国宝・鳥獣戯画の所蔵で知られる京都・高山寺。カエルやウサギをコミカルに擬人化した姿は、歴史の資料集などで誰もが目にしたことがあるのでは?今回は、世界遺産に登録されている境内をはじめ、日本最古の茶園、国宝・石水院など、数多くの国宝、重要文化財を今日に伝える高山寺の見所をご紹介します!
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世界遺産 高山寺
高山寺とは
1206年(建永元年)、もとは神護寺の別院だったものを明恵上人が賜り、寺号を高山寺に改めたのがはじまり。山号は栂尾山。所蔵する国宝、重要文化財の数は1万点余りにも及び、1994年(平成6年)、古都京都の文化財として境内が世界文化遺産に登録されました。
明恵上人とは
戒律を重んじ、顕密諸宗の復興に努めたことで知られる明恵上人。その時々において「あるべきようは何か」を問いかけ、その答えを生きようとする「阿留辺畿夜宇和(あるべきようは)」を座右の銘とし、人々の貴賎貧富を問わず戒を授け、道を説いたと伝えられています。
高山寺境内のみどころ
金堂道
境内の最奥に位置する金堂へ続く道。かつて大門があったと伝わる場所に、今は石灯籠が立っています。やや勾配の急な石段が続くので、歩きやすい靴での参拝がオススメです。
金堂(重要文化財)
現在の金堂は、江戸時代(寛永年間)に御室仁和寺の真光院から古御堂を移築したもの。高山寺の本尊である釈迦如来像が安置されています。
仏足石
釈迦の足跡を模って礼拝の対象とした仏足石は山奥にありながらも多くの信仰を集めました。簡素な中にも、釈尊に情を寄せた明恵らしさが偲ばれます。
開山堂
室町時代の焼亡により、現在の開山堂は江戸時代に再建されたもの。堂内には重要文化財である明恵上人坐像が安置され、御影堂信仰の対象となりました。
明恵上人御廟 (重要文化財)
御廟の入り口には、明恵の遺訓である「阿留辺畿夜宇和」の石碑が。廟内の宝篋印塔、如法経塔も重要文化財に指定されています。
日本最古の茶園
鎌倉時代初期、臨済宗の開祖である栄西禅師から贈られた茶種を明恵が境内に植え、ここから全国に茶が普及して行きました。そのため、栂ノ尾は茶の発祥地としても広く知られています。
石水院 (国宝)
明恵が仏教経典の『華厳経』にその求法の旅が語られる善財童子を敬愛した経緯から、明恵の住居であった「廂の間」には小さな善財童子像が置かれています。
後鳥羽上皇より学問所として賜った石水院は、賀茂別院を移築したもの。鎌倉時代初期の寝殿造りの面影を残す貴重な遺構です。
石水院には高山寺所蔵の国宝、重要文化財の一部がレプリカで展示されているので、石水院とセットで当時の雰囲気を楽しむことが出来ます。もちろん、鳥獣戯画の展示もありますよ~!!
国宝・石水院の中庭を眺めながら、ゆったりと
石水院を拝観した後は、ティーブレイクなどいかがでしょう?国宝・石水院の中庭を眺めながらの休息は、思わず時の流れを忘れてしまうほど。たまには日々の忙しさや騒々しさを離れ、まるで時が止まってしまったかのように静かな高山寺で、悠久の時に想いを馳せてみませんか?
アクセス
高山寺
〒616-8295 京都市右京区梅ヶ畑栂尾町8
☎︎075-861-4204 高山寺オフィシャルHP
拝観時間・拝観料
8:30〜17:00
入山無料(※紅葉の時期のみ、入山料 500円)
石水院拝観料 800円
交通案内
■JRバス高雄・京北線「栂ノ尾」「周山」行。栂ノ尾下車、すぐ。
■市バス8系統。高雄下車、徒歩約15分。
- 高山寺
- 嵐山・嵯峨野・太秦・桂 / 寺 / 紅葉 / 世界遺産
- 住所:京都市右京区 梅ヶ畑栂尾町8地図で見る
- 電話:075-861-4204
- Web:http://kosanji.com/