神戸の「湊川神社」は“楠公さん”と呼ばれ、神戸市民から親しまれている神社です。緑豊かな境内と、この神社の由来ともなる水戸黄門にまつわる話題もご紹介します。すぐ近くにある菊水総本店の、おいしい名物和風パフェも!
この記事の目次表示
湊川神社とは
湊川神社は神戸市にある有名神社の1つで、神戸の人たちからは“楠公(なんこう)さん”と呼ばれ親しまれています。
場所は、山陽電車「高速神戸」駅すぐ近く。上の写真は神社の正門ですが、向かって左側の河原屋根が神社に一番近い駅の出入口の階段となっていて、アクセスも抜群です。
上記でご紹介した呼び名・楠公さんとは、ご祭神である楠木正成(くすのきまさしげ)公のこと。南北朝時代に活躍した名将です。
足利尊氏との戦いを描いた『太平記』の中では、勝てる見込みのない戦いに挑んだ勇猛果敢で真っすぐな志の武将としてファンも多い人物。そして戦いの果てに、1336年この湊川の地で自刃しました。そのため、ここに墓所が作られたのです。
湊川神社と水戸黄門の関係
湊川神社の中には、水戸黄門こと水戸光圀の像があります。遠く離れた水戸の地とどういう関係があるのでしょうか。実は、正成公の墓所は長らく忘れ去られ荒れ果てた状態になっていました。元々正成公を敬っていた水戸黄門がそれを知って、助さんのモデルである佐々介三郎を神戸に遣わします。
そしてこの地を整備すると共に、立派な供養塔が建立されました。その間助さんは、単身赴任状態でがんばっていたそうです。このことがきっかけとなり、正成公は再注目され神社創建へとつながっていきます。
湊川神社の境内
社殿
境内の奥にあるのは本社社殿。向かって右奥には天満神社があり、菅原道真が祀られています。緑ゆたかな境内は、神戸市街の真ん中とは思えないほど静かで心落ち着く場所です。
楠本稲荷神社
水戸黄門が墓碑を建てる前から、この地にあったお稲荷さんだそうです。昭和に入ってから現在の場所に移されました。
どう見ても笑顔に見えてしまう駒狐さん。反対側にいる駒狐さんは巻物をくわえています。
楠木正成公の墓所
楠木正成公の墓所で、門をくぐると立派な墓碑があります。墓碑は亀の甲羅に乗った独特の形式のもので、「嗚呼忠臣楠子之墓」の墓碑銘の8文字は水戸光圀本人の字だそうです。そのすぐ側に光圀公の像が立っています。
- 湊川神社
- 神戸 / 神社
- 住所:兵庫県神戸市中央区多聞通3丁目1−1地図で見る
- Web:https://www.minatogawajinja.or.jp/
菊水総本店
湊川神社と大通りを挟んですぐ向かい側にある和菓子の老舗です。1868年神戸港開港と共に、湊川神社の門前にお茶所として創業。神社に瓦を寄進する習わしにちなんで、瓦型に正成公の勇姿を描いた煎餅を作りはじめました。その功績により楠家の家紋である「菊水」の名を賜ります。
以後140年余現在に至るまで、この瓦せんべいが神戸名物として定着し、有名な和菓子の老舗となっています。
総本店内のカフェ「菊水茶廊」
菊水総本店内にはカフェがあり、美味しいドリンクやスイーツがいただけます。筆者は、その中でも名物とされている「モダンパフェ」をいただきました。有機栽培珈琲で作ったゼリーとあっさり生クリーム、北海道小豆、お茶の味がおいしいアイスクリームがのった、和風パフェです。
このパフェの注目どころは、底にあるのがシリアルやクッキーではなく、砕いた瓦せんべいということ!ほんのり甘いお煎餅とコーヒーゼリー、生クリームのコラボが新鮮です。甘すぎないので、こってりしたパフェが苦手な方でも食べられるのではないでしょうか。コーヒーゼリーがたっぷり入っているのでお腹いっぱいになりますが、カロリー控えめで胃もたれなしです。
意外と知られていない楠公さんの歴史に触れてみては?
楠公さんと親しみを込めて呼ばれていても、意外と楠木正成という人物がどんな人なのか知らなかったりします。湊川神社参拝をきっかけに歴史を紐解いてみてはいかがでしょうか。もう二度と、忘れ去られ寂しい場所にならないように願って。