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避難設備もバッチリ!
何度も書いている通り、みなとのもり公園 の別名は【神戸震災復興記念公園】ですが、ただの “記念公園” ではありません。公園の風景に馴染んで、ぜんっぜん目立たないのですが、気付けばあちこちに、阪神淡路大震災の経験が生かされた、避難所として活用できる設備があるんです!
こんなところに ''災害時の仮設トイレ'' が!
公園の北入口は緩やかな坂に緩やかな階段があります。実はここ、災害時には 仮設トイレ になるんです!
62基もの四角いマンホールには確かに「災害用トイレ」と記されています。個別に簡易テントを張り、プライベートも守られるトイレに大変身!というわけなのですね。
これは阪神淡路大震災の時、水とトイレ不足に悩まされた経験から設置されており、簡易テントも、この公園の備蓄倉庫(これも後ほどご紹介します)に常備されているんだそう。
背高ノッポさんは【ハイパーポールスプリンクラー】
あまり目立たないのですが、所々に立っている、高〜い細〜いポール、何だろう?と思っていたら、これは【スプリンクラー】。大震災では火事による被害も甚大だったのですが、長田区では公園の広い空間が、その火を食い止める役割を果たしたそうです。その経験を生かしたのだろうと思います。
自家発電と連動する【井戸】
憩いのベンチ、こんなところでピクニックするのも気持ちが良いわけですが、実はここ、ベンチの下は 自家発電で稼働する井戸 になっているんです。ここも、災害時の水不足の経験が生かされています。
また、阪神淡路大震災では、昔ながらの井戸ポンプも活躍したそうで、その教訓を生かし、井戸のすぐそばには 手動ポンプ もあります。
広い芝生の下は200tも貯まっている【地下貯水槽】
水不足対策はまだまだあります!広〜い芝生広場の下は【地下貯水槽】!なんと 200t も貯められているそうです。
と言ってもどれくらいかピンとこないですよね。例えばトイレに使うと考えると…日本人の水洗トイレは1回で大体5ℓ(5kg)くらいの水を使うそうです。ということは200t=200,000kgも貯水されていれば、40,000回くらいは流せます。1人1日3回トイレに行くと考えると、500人が20日くらいは困らない、ということですね。
【ソーラー風力照明灯】と【ラジオ付き照明灯】
太陽光と風力のハイブリッドで発電することができる【ソーラー風力照明灯】は、まるで公園のオブジェのよう。違和感が全然ありません。
公園内のあちこちにある街灯は ラジオ付き。自家発電と連動しており、灯りだけではなくラジオも放送してくれるので、災害時はこの公園に来れば、状況などを知ることができるのですね。
自家発電連動の【受変電施設】
受変電施設 は、大きなビルや工場でよく見かけますね。私たちが日々使っている電気は、電線を通って、小さな電圧で使えるよう変電されて来ますが、ビルや工場などでは、そんな小さな電圧では動きません。なので、発電所の高圧をちょうど良い大きさに変えてくれる、それが 受変電施設 です。
公園内にあるのは、簡単にいうと ミニ変電所。災害時、照明灯やトイレ、ラジオなどの装置を稼働させる役割を担っています。また非常用自家発電も200kw級の巨大なものがあります。
「展望の丘」の内側は【備蓄倉庫】
公園の南には、小高い丘があり、どんぐりの木もいっぱいあります。
頂上にはベンチもあり、そこからの眺めは気持ちがいい〜。
ですが、ここもただの丘ではないんです。山の中は【備蓄倉庫】になっているんです!先ほど紹介した災害用トイレのテントはもちろん、毛布など災害時に必要なものが蓄えられているんですね。
「JR貨物神戸港駅」の面影を残す【安全の鐘】
最後にご紹介する見所は、公園の西側にある時計と鐘、そして線路の一部がある【安全の鐘】です。
実は、この公園のある場所は、もともと JR貨物神戸港駅 だったんです。昔は神戸港からの貨物を取り扱う駅として神戸の象徴の1つでもありましたが、阪神淡路大震災で被災し、その後、2003年に廃止されてしまいました。
そのころの時計と鐘、線路をモニュメントとし、公園になる前の記憶として残してあります。時計は大震災のあった時間で止まっています。
最後に・・・
ただの「記念公園」にするだけではなく、いざという時に役に立つ設備も整えた公園、でもそんな設備に気が付かないくらい、居心地の良い、子供から大人まで、のびのびと遊べる公園です。毎週何かしらイベントもありますし、ぜひ気軽に訪れてみてくださいね。
- みなとのもり公園
- 神戸 / 子供が喜ぶ / 公園 / 遊び場
- 住所:神戸市中央区小野浜町2 (JR貨物神戸港駅跡地)地図で見る
- Web:http://www.eonet.ne.jp/~sya-oooo-rin/minamori/inde...