1994年12月、日本で5件目の世界遺産に登録された「古都京都の文化財」。京都府京都市と宇治市、そして滋賀県大津市に点在する17の寺社と城郭で構成されています。全17件の構成遺産を地図付きで一挙にご紹介します。
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【1】賀茂別雷神社(上賀茂神社)
上賀茂神社の名で広く知られていますが、正式名称は賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)。京都で最も古い神社です。
厄よけや落雷除、必勝の神として広く信仰を集め、本殿と権殿の2棟が国宝、楼門、唐門、西渡廊など34棟が重要文化財、そして境内が史跡に指定と文化財を多く所有しています。
二の鳥居をはいってすぐ目に飛び込んでくる円錐形に盛られた2つの砂、立砂(たてずな)は見どころの一つ。神様が天から降臨した神山(こうやま)を模したものとされ、鬼門などにまく「お清めの砂」の起源とも言われています。
また上賀茂神社と次に紹介する下鴨神社では、京都三大祭りのひとつである「葵祭」が行われます。
- 上賀茂神社
- 今出川・北大路・北野 / 神社 / パワースポット / 世界遺産
- 住所:京都市北区上賀茂本山339地図で見る
- 電話:075-781-0011
- Web:http://www.kamigamojinja.jp/
【2】賀茂御祖神社(下鴨神社)
導きの神、勝利の神として信仰を集める下鴨神社。正式名所を賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)と言います。鮮やかな朱色をした楼門は高さ13メートルで、重要文化財に指定。その他にも広い境内には多くの重要文化財があります。
参道にある摂社の「相生社(あいおいのやしろ)」は縁結びの神様である「産霊神(むすびのかみ)」を御祭神としており、縁結びのパワースポットとして知られ、多くの女性が参拝に訪れています。
そのお社の左隣には「連理の賢木(れんりのさかき)」という縁結びのご神木があります。このご神木は2本の木が1本に繋がっており、「京の七不思議」の一つとしても知られているそうです。
「葵祭」では総勢500名以上の風雅な王朝行列が下鴨神社を経て、上賀茂神社へ向かいます。
- 下鴨神社
- 下鴨・北白川・平安神宮 / 一人旅 / 神社 / 紅葉 / パワースポット / 縁結びスポット / 世界遺産 / 観光名所
- 住所:京都府京都市左京区下鴨泉川町59地図で見る
- 電話:075-781-0010
- Web:http://www.shimogamo-jinja.or.jp/
【3】教王護国寺(東寺)
一般的には東寺(とうじ)として知られていますが、正式名称は教王護国寺(きょうおうごこくじ)です。国宝に指定されている五重塔は徳川家光が再建したもので、高さ55mと日本一の高さを誇ります。1603年に豊臣秀頼によって再建された金堂や、大師堂、蓮花門も国宝に指定されています。
桜の時期には夜の特別公開「東寺 夜桜ライトアップ」が行われ、光に照らされて浮かび上がる五重塔や不二桜、しだれ桜の風情のある景観を楽しむことができます。
- 出典:tripnote.jp
- 出典:tripnote.jp
毎月21日には「東寺弘法市」が開催され、普段以上に参拝客、観光客が訪れます。並ぶお店の数は1,200店~1,300店と多く、1日では周りきれません。骨董品などのほか、京野菜やお酒などの京都のおいしいものも並びます。
- 東寺
- 京都駅周辺 / 寺 / 一人旅 / 観光名所 / 紅葉 / 桜の名所 / 世界遺産
- 住所:京都府京都市南区九条町1地図で見る
- 電話:075-691-3325
- Web:http://www.toji.or.jp/
【4】清水寺
京都を代表する観光スポットのひとつである清水寺。宝亀9年(778年)に開山、延暦17年(798年)に創建されたと言われる歴史ある寺院です。
一番の見どころはやはり、清水の舞台で知られる本堂。国宝にも指定されており、春には桜、秋には紅葉を背景にした景観の美しさが魅力です。崖下からの高さは18mあり、清水の舞台から望む京都市内の景色も最高です。
清水寺へつづく清水坂の両脇には多くのお土産店が軒を連ね、歩くだけで京都観光気分が盛り上がります。
- 清水寺
- 東山・祇園 / 寺 / 観光名所 / 紅葉 / パワースポット / 桜の名所 / 世界遺産
- 住所:京都府京都市東山区清水1丁目294地図で見る
- 電話:075-551-1234
- Web:http://www.kiyomizudera.or.jp/
【5】延暦寺
延暦寺(えんりゃくじ)は京都市と滋賀県大津市にまたがる天台宗総本山で、標高848mの比叡山全域を境内とする寺院です。西では京都を一望し、東では日本一の大きさを誇る湖・琵琶湖を眼下に望む景勝地。この美しい自然と1200年の歴史が評価され、世界遺産として認定されました。境内は500haと広大で、東を「東塔(とうどう)」、西を「西塔(さいとう)」、北を「横川(よかわ)」と3つに区分しています。
東塔は延暦寺発祥の地であり、根本中堂を中心とする区域。延暦寺バスセンターがあり、比叡山山頂や西塔、横川地区へのシャトルバスや、京都市内行きの路線バスに乗車できます。境内には宿坊延暦寺会館があり、要予約にて食事や宿泊、修行体験が可能。西塔は東塔から1km、横川は西塔から4kmの場所にあります。
- 延暦寺
- 滋賀 / 寺 / 観光名所 / 紅葉 / パワースポット / 世界遺産 / ツーリング
- 住所:滋賀県大津市坂本本町 4220地図で見る
- 電話:077-578-0001
- Web:http://www.hieizan.or.jp/
【6】醍醐寺
”醍醐桜”として京都のお花見の名所のひとつでもある醍醐寺。平安時代より桜の名所だった醍醐寺でしたが、豊臣秀吉が700本もの桜を植え、歴史に残る「醍醐の花見」を大々的に開催したおかげで今や、日本有数のお花見スポットとなりました。
境内は広く200万坪以上の面積を誇り、醍醐山上一帯の「上醍醐」、山麓の「下醍醐」、そして「三宝院」とわけられます。
三宝院は建造物の大半が重要文化財に指定されており、庭園を見渡す表書院は国宝にも指定されています。また三宝院庭園は国の特別史跡・特別名勝です。
三宝院をでて仁王門を入ると下醍醐。中心である金堂、そして五重塔は国宝に指定されています。五重塔は高さ38m、京都府に現存する最古の木造建築物で、内部の壁画に描かれている空海の肖像画は、空海が描かれた現存する最古のもの。
下醍醐から1時間ほど山道を登っていくと、醍醐寺開創の地である上醍醐にたどり着きます。
醍醐寺では平成23年より秋期夜間拝観を行っており、金堂、五重塔などが幻想的に浮かび上がります。特別拝観券は事前申込制になるので、興味のある方は醍醐寺のサイトで要チェック。
- 醍醐寺
- 伏見 / 寺 / 紅葉 / 桜の名所 / 世界遺産 / 庭園の名所
- 住所:京都市伏見区醍醐東大路町22地図で見る
- 電話:075-571-0002
- Web:https://www.daigoji.or.jp/
【7】仁和寺
仁和4年(888年)に創建された非常に歴史があるお寺で、その当時の元号をとって「仁和寺」とされました。『徒然草』や『方丈記』にも登場する格式高い寺院です。
お花見の名所が多い京都ですが、ここ仁和寺(にんなじ)もそのひとつ。京都でもっとも遅く咲く桜「御室桜」が楽しめます。御室桜は国の名勝にも指定されており、特徴は背丈が低いこと。見頃を迎えるのは例年4月上旬から4月中旬です。
旧皇居の正殿・紫宸殿を移築した金堂は国宝指定。正面に建つ、高さ18.7mの巨大な二王門は重要文化財に指定されています。洛東の南禅寺三門、洛東の知恩院三門とならんで京都三大門のひとつです。
また広い境内には7つのパワースポットがあり、とくに「九所明神」は、9社の神様が勢ぞろいしているという驚きのスポットです。
- 仁和寺
- 嵐山・嵯峨野・太秦・桂 / 寺 / 紅葉 / パワースポット / 桜の名所 / 世界遺産 / 庭園の名所 / 観光名所
- 住所:京都府京都市右京区御室大内33 地図で見る
- 電話:075-461-1155
- Web:http://www.ninnaji.jp/
【8】平等院
国宝でもある鳳凰堂が10円玉に描かれていることをご存知の方は多いと思います。しかし実は、一万円札にも平等院の鳳凰(鳥)が描かれているのをご存知ですか?お金のデザインにも選ばれる、左右対称の真っ赤なお堂と、屋根の上で金色に光る鳳凰は、一度はこの目で見たい美しさです。また平等院と言えば観音堂近くの藤棚が有名。美しい紫色の藤と鳳凰堂が一緒に撮影できることで人気を集めています。
- 平等院
- 宇治・長岡京・木津川 / 観光名所 / 寺 / 紅葉 / 世界遺産 / ツーリング
- 住所:京都府宇治市宇治蓮華116地図で見る
- 電話:0774-21-2861
- Web:http://www.byodoin.or.jp/
【9】宇治上神社
宇治上神社は平等院から近く、歩いて10分ほど。「古都京都の文化財」として世界遺産を構成する資産のなかでも、規模が小さい神社です。祭神として菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)、応神天皇、仁徳天皇をお祀りしています。本殿は康平3年(1060年)につくられた日本最古の神社建築で国宝に指定。