景を楽しむことが出来ます。
沈下橋って?
実は今回紹介している四万十川流域以外にも、こうした沈下橋は全国各地にいくつもあります。橋に欄干がなく、川面から橋の上までの高さが異様に低いのが沈下橋の特徴で、増水時には予め橋が川に沈んでしまうように設計された橋のことを指す総称です。
そうすることで、大雨や台風などにより、橋が流出してしまうことを防ぐために作られたのが沈下橋なのです。今でこそ、そうした自然災害にも十分耐え得るような丈夫な橋が増え、このような沈下橋は徐々に姿を消しつつありますが、四万十川流域には今なお40以上の沈下橋が現存していると言われています。
上で紹介している「佐田沈下橋」は、そんな四万十川に架かる沈下橋の中でも長さが最長のもの。数ある沈下橋の中でも、四万十市の市街地に近いこともあり、多くの観光客が訪れる「佐田沈下橋」ですが、このほか代表的な沈下橋としては、有名な日本映画のロケ地となった「勝間沈下橋」や観光パンフレットやポスターなどにしばしば登場する「岩間沈下橋」などがあります。
四万十川で楽しむ川のアクティビティ!
四万十川を巡る沈下橋の旅はいかがでしょうか?雄大な四万十川の流れを風景として楽しむのもまた格別ですが、幾多にも蛇行することによって流れが穏やかな四万十川では、カヌーなどのアクティビティも人気です。
時間があれば、ぜひともそうした川のアクティビティにもチャレンジしてみると良いでしょう!