中国の山東省に蓬莱(ほうらい)という場所があります。蓬莱は古代中国で東の海上(海中)にある、仙人が住むと言われていた仙境の1つで、五神山の一つに数えられています。今回はそんな蓬莱観光のご紹介です!
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蓬莱閣
蓬莱観光の目玉と言えばやはり「蓬莱閣」です!
蓬莱閣とは?
蓬莱閣は、宋の時代(1070年)に建てられました。900年以上の歴史を持ち、滕王閣、黄鶴楼、岳陽楼とともに「中国四大名楼」と称されています。 山東省煙台地区の蓬莱市北部の断崖の上にあり、周囲は山东蓬莱旅游区として整備されています。
古来より蓬莱は仙境として知られ、秦の始皇帝が不老不死の霊薬を求めた場所だそうです。不思議な魅力を感じますね!
蓬莱閣へは上り道
蓬莱閣は断崖の上にあることもあり、山登りほどではないにしろ、麓から15分くらい登ることになります。上り道ではありますが、蓬莱閣の周囲には三清殿、呂祖殿、蘇公祠、天后宮、龍王宮、弥陀寺といった建造物があるので、それぞれの建造物を見つつ登っていくといいでしょう!
また、蓬莱閣まで登ると、渤海と黄海の交り合う海域を見渡すことができます。断崖の上にあるだけあって、眺めがいいですよ!
蓬莱閣の内部
蓬莱閣の2階にはカラフルな八仙の像があります。雰囲気は緩いですが、彼ら八仙には、天地を動かすスゴい力があるんだとか。
登州古船博物館
山东蓬莱旅游区内には、「登州古船博物館」という船の博物館があり、蓬莱閣と同じ入場券で入ることができます。室内は暗めな雰囲気で、展示されている大きな木造の船の存在感が強調されるような空間です。
この地方が登州と呼ばれていた当時の生活の様子を展示で見ることもできるので、せっかく蓬莱閣まで行った際には、登州古船博物館にも是非訪れてみて欲しいと思います!
山东蓬莱旅游区内にある様々な資料展示
時間があれば、山东蓬莱旅游区内の建物内にある様々な資料展示も覗いてみましょう! 資料展示されている建物はいくつかありますが、これらは自由に出入りすることができます。
倭寇と呼ばれる海賊が蓬莱に来ていた頃の歴史について等、様々な解説がされています。中国語がわからないと雰囲気しか楽しめませんが・・
山东蓬莱旅游区では迷子に注意
山东蓬莱旅游区はなかなかに広く、周りが城壁のような塀にぐるりと囲まれているため、方向がよくわからなくなる恐れがあります。事実、筆者は最初入ってきた入り口を探し当てるのに苦労しました・・
山东蓬莱旅游区では、自分が辿ってきた道を逐一記憶しておくなり、写真に残しておくなりするのがオススメです!
参考:「東の海に蓬莱という山あるなり」の蓬莱
ここまで読んできて勘のいい方は気になったかもしれませんが、蓬莱は、『竹取物語』に「東の海に蓬莱という山あるなり」と記されている蓬莱なんですね。
かぐや姫の求婚者の一人である車持皇子が持参することになった「蓬莱の玉の枝」があるとされた土地なのです。
蓬莱へは煙台から日帰り旅行が可能
煙台はワインやリゾートで有名
もちろん蓬莱で宿泊することもできますが、山东蓬莱旅游区は半日で一通り観光することができるので、煙台からの日帰り旅行とするのもオススメです!
煙台は山東省最大の漁港であり、最も初期に対外経済開放された沿岸都市の一つです。産業都市としても急発展しています。さらに煙台は、120年以上の歴史を持つワイン産業でも有名であったり、夏は周辺のビーチリゾートが賑わったりと、蓬莱観光とセットで楽しむにはちょうどいいです!
煙台には日本からの直行便があるのもありがたいですね。
煙台から蓬莱への行き方
煙台から蓬莱へは、バスかタクシーがオススメです。
バスだと煙台のバスターミナルから蓬莱方面のバスが頻繁に出ており、所要時間1時間半ほど。鉄道よりもバスが便利です!
筆者は煙台の郊外に宿泊していたのでタクシーを利用しました。中国のタクシーはリーズナブルで、道は広々と整備されていたので快適でした!
DiDi(滴滴出行)等の配車サービスでタクシーを呼ぶと、自分がいる地点までタクシーが迎えに来てくれますし、明朗会計で嬉しいです。中国語が全くわからなくても目的地までは行けますよ。
この記事を書いたライターから一言
「蓬莱」と言えば大阪の豚まんを連想する人が多いと思いますが、この記事を読んで、「蓬莱と言えば中国五神山の一つだ!」と思い出してもらえると嬉しいです(笑)
蓬莱で仙人に思いを馳せてみましょう。(ある通訳案内士)