イスタンブール
イスタンブール観光
ヨーロッパとアジアにまたがるトルコ最大の都市

【イスタンブール】ユルドゥズ宮殿 行き方や入場料、宮殿の歴史

取材・写真・文:

トルコ在住
訪問エリア:17ヶ国

2024年9月3日更新

83view

お気に入り

写真:Zon

2024年7月、実に102年ぶりに、イスタンブールにあるオスマン帝国時代の宮殿「ユルドゥズ宮殿」の一般公開がスタートしました。ユルドゥズ宮殿の歴史や見どころ、アクセス方法や気になる入場料をご紹介します。

この記事の目次表示

ユルドゥズ宮殿とは?

  • 写真:Zonユルドゥズ宮殿 宮殿内の最大のパビリオン

ユルドゥズ宮殿(Yıldız Sarayı)は、日本語で星の宮殿を意味します。イスタンブールのボスポラス海峡沿いに位置するオスマン帝国時代の宮殿です。19世紀後半、スルタン・アブデュルハミト2世が主に使用した離宮で、彼の治世における政治の中心地となりました。宮殿は広大な庭園に囲まれており、複数のパビリオン、行政棟、モスク、劇場などから構成されています。2024年7月から102年ぶりに博物館として一般公開がスタートしました。

ユルドゥズ宮殿の建築様式は?

  • 写真:Zonユルドゥズ宮殿 1865年アブデュルアジズによって建てられた行政棟

ユルドゥズ宮殿の建築様式は、オスマン伝統建築と西洋の建築様式が融合したスタイルが特徴です。宮殿の建物やパビリオンには、新古典主義やバロック、ロココ、ゴシックなどの西洋建築様式が見られる一方で、オスマン建築特有の要素や装飾も取り入れられています。このような多様なスタイルの組み合わせにより、ユルドゥズ宮殿は豪華かつ独特な外観を持つ建物となっています。

ユルドゥズ宮殿の設計には、アルメニア人建築家サルキス・バルヤンとその兄弟アグプ・バルヤンが深く関わっています。バルヤン一族はユルドゥズ宮殿だけではなく、ドルマバフチェ宮殿やチュラーン宮殿、ベイレルベイ宮殿といったイスタンブールの重要な建物の設計にあたった、当時の宮廷に仕えていた建築家一族として知られています。

ユルドゥズ宮殿を利用したのは誰?

  • 写真:Zonユルドゥズ宮殿 噴水がある帝国会議室

ユルドゥズ宮殿を利用したスルタンは、アブデュルハミト2世だけでなく、アブデュルメジト1世アブデュルアズィズなども含まれます。アブデュルメジト1世は、ユルドゥズ宮殿を避暑地として利用し始め、後にアブデュルアズィズが宮殿の建築を拡張しました。アブデュルアズィズの時代には、宮殿の庭園やパビリオンがさらに整備されました。しかし、ユルドゥズ宮殿が最も有名になったのは、アブデュルハミト2世がここを公式な住居および統治の中心地として使用した時期です。

ユルドゥズ宮殿は、オスマン帝国の重要な外交の場としても使用され、多くの国賓や有名な人物が訪れました。特に有名なのは、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世です。彼は1898年に訪れ、スルタン・アブデュルハミト2世と会談を行いました。この訪問は、オスマン帝国とドイツ帝国の友好関係を象徴するものでした。また、他のヨーロッパの王族や高官も宮殿を訪れており、その豪華さと文化的価値を称賛しました。ユルドゥズ宮殿は、当時のオスマン帝国が西洋と交流を深める場としても重要な役割を果たしていました。

ユルドゥズ宮殿の見どころ

  • 写真:Zonユルドゥズ宮殿 リモンルク 屋根付きの小さな植物園

ユルドゥズ宮殿の見どころは、その豪華な建築と歴史的価値にあります。スルタンの公式な住居だったマベイン・ヒュマユン(行政棟)では、精巧な内装と家具を見ることができ、オスマン帝国の権威を感じさせます。庭園は広大で、美しい噴水や花壇、屋根付きの小さな植物園があり、散策に最適です。磁器館や宝物館では、オスマン時代の貴重な磁器や宝物、装飾品を見ることができます。

  • 写真:Zonユルドゥズ宮殿 ハス・バフチェ

ハミドの庭ともいわれるハス・バフチェは、都会の中心部にある秘められた自然公園のような存在です。オスマン帝国で造られた庭園は、このユルドゥズ宮殿のものが最後の例だとされています。

ユルドゥズ宮殿の入場料

  • 写真:Zonユルドゥズ宮殿 図書館

ユルドゥズ宮殿に入場するには入場料を支払う必要があります。外国人観光客の入場料は2024年9月現在、850リラ(約3,570円)です。価格は変動する可能性があるので、訪問前に公式ホームページで確認することをおすすめします。

ユルドゥズ宮殿を含む国立博物館の公式ホームページはこちら

ユルドゥズ宮殿へのアクセス方法

  • 写真:Zonユルドゥズ宮殿 エントランス付近

地下鉄M7線を利用するのが最も便利です。M7線ユルドゥズ(Yıldız)駅から徒歩約10分です。

おわりに

オスマン帝国時代にスルタンが利用した宮殿はイスタンブールにいくつかありますが、その中でもユルドゥズ宮殿は特に静かな場所に位置しており、都会のど真ん中にいることを忘れさせてくれます。眺めの良い庭園からは、アジア側の大陸がみえたり、流れる水の音を聴きながら散歩してリラックスした時間を過ごすことができます。ベシクタシュにあるドルマバフチェ宮殿やオルタキョイの観光とあわせて、ユルドゥズ宮殿にも訪れてみてはいかがでしょうか。

※一部のパビリオンでは展示物を含め撮影禁止です。警備員の指示に従ってください。

・ドルマバフチェ宮殿の記事はこちら

・オルタキョイの記事はこちら

※価格は2024年9月現在(1リラ約4.2円)

イスタンブールの旅行予約はこちら


イスタンブールのパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

イスタンブールのホテルを探す

イスタンブールの航空券を探す

イスタンブールの現地アクティビティを探す

イスタンブールのWi-Fiレンタルを探す

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

同じテーマの記事


【2024】ヨーロッパの人気のお城・宮殿TOP33!旅行好きが行っているお城&宮殿ランキング

バッキンガム宮殿やノイシュバンシュタイン城などをはじめとするヨーロッパの城・宮殿を、トリップノートの9万2千人を超える旅行好きトラベラー会員(2024年1月現在...


【2024】イスタンブールの人気観光スポットTOP20!旅行者が行っている観光地ランキング

アヤソフィアやブルーモスク、トプカプ宮殿をはじめとする、イスタンブールの人気観光スポットを、トリップノートの9万3千人を超えるトラベラー会員(2024年2月現在...

【イスタンブール】アジア側カドゥキョイを一日で満喫するコース

トルコ最大の都市イスタンブールの観光スポットは主にヨーロッパ側にありますが、よりローカルな雰囲気を楽しみたいのなら、アジア側の街の散策がおすすめです。一日かけて...

ネタバレ注意!『オスマン帝国外伝』ヒュッレム妃にまつわるイスタンブールの関連スポット4選

オスマン帝国を最盛期に導いたスレイマン大帝の時代を題材にしたトルコの宮廷歴史ドラマ『オスマン帝国外伝』は、いよいよ2020年8月にシーズン4が公開されます。ドラ...

【イスタンブール】夜のおすすめ観光スポット6選

トルコ最大の都市イスタンブールでは、夕方から夜にかけて治安にさえ注意すれば、昼間とはまた違った街の雰囲気を楽しむことができます。夜の観光におすすめのスポットを厳...

この記事を書いたトラベルライター

トルコ イスタンブールから現地の魅力を発信中
大学時代はロシア(モスクワ、サンクトペテルブルグ)に留学し、その後世界各国を訪れ、トルコ・イスタンブールに落ち着きました。ガイドブックには載らないようなイスタンブールでの楽しみ方や、最新の情報もお届けします。

インスタグラムでは記事に載せきれなかった写真や日常生活の様子を投稿しています。


トルコ語オンラインレッスンも開講中。詳細はインスタグラムのDMにメッセージください。
https://lit.link/zonistanbul

イスタンブール新空港⇔市内のアクセスならエアポートバス「Havaist」がおすすめ

2019年4月に本格的に始動したトルコ最大の国際空港、イスタンブール空港(イスタンブール新空港)。空港⇔市内間をバスでアクセスする方法や料金、所要時間などをご紹...


ネタバレ注意!『オスマン帝国外伝シーズン3』イスタンブールにおける関連スポット7選

スレイマン大帝の時代のオスマン帝国とそのハレムに焦点を当てて描かれた連続テレビドラマ『オスマン帝国外伝』は日本でも人気を博しました。シーズン3における登場人物や...


欧州のエアライン王者!ターキッシュエアラインズで飛ぶ快適な空の旅

みなさんはターキッシュエアラインズに搭乗されたことがありますか?トルコの国営航空会社であるターキッシュエアラインズは、どの航空会社よりも多くの国に運航していて、...

絶対に喜ばれるトルコ土産!ロクムの老舗ハジュ・ベキル

みなさんはトルコのお土産と聞くと何を想像しますか?色とりどりのトルコランプや繊細な模様が美しいトルコ絨毯、それともエキゾチックな香り漂う香辛料?選ぶのも迷ってし...

イスタンブール新空港で買えるおすすめのトルコ土産7選

2019年4月にめでたく運用を開始したトルコ最大級の国際空港、イスタンブール新空港。ここでしか買うことのできない限定商品を含め、空港で買うことのできるトルコらし...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります