徳川家康と東照宮と言えば、日光東照宮が有名ではないでしょうか。日光東照宮では徳川家康は神様として祀られています。でも家康が人間から神になった場所は日光東照宮ではないんです。それがここ、静岡県にある久能山東照宮。徳川家康と久能山東照宮、そして日光東照宮との謎を解明していきます!
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久能山東照宮とは
久能山東照宮(くのうざんとうしょうぐう)は、静岡市にある神社です。さて、この神社、日本史の中で1、2を争う有名人が眠っている場所なのですが、誰だかわかりますか?正解は「徳川家康」です。
徳川家康は、晩年をこの土地で過ごしました。この地を最後の場所と決めた家康は「この地に埋葬せよ」と遺言を残し、ここ久能山東照宮が創建されたのです。
実は紆余曲折あった久能山
さて、「久能山東照宮」となるまでに、時の権力者たちによって紆余曲折の形態をとりながら、現在の姿に落ち着きました。ちょっと経緯をご紹介しましょう。
・武田信玄が、久能寺自体を別の土地にうつし、この山を要塞とするべく「久能城」を作った。
・武田家が滅亡し、徳川家康が「久能城」を管理。
・徳川家康が亡くなり、遺言によって「久能山東照宮」が建てられた。
ちなみに、徳川家康×東照宮といえば「日光東照宮」が有名ですよね。日光東照宮も徳川家康の遺言により、久能山東照宮とほぼ同時期に作られています。全国に東照宮はありますが、久能山東照宮が一番最初に徳川家康を御祭神としてお祭りしたところなんですよ。
圧巻の石段
それではさっそく久能山東照宮に行ってみましょう。写真では小さな山が見えますね。これが久能山東照宮がある神域、久能山(標高216m) です。
久能山東照宮の特徴は、圧巻の石段による参道。なんと1,159段の石段を登っていくんです。この1,159段、ちゃんと意味があるんですって。
「いちいちご苦労さん」だそうですよ。これはふもとからお宮まで行く方法で健脚向け。ちょっと足腰に自信がないという方は、山頂から東照宮へロープウェイ (運賃は往復で大人1,100円、子供550円)で行く方法もあります。
最初は、斜度の浅い階段をのぼっていきます。そんなに大きい山ではないので、斜度の浅い階段を作ると、階段はこのように降り曲がりながら門まで続いています。
階段には現在地を示す表示があって、何段目まで歩いてきたのか目安を知ることができます。
一の門
さて、こちらがーの門です。ここでゴールかと思いきや、実はまだ途中なのでがっかりしないように注意。
一旦ここで海側を眺めてみましょう。
どうですか。この風が常に吹き抜ける景色。徳川家康は俗説では、龍脈のエネルギーを駆使して頂点に上り詰めたともいわれています。どうです。なんとなく海から風にのって龍のエネルギーが入り込んでくる気がしませんか?
ちなみに真下には、ビニールハウスがずらずらずらっと並んでいます。これはイチゴを栽培しているハウス。ここのイチゴは有名ですよ。
門衛所
ーの門をくぐると正面に見えるのが門衛所です。ここは、江戸時代に警備のために使用されていました。
勘助井戸
進行方向右手にあるのが「勘助井戸」です。人の名前っぽいでしょ?これは武田信玄が城として久能山を使っていた時代に、武田信玄の軍師であった山本勘助が掘ったと言われる井戸なんです。なんと33メートルも掘ったそうですよ。人力で作業することを考えると途中で挫折しそうな深さです。
「勘助井戸」と名付けられていますが、実は歴史上、武田信玄が城を作ったのが1569年。しかしその数年前に山本勘助は戦死している、という記録が残っているので、本人が掘ったのか?故人にちなんで名前をつけたのか?というところは謎だそうです。
社務所
さあ、社務所が見えてきました。階段登りもようやく終盤です(しかし、まだ登ります)。ここからは拝親料(大人500円、小人200円)が必要です。