トルコの近代化以降、歴史的な保養地でもあり、観光地でもあるイスタンブールのプリンセス諸島。イスタンブール本土から船でアクセスできる、おすすめの島を3つ(ビュユク島、ヘイベリ島、ブルガズ島)ご紹介します。
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プリンセス諸島とは?
プリンセス諸島はトルコのマルマラ海北東に浮かぶ9つの島々です。ビザンツ帝国時代、島々が王子たちの流刑地だったことからこのように呼ばれています。トルコ語では「島々」という意味のアダラル(adalar)という言い方で呼ばれ、イスタンブール県アダラル郡を構成しています。9つの島のうち、イスタンブール本土から船の直行便が出ているのは、郡都が置かれているビュユク島、ヘイベリ島、ブルガズ島、クナル島のみです。
ビュユク島(ビュユクアダ)
ビュユク(büyük)はトルコ語で「大きい」という意味です。その名前の通り、プリンセス諸島の中で最も大きな島がビュクク島です。ローマ帝国からビザンツ帝国時代にかけて修道院や教会が建設された島で、ギリシア系住民が農漁業を行っていました。オスマン帝国時代には別荘地として開発されたり、1929年に旧ソ連を追放されたトロツキーが暮していたこともありました。島ではガソリン車の乗り入れが禁止されているため、空気がとてもきれいです。夏は観光シーズンのピークを迎え、多くの人が訪れます。特に埠頭付近はレストランやカフェのほか、土産物屋やアイスクリーム屋などが軒を連ね、終日賑やかな雰囲気が漂っています。
ビュユク島に関する記事はこちらもご覧ください。
ヘイベリ島(ヘイベリアダ)
ヘイベリとは「鞍やサドルに装着される鞄」を意味します。島の地形がその名の由来となっていると考えられています。ヘイベリ島には埠頭のすぐそばにトルコ海軍の海軍学校が置かれているほか、東方正教会のコンスタンティノープル総主教区において重要な神学校であったハルキ神学校が、丘の上にある修道院の跡地に建っています。また、ヘイベリ島はトルコ共和国第2代目の大統領ムスタファ・イスメット・イノニュがたびたび訪れた場所でもあり、彼が所有していた家は現在博物館として一般公開されています。
ビュユク島に比べるとそこまで観光地化は進んでいない島なので、島の暮らしをより近くに感じながら散策できます。古い家屋はリノベーションされたり、その歴史が分かるように半分だけリノベーションされた少し変わった建物もあります。
ブルガズ島(ブルガズアダ)
ブルガズ島はビュユク島、ヘイベリ島に続いてプリンセス諸島の中で三番目に大きな島です。ブルガズという名前はその昔、この島に築かれた砦の名のギリシア語に由来していると考えられています。歴史的にはギリシア人が住まったのち、オスマン帝国時代になるとユダヤ人もここに定住しました。教会やモスクが肩を寄せるように並んでいる様子は、この島に住まった様々な宗教的背景をもった人々の歴史を物語っています。埠頭付近には飲食店もありますが、そこから5分も歩けば住宅街になっています。生い茂った緑の香りを感じながら、どこかノスタルジックな町並みを散策してみてください。
プリンセス諸島へのアクセス方法
イスタンブール本土から出ている船に乗ってアクセスできます。イスタンブールのヨーロッパ側からであればカバタシュとエミノニュから、アジア側からであればカドキョイとボスタンジュからアクセスできます。乗船するにはイスタンブールカード(イスタンブールで使うIC交通カード)が必要です。
イスタンブールカードについてはこちらの記事をご覧ください。
おわりに
プリンセス諸島は特に6~10月に観光シーズンのピークを迎えます。ブーゲンビリアをはじめとする色とりどりの植物が島を美しく彩ります。ぜひこの時期に合わせてノスタルジックな散策を楽しんでみてくださいね!