福島県にある南会津エリア。南会津郡の下郷町、檜枝岐村、只見町、南会津町の3町1村から成るエリアで、東北地方最高峰となる燧ヶ岳などに囲まれた山深い地域です。しかしながらこちらのエリアには、江戸時代には宿場町として栄えた大内宿や国立公園にも指定されている自然豊かな尾瀬など、多彩な観光スポットが目白押しです。今回は、そんな南会津エリアで阿賀川沿いに連なる奇岩・奇勝を楽しむことの出来る塔のへつりについて紹介していきます。
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塔のへつりとは?
南会津エリアにある温泉郷・湯野上温泉より国道121号線を経由しておよそ3km。こちらの塔のへつりは、南会津エリアの中でも最も会津寄りに位置する下郷町にある観光スポットで、阿賀川沿い、全長およそ200mにわたって奇岩・奇勝の続く景勝地です。
“へつり”とは、この地方の方言で険しい断崖のこと。阿賀川の右岸に沿ってまさに断崖絶壁とも言える不思議な形の岩々が連なる塔のへつりですが、なんとこのような形に岩が浸食されるのに100万年もの歳月がかかったとも言われています。
また、昭和18年(1943年)には国の天然記念物にも指定されています。
個性豊かな岩の数々!
エメラルドグリーンに透き通った水面がとても美しい阿賀川に沿って、ユニークな岩の数々が並ぶ塔のへつりですが、実は川の対岸へと渡る藤見橋の手前にある岩も含めて1つ1つにしっかり名前が付けられています。
ざっと一通り紹介すると、屏風岩、烏帽子岩、舞台岩、護摩塔岩、土俵岩、象塔岩、尾形塔岩、九輪塔岩、櫓塔岩、屋形塔岩、獅子塔岩、鷹塔岩、鷲塔岩、鰐口岩、犬岩、夫婦岩。
こんな感じで、それぞれの岩の名前も大変ユニークですが、塔のへつりの全景を見渡すのであれば、藤見橋へと至る遊歩道の入口の手前におみやげ屋さんが立ち並んでいて、その一角にテラスが設けられているトコロがありますので、そちらから眺めるのがおススメです。
藤見橋を渡って川の対岸へ行ってみよう
塔のへつりの全景を見渡すテラスからも眺めることの出来るこちらの藤見橋。阿賀川へと下りて行く遊歩道を進んでこちらの藤見橋を渡れば、なんと歩いて塔のへつり側へ辿り着くことが出来てしまいます。
藤見橋は、上の写真の通り木製の吊り橋で、「この木橋は、荷重制限がありますので、一度に三十人以上渡橋しないようご協力お願いいたします。」という注意喚起を促す看板まで脇に設置されているとってもスリリングな吊り橋ですが、橋の上から眺める阿賀川の光景も実に見事。
長年の風化や浸食で、対岸の遊歩道は現在、舞台岩の周辺しか散策することは出来ませんが、それでも真下から見上げる塔のへつりの断崖絶壁の光景はとても見応えがありますので、時間に余裕があればぜひこちらの遊歩道も散策してみると良いでしょう。
秋は紅葉の名所としても美しい塔のへつり
緑の映えるグリーンシーズンも大変美しい光景を見せてくれる塔のへつりですが、周辺の大内宿などと並んで秋は紅葉の名所としても有名です。
例年の紅葉の見頃の時期は10月下旬~11月上旬にかけて。岩壁にへばりつくように生えた木々が、赤や黄色などといった色鮮やかな光景へと姿を変え、秋を感じるに相応しい最高の景色を見せてくれます。
また、塔のへつりから駐車場へと続く道の途中にある林も紅葉の季節は美しい秋色に染まりますので、こちらも必見です。
塔のへつりへのアクセスは?
最後に、塔のへつりへのアクセスについてご紹介することとしましょう。
【電車】
- 会津鉄道「塔のへつり駅」より徒歩約5分
【車】
- 東北自動車道白河ICより国道289号線経由約50分
- 磐越自動車道会津若松ICより国道118号線経由約50分
塔のへつりは、南会津エリアの中でも市街地から離れた山深いトコロにある観光スポットですが、阿賀川沿いに鬼怒川温泉の方から会津若松へと抜ける会津鉄道が走っていますので、公共交通機関でも比較的気軽にアクセスすることが可能です。
また、最寄り駅である「塔のへつり駅」は、東北の駅100選にも選ばれた一風変わったユニークな駅。林の中に佇む独特な雰囲気を感じられることが出来ますので、鉄道以外の交通手段で塔のへつりを訪れた際にも、ちらっと立ち寄ってみると面白いかと思います。
- 塔のへつり
- 福島 / 自然・景勝地 / 観光名所 / 紅葉 / パワースポット / ハイキング
- 住所:福島県南会津郡下郷町弥五島字下タ林地図で見る
- 電話:0241-69-1144(下郷町事業課産業振興班商工観光係)
- Web:https://www.aizu-concierge.com/spot/550/