川越といえば小江戸と呼ばれる誰も知る人気観光地ですよね。美味しい!映える!そんなグルメが沢山ありますが、皆さんは「蔵造りの町並み」より先へ足を運んだことはありますか?本記事では蔵造りの町並みから程近い「本丸御殿エリア」にある歴史スポットを8つ紹介します。
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「本丸御殿エリア」とは?
川越城本丸御殿を中心とするエリアが「本丸御殿エリア」です。史跡・博物館・美術館・城・神社といった、川越の歴史がぎゅっとつまったこのエリアは、風情ある蔵造りの町並みから徒歩15分以内に位置しており、気軽に訪れることができます。
それでは、以下より歴史スポットを8つご紹介します。
①川越城大手門跡と太田道灌公像
まず初めに紹介するのは、川越市役所。
観光地を訪れて、どうして市役所?と思った方も多いのではないでしょうか。実は現在の川越市役所付近一帯は、川越城大手門跡なのです。また、川越市役所前には、川越市市政50周年を記念し建立された、川越城を築城した武将・太田道灌(おおたどうかん)の公像があります。
川越城の歴史を簡単に解説!
関東七名城の一つである川越城は、扇谷上杉持朝(おうぎがやつうえすぎもちとも)が古河公方足利成氏(こがくぼうあしかがしげうじ)に対抗するため、長禄元年(1457年)、家臣であった太田道真(おおたどうしん)・道灌父子に命じて築城させた城です。
築城以後、扇谷上杉氏の主要な城の一つとなりましたが、天文6年(1537年)に北条氏綱(ほうじょううじつな)が占拠、後北条氏の武蔵国(現在の埼玉県・東京都23区及び多摩地域・神奈川県川崎市及び横浜市あたり)支配の拠点となりました。扇谷上杉氏は、城の奪回をはかるも、天文14年(1546年)に河越夜戦(かわごえよいくさ)により、後北条氏に大敗。後北条氏の武蔵国支配が決定的となりました。
その後、明治維新後の城の解体に至るまでは、川越城を中心に城下町が形成され、武蔵国の商工農の中心となり、物資の集散地として栄えました。平成18年(2006年)には、日本の名城100選にも選ばれました。
武将・太田道灌はこんな人物!
太田道灌は、室町時代後期の武将で、扇谷上杉氏の家宰(かさい/家長に代わって家政を取りしきる職)です。父である道真から家宰職を引き継いで、享徳の乱や長尾景春の乱などの戦で活躍をしました。江戸城を築城したことでも有名ですが、最後は道灌の力を恐れた主君・上杉定正(うえすぎさだまさ)によって謀殺されました。
川越市役所前に建立された太田道灌公像をよく見ると、右手に山吹の小枝を手にしています。これは、太田道灌の逸話の一つである山吹の伝説が関係しています。山吹の伝説は以下の通りです。
・「急な雨にあったので、蓑(みの)を貸して欲しい」と声をかける。
・その家から出てきた少女が黙って差し出したのは蓑ではなく山吹の花一輪であった。
・花の意味が分からなかった道灌は「花が欲しいのではない」と怒り雨の中帰ってしまう。
・その夜に道灌がこのことを語ると、近臣の一人が後拾遺和歌集(ごしゅういわかしゅう)の中に“七重八重花は咲けども山吹のみの一つだになきぞかなしき”という歌があり、その少女は、山間にある茅葺きの家であり、蓑さえない貧しさを山吹に例えたのではないかと言う。
・道灌は己を恥じ、この日を境に歌に関心を持ち、後に歌人として名を残すようになった。
このような伝説から、現在、山吹は川越市の花に指定されています。
- 川越市役所
- 埼玉 / その他スポット
- 住所:埼玉県川越市元町1-3-1地図で見る
- Web:https://www.city.kawagoe.saitama.jp
②川越城中ノ門堀跡
「川越城中ノ門堀跡」は、旧川越城内に現存する堀跡です。
江戸時代に入ると、川越城は江戸の北の守りとして重要視され、親藩・譜代の大名が藩主となりました。
寛永16年(1639年)に藩主となった松平信綱(まつだいらのぶつな)は、城の大規模な改修を行い、中ノ門堀もこの改修の際に戦いを想定して、造られたものと考えられています。
- 開園時間:9時〜17時
- 休園日:年末年始(12月29日〜1月3日まで※都合により変更する場合もあり)
③川越城本丸御殿
東日本で唯一の本丸御殿遺構である「川越城本丸御殿」。
本丸御殿とは、城主の住居、政務をする場、家臣の常駐する部屋などのいわゆる、城の中心的な存在です。「川越城本丸御殿」は、江戸時代の嘉永元年(1848年)に建てられ、建物は全部で16棟、1,025坪という広大な広さを誇りました。
明治維新後、建物の解体や移築が行われ、玄関及び家老詰所(本丸御殿の家老が常駐する場所)のみ現存しています。
- 開館時間:9時〜17時(入館は16時半まで)
- 休館日:月曜日(休日の場合は翌日)
- 入館料:一般/100円、大学生・高校生/50円
- 蔵造りの町並みから徒歩13分
- 川越城本丸御殿
- 埼玉 / 遺跡・史跡
- 住所:埼玉県川越市郭町2−13−1地図で見る
- 電話:049-222-5399
- Web:https://www.koedo.or.jp/miru-asobu/127/
④川越市立博物館
旧川越城の二の丸跡にある建物が「川越市立博物館」です。
常設展示は、「<原始・古代>川越のあけぼの」「<中世>武士の活躍と川越」「<近世>小江戸 川越」「<近・現代>近代都市川越の発展」「<民族>川越の職人とまつり」の5つのテーマで構成されており、川越が歩んできた歴史を学ぶことができます。
中世の展示では、名将・太田道灌の展示もあります。
- 開館時間:9時〜17時(入館は16時半まで)
- 休館日:月曜日(休日の場合は翌日)
- 入館料:一般/200円、大学生・高校生/100円
- 蔵造りの町並みから徒歩11分