「古都京都の文化財」の一つとして世界遺産にも登録されている醍醐寺。平安時代より桜の名所だった醍醐寺でしたが、豊臣秀吉が700本もの桜を植え、歴史に残る「醍醐の花見」を大々的に開催したおかげで今や、日本有数のお花見スポットとなりました。春になるとソメイヨシノやしだれ桜、八重桜など様々な種類の桜が境内に咲き誇り、私たちを楽しませてくれます。天下人が愛したお花見を、皆さんも味わってみませんか?
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醍醐寺ってどんなお寺?
醍醐寺は874年に理源大師聖宝(しょうぼう)によって開かれました。標高約450mの笠取山の中腹から山頂を上醍醐、五重塔や庭園がある平地部分を下醍醐と呼びます。
上醍醐の准胝(じゅんてい)堂が、西国三十三所巡りの第11番札所となっており、(ただし、2008年の火災により、現在は下醍醐の観音堂が札所になっています。)また平成6年、古都京都の文化財の構成資産の一つとして、世界遺産に登録されました。
豊臣秀吉が開催した豪華絢爛「醍醐の花見」
誰もが行う花見までをも歴史に残る出来事にしてしまったのが、時の天下人豊臣秀吉。秀吉が行った醍醐の花見は、1598年春に開催されました。秀吉は、花見に伴い畿内から700本もの桜を植え、この後ご紹介する三宝院と庭園を造りました。
花見には親族や側近のものが約1,300人も集まり、盛大に行われました。この花見が行われた約5か月後に秀吉は亡くなったため、この醍醐の花見が生涯最後の花見となりました。
花見を楽しむ3つのエリア
下醍醐は3つのエリアに分かれており、それぞれの場所で立派な桜を見ることができます。また、欠かさず見ておきたい寺宝もそれぞれのエリアにありますので合わせてご紹介します。醍醐寺の桜の見頃は3月下旬から4月上旬です。
なお、こちらのエリアを拝観する際は3エリア共通の拝観チケットが必要となります。(通常期の拝観料は800円ですが、お花見シーズンは春の特別拝観期となり、1,500円となります)
三宝院エリア
1115年に創建された三宝院は、醍醐寺座主の居住する場所として寺の中核を担う場所でした。現在の三宝院は、豊臣秀吉が醍醐の花見を開催する際に整備されたものです。
その時に秀吉自らが設計した庭園は国の特別史跡・特別名勝に指定されており、全体を表書院の廊下から見ることができます。国宝に指定されている表書院では、長谷川等伯一派の作と言われる竹林花鳥図の襖絵などを見ることもできます。
三宝院エリアでは、秀吉が花見を開いた際に植えた枝垂れ桜の子孫と伝わる樹齢約160年の大紅しだれ桜やそのクローン桜の「太閤千代しだれ桜」が見どころです。
霊宝館エリア
醍醐寺は、長年にわたり天皇、貴族、武家、庶民と多くの人々の信仰の場でした。その歴史の中で、数多くの仏像や絵画など10万点以上にものぼる寺宝が残されています。それらの寺宝の一部を見ることができる施設が、霊宝館です。国宝の薬師三尊像や、重要文化財の五大明王像など必見の仏像が展示されています。
霊宝館エリアでは、枝垂れ桜の大木が何本かあり、それらが咲き誇る様子が素晴らしいです。中でも、醍醐深雪桜(だいごみゆきざくら)と呼ばれる桜は、あまりの大きさに全景を写真におさめるのが難しいほど。美しさに圧倒すらされてしまいます。
伽藍エリア
豊臣秀頼再建の西大門(仁王門)をくぐると、五重塔や金堂が並ぶ伽藍エリアです。こちらでは、堂宇を彩る桜の姿を楽しむことができます。
国宝に指定されている五重塔は、醍醐天皇の菩提を弔うため建立されたもの。951年に完成し、京都で最も古い木造建築物です。見上げると、ほぼ屋根の大きさが同じに見え、また屋根の上にある相輪と呼ばれる部分が塔の約3分の1を占めており、非常に安定感のある重厚な美しさが感じられます。
- 醍醐寺
- 伏見 / 寺 / 紅葉 / 桜の名所 / 世界遺産 / 庭園の名所
- 住所:京都市伏見区醍醐東大路町22地図で見る
- 電話:075-571-0002
- Web:https://www.daigoji.or.jp/