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夏から秋へ!湖上に蘇る帆引き船を見に行く【茨城】

取材・写真・文:

福島在住
訪問エリア:30都道府県

2024年7月9日更新

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写真:Olive

かつて霞ケ浦(かすみがうら)での漁に欠かせなかった帆引き船。一時は姿を消しましたが、現在は、観光帆引き船として、蘇っています。夏から秋にかけて見られる美しくも迫力ある姿を、船に揺られながら、あなたも見てみませんか?

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帆引き船(ほびきせん)が見られるのは?

  • 写真:Olive

帆引き船は、茨城県のかすみがうら市、行方(なめかた)市、土浦市の3市が操業しています。例年、7月末から11月末ごろまで操業されますが、操業時期、受付場所、出航場所など、市ごとに違うので、興味のある方は、事前にいばらき観光キャンペーン推進協議会のHPをご覧ください。なお今回ご紹介している写真は、かすみがうら市の操業のものです。

帆引き船の歴史

  • 写真:Olive

帆引き船とは、風の力を利用して漁をするために考案されたものです。それまでは、20人以上の人手が必要だった大型船での漁が、帆引き船ができてからは、2人で操業できるようになり、漁民の暮らしが安定しました。

  • 写真:Olive

明治13年に、かすみがうら市の漁師が考案した帆引き船は、多くの人々に享受され、約100年もの間、霞ケ浦漁業で不可欠の船となりました。大きく広がる帆を使い、風の力を利用しながら進む船は、シラウオ漁やワカサギ漁に使われましたが、昭和40年ごろからトロール漁(底引き網漁の一種)にとって替わり、姿を消すことになります。

帆引き船を間近で見よう!

  • 写真:Olive

姿を消してしまった帆引き船ですが、昭和46年に観光帆引き船として復活しました。霞ヶ浦漁業の歴史を知る上で、極めて重要な文化的遺産であることから、平成30年には、「霞ヶ浦の帆引き網漁の技術」が、国選択無形民俗文化財に選定されます。

観光帆引き船は、霞ヶ浦沿岸に位置する3市、かすみがうら市、行方市、土浦市からそれぞれ出航しますので、好みの港をチョイスできます。間近で見る帆引き船の迫力に、あなたもふれてみませんか?

かすみがうら市の帆引き船を見に行く

乗船までの流れ

  • 写真:Olive

まずは、ネットで2日前までの事前予約が必要です。出航は、かすみがうら市の志戸崎(しとざき)漁港です。30~60分前には、畔の駅コハン(かすみがうら市交流センター)で受付・料金の支払いをすませます。漁港には駐車場がないので、センター前の駐車場(無料)を利用しましょう。

いよいよ出航

  • 写真:Olive
  • 写真:Olive

時間になると、配布されたライフジャケットを身に着け、伴走船に乗り込みます。この日は、3艘の伴走船が運行し、1艘あたり10名弱の乗船でした。薄めのカーペットが敷かれていますが、ほとんどの方は土足のまま座ります。帆引き船が先に出航し、伴走船があとを追います。

  • 写真:Olive

帆引き船は沖に出ると、漁のための網を投下し、帆を広げ始めます。担当者によると、風は強すぎても、弱すぎても帆を上げられないとのことで、出航の是非も当日10時ごろまで不明ですし、帆があげられるかどうかも、その時の風次第となります。

  • 写真:Olive

伴走船は帆引き船の周りを、何回も近づいたり離れたり、周ったりしてくれるので、前後左右どこに座っても、写真撮影は問題ありません。大きなものだと、高さ9m、幅16mにもなる白い帆が、風を受け大空に広がる様子は壮観で、天気を心配していた分、よけいに感動してしまいます。時間になると、帆を下ろし、網を引き揚げ、漁港に戻ります。所要時間は、約1時間15分でした。

見学の際のアドバイス

  • 写真:Olive

漁港に戻る際の伴走船は、スピードがジェットホイル並みで、スリル満点で楽しいのですが、座面が固いので、持ち運べるアウトドア用のクッションなどがあると、痩せている方には良いかもしれません。船上は、陽をよけられないので、帽子は必須です。ただし、風も強いので、飛ばされないよう対策が必要です。熱中症対策も各自お忘れなく。水しぶきもかかる場合があるので、汚れても良い履物や服装をお勧めします。

かすみがうら市帆引き船の概要

帆引き船の操業期間

2024年7月21日(日)~9月29日(日)までの毎週日曜日 ※8月4日(日)、8月11日(日)、9月22日(日)は運休

運航時刻

  • 1便出航 13:00
  • 2便出航 14:15
  • 30~60分前に受付を済ませましょう

料金

  • 大人¥2,000 
  • 小・中学生¥1,000 (未就学児無料)

予約先

029-897-1111 かすみがうら市観光協会

観光帆引き船
茨城 / 乗り物 / 女子旅
住所:受付:茨城県行方市玉造甲1963-5 道の駅たまつくり地図で見る
電話:0299-55-1221
Web:https://www.ibarakiguide.jp/seasons/kasumigaura-ho...

畔の駅コハン(かすみがうら交流センター)案内

休憩に便利

  • 写真:Olive

帆引き船観覧の前後におすすめなのが、受付窓口も設置されるかすみがうら交流センター。2015年に完成した交流センターは、霞ケ浦湖岸にあるため景色も良く、センター内には、レストランや、カフェ、ショップ、トイレなども設置されているので、大変便利です。

  • 写真:Olive

また2013年に全線開通したかすみがうらサイクリングロードの休憩スポットとしても人気で、この日も多くの愛好者が訪れていました。Mont-bellのフレンドショップにもなっており、ここで自転車を借りることも可能です。

カフェとレストラン

  • 写真:Olive

1階のカフェスペース「かすみマルシェ」では、ジェラートやハンバーガーなどの軽食がいただけます。筆者が訪れた日は、とても暑い日だったので、かき氷が大人気でした。

  • 写真:Olive

2階は、「かすみキッチン」という名の、地産地消×ヘルシーをコンセプトにしているレストランで、霞ケ浦の名産品を材料にしたメニューが並びます。店内は、近隣で廃校となった小学校の備品が活用され、店内を見まわしていると、楽しい発見に思わず声があがります。2024年7月下旬リニューアルオープン予定。

  • 写真:Olive
  • 写真:Olive

メニューはランチプレートなど。単品注文も可能ですし、スィーツメニューも揃っています。

かすみマルシェ
茨城 / カフェ・喫茶店
住所:かすみがうら市坂4784番地先地図で見る
Web:http://kasumigaura.miraidukuri.jp/marche/
かすみキッチン
茨城 / 洋食・西洋料理 / ランチ
住所:茨城県かすみがうら市坂4784番地地図で見る
電話:029-896-1227
Web:http://kasumigaura.miraidukuri.jp/kitchen/

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この記事を書いたトラベルライター

お出かけ、食べることが大好き!
日帰りドライブから、国内、海外を問わずお出かけするのが大好きです。ずっとタウン重視でお買い物に夢中の旅でしたが、10年ほど前にアメリカ・サンフランシスコに在住。国立公園めぐりをしたことをきっかけに、自然も大好きになりました。少し歴史を知ってから出かけると楽しいこと、美味しい食べ物や綺麗な風景に出会えると幸せなこと。小さな情報が、誰かの楽しい!や嬉しい!につながったらいいなと思っています。これからも、いろんなところへ出かけて、たくさんの情報を発信してゆきたいと思っています。少しでも参考になれますように!

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