インドと言うと、混沌とか喧騒という言葉を思い浮かべる人も多いかと思いますが、この南インド、ケーララ州はちょっと違います。今回は「インドの桃源郷」として知られる、ケーララ州最大の港町「コーチ」の旧市街を中心にご紹介します。
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コーチとは
コーチは、ケーララ州の西側・アラビア海に面した港湾都市で、11世紀以降、ヨーロッパとアジアを結ぶ交易ルート(海のシルクロード)の重要な舞台となりました。
海岸から内陸部に続く水郷地帯を、ハウスボートでクルーズする「バックウォーター・クルーズ」の拠点としても知られています。
- 出典:www.flickr.comPhoto by Upendra Kanda
現在のコーチは、アラビア海に面する半島部分にある旧市街「フォート・コーチン」と「マッタンチェリー」、内陸部にある新市街「エルナクラム」、貿易港、軍港として利用されている人工島「ウィリンドン」の4つの地区に分かれています。
旧市街の見どころ
旧市街の「フォート・コーチン」と「マッタンチェリー」は、ポルトガル、オランダ、イギリス各国の支配を受けて来たため、ヨーロッパ文化とインドの文化が融合した独特の雰囲気を持つエリアです。
コーチの観光スポットは、ほとんどこの旧市街に集中しています。
フォート・コーチン
15〜16世紀、ポルトガルをはじめとするヨーロッパ列国が大海に乗り出し、発見した国々を植民地化して行ったこの時代、インドで初めて植民地化されたのが、このフォート・コーチンです。
多くの観光客が訪れる場所ですが、緑が多く、なんともゆったりした雰囲気が流れるエリアです。
フォート・コーチンの見どころ① チャイニーズ・フィッシングネット
植民地時代のその前、14世紀に中国から伝えられたインドでもこの辺りでしか見られない漁法です。大きな網を海に沈め、魚が入るのを待って、何人もの漁師がテコの原理を利用して網を吊り上げます。
この辺りのネットは観光的なものなのか、心づけを渡すと網の吊り上げに参加させてくれます。
朝〜昼に行くと魚を売る屋台を見ることができます。買った魚は、近くのレストランで調理してくれるそうです。
いい写真が撮りたければ、ぜひ夕方に行きましょう。夕焼けをバックにいい写真が撮れますよ。
- チャイニーズフィッシングネット
- インド / その他スポット
- 住所:River Rd, Fort Cochin, Cochin, Kerala地図で見る
フォート・コーチンの見どころ② 聖フランシス教会
- 出典:www.flickr.comPhoto by Dennis Jarvis
1503年にポルトガル人によって建てられた、インドで最も古いキリスト教会の一つ。インド航路を開拓した探検家バスコ・ダ・ガマが埋葬された教会としても有名です。
フォート・コーチンの見どころ③ サンタ・クルズ聖堂
20世紀に入ってから再建されたため、新しい外観ですが、これもポルトガルの植民地だった1505年に建てられた教会なのだそうです。
フォート・コーチンの見どころ④ カタカリ・ダンス
- 出典:commons.wikimedia.orgPhoto by Qnonsense at English Wikipedia CC BY-SA 3.0
「カタカリ・ダンス」は南インドに伝わる伝統芸能で、セリフは一切なく、体の動きや顔の表情で物語や感情を表す舞踏劇です。役者は全て男性なので、日本の歌舞伎に似たところがあると言われています。
カタカリ・ダンスが見られる劇場はたくさんありますが、ここフォート・コーチンには「グリニクス・ヴィレッジ」と「ケララ カタカリ センター」があります。
- グリニクス・ヴィレッジ
- インド / エンターテイメント
- 住所:C.C. 2/481, Calvathy Rd, Calvathy, Aspinwall Junction, Kunnumupuram, Fort Kochi, Kochi, Kerala 682001, India地図で見る
- 電話:484 221 7000
- Web:https://www.greenix.in
- ケララ カタカリ センター
- インド / エンターテイメント
- 住所:K.B. Jacob Road, Fort Kochi, Kochi (Cochin) 682001, India地図で見る
- 電話:484 221 7552
- Web:http://www.kathakalicentre.com
マッタンチェリー
マッタンチェリーは半島の東側、フォート・コーチンから南に下ったところにあります。ここもポルトガル入植者によって開かれた街ですが、その後、オランダ人、ユダヤ人、イスラム教徒などの居住地となったエリアです。
マッタンチェリーの見どころ① マッタンチェリー宮殿
- 出典:commons.wikimedia.orgPhoto by Ranjith Siji CC-BY-SA-4.0
1555年にポルトガル人によって造られ、この地のラジャ(藩王)に贈られた宮殿。1663年にオランダの総監が居住したため「ダッチパレス」と呼ばれるようになりました。
これが宮殿?と思わせる外観ですが、内部は博物館になっていて、当時の藩王の肖像画、ヒンドゥーの神話をもとにした壁画などが展示されていてなかなか見ごたえがあります。
- マッタンチェリー宮殿
- インド / 建造物
- 住所:Bazar Road Kunnumupuram Kochi Kerala 682001 India地図で見る
- 電話:484-2360502
マッタンチェリーの見どころ② シナゴーグ
- 出典:commons.wikimedia.org先にご紹介したマッタンチェリー宮殿とともに内部は撮影禁止になっています。Photo by Jungseok Lee CC BY-SA 2.0
「シナゴーク」はあまり馴染みのない言葉ですが、日本では「ユダヤ教会堂」と呼ばれています。ユダヤ人の祈り、教育、集会の場所として利用される場所だそうで、ユダヤ教徒のコミュニティーセンターのようなものでしょうか。
16世紀ヨーロッパの迫害を逃れ、この地に移り住んだユダヤ人は数千人にのぼると言われています。多くの人が香辛料の貿易に関わり、ユダヤ人社会は大いに栄えていたそうです。
この記事を書いたトラベルライターから一言
- 出典:commons.wikimedia.orgPhoto by TEMS.VT. CC BY-SA 3.0
コーチで絶対外せない観光スポットはほとんどこの旧市街に集まっていますが、「今のインド」を見たい人は新市街エルナクラムにある「ルルモール」に行くのもいいかもしれません。
インドで最大のショッピングセンターだけあって、とにかく広い!更にクーラーが効いているので、快適に過ごせます。(Booboo56)
- ルルモール
- インド / ショッピングモール・デパート
- 住所:34/1000 N.h 47, Kochi (Cochin) 682 024, India地図で見る
- 電話:484 272 7777
- Web:https://www.lulumall.in/kochi