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【奈良】疫病退散!奈良大和四寺巡礼の「長谷寺」へ

取材・写真・文:

兵庫在住
訪問エリア:45都道府県

2020年10月9日更新

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写真:こごみ

奈良では2020年12月末までの間、疫病退散を願う「奈良大和四寺巡礼特別参拝」が行われています。今回は四つのお寺の中から「長谷寺」をご紹介します。巨大な十一面観世音菩薩を真近で見て、直に触れることもできる貴重な体験です!

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奈良大和四寺巡礼特別参拝とは

  • 写真:こごみ特別参拝は12月末まで。料金は2,000~1,800円(日によって違う) 予約必要

奈良大和四寺巡礼とは、西国三十三か所の巡礼とは別の、疫病退散を願って行われる特別な巡礼です。巡るお寺は、「長谷寺」「室生寺」「岡寺」「安倍文珠院」の四寺。どちらのお寺にも、厄除け、魔除け、疫病退散に関する仏様が祀られています。

今回ご紹介するのは、その「奈良大和四寺巡礼」の特別参拝です。特別参拝期間は12月末までとなっており、参加するには以下の専用フォームより事前の予約が必要です。

今回は奈良大和四寺巡礼特別参拝で巡る四つのお寺の中から、花の寺として有名な「長谷寺」の様子について紹介します。

通常の特別拝観との違い

  • 写真:こごみ

長谷寺では通常、秋の特別拝観が行われています。特別拝観では、普段入ることのできない本堂の中に入り、ご本尊である十一面観世音菩薩を間近で見ることができる上に、御足に触れることができます。四寺巡礼の特別参拝では、それに加えて、僧侶による境内の説明案内、御朱印の特別巡礼衣がいただけます。

長谷寺での四寺巡礼特別参拝の流れ

スタートは長谷寺仁王門前から

  • 写真:こごみ

四寺巡礼特別参拝の集合場所は、入山受付と仁王門の前のエリアです。時間になれば、担当のお坊さんと共にスタート。四寺巡礼特別参拝のメリットは、この“僧侶による案内と説明”です。長谷寺にまつわる知識やエピソードをいろいろと聞けるのは、とても有意義な時間になります。

長谷寺といえば長い登廊

  • 写真:こごみ
  • 写真:こごみ
  • 写真:こごみ

長谷寺といえば、399段の登廊(のぼりろう)です。上中下の3廊に分かれていますが、一番上の登廊以外は、明治以後に再建されたものだそうです。優雅な登廊は風情がありますが、なかなかのしんどさ!お坊さんも頻繁に昇り降りすることはないそうで、ちょっと息が切れ気味でした。

  • 写真:こごみ

一番上の登廊は古いままの姿をとどめているので、階段も急です。電気のなかった時代、暗くなると手すりだけを頼りに昇り降りをしていたとのことで、柱には長い年月によってできた参拝者の皆さんの指の形に凹んでいる部分があったりします。

巨大な十一面観世音菩薩

  • 写真:こごみ

本堂に着くと、仏様とのご縁を結ぶ“五色線”がいただけます。仏の五つの知恵を表す五色の色を縒(よ)り合わせた腕輪です。これをはめて、いざ観世音様にご対面。

  • 写真:こごみ十一面観世音菩薩(ポスターを撮影)

写真撮影はできないのですが、10メートル以上あるそのお姿は圧巻の迫力で、国内の木造としては一番大きいのだとか。通常お地蔵さまが持っている錫杖を手にしためずらしい菩薩さまです。かつて疫病を引き起こしたとされる巨木を、あえて仏像にして疫病を封じたとされています。消毒済みの手で、1人ずつ順番に御足に触れながら参拝します。

舞台でお参り

  • 写真:こごみ
  • 写真:こごみ
  • 写真:こごみ

本堂を出た後は、断崖絶壁の舞台造の本堂正面にまわり、お坊さんの読経と共に参拝者のみなさんでしばし手を合わせます。通常はここから、十一面観世音菩薩の上半身を見ることができます。

巡礼コースはこちらで終了。質問にも丁寧に答えてくださったお坊さんにお礼を言って解散です。

境内散策も楽しもう

  • 写真:こごみ
  • 写真:こごみ

1人ずついただける「疫病退散」護摩木に願いを書いて奉納した後は、境内を自由に散策することができ、五重塔を間近で見ることもできます。「本長谷寺」は天武天皇の勅願によって始めにここに建てられた精舎です。奈良に来ると古代の歴史を身近に感じて、ちょっとゾクゾクします。

  • 写真:こごみ
  • 写真:こごみ

また、自然を感じる境内の散策はとても気持ちがいいです。筆者が訪れた際には、彼岸花があちこちに咲いていました。マスクを外してしばし深呼吸です。

長谷寺の塔頭「法起院」

  • 写真:こごみ

長谷寺から徒歩5分ほど、門前町のお店が並ぶ途中に長谷寺の塔頭「法起院」があります。塔頭とは弟子たちが僧をしのんで建てた小院のことで、墓所でもあります。こちらの「法起院」は、長谷寺の十一面観世音菩薩を作り、西国三十三か所の生みの親といわれている「徳道上人」が隠棲していた場所です。

  • 写真:こごみ

小さなお寺ですが、境内には見どころも多く、のんびりとお参りできます。徳道上人が法起菩薩と化して去ったという伝説があるのですが、その時に登ったと言われる松の木と、靴を脱いだとされる石を見ることができます。

  • 写真:こごみ
  • 写真:こごみ

「葉がき」の葉の字の元となったとされる「多羅葉」の木もあります。インドではかつて、この木の葉っぱの裏に字を書いたとされており、それが日本に由来したと言われています。ここでは本物の葉っぱに直に字を書くこともできます。

法起院
奈良 / 寺
住所:奈良県桜井市初瀬776地図で見る
電話:0744-47-8032
Web:http://www.houkiin.or.jp/

病魔退散を願って

  • 写真:こごみ

その昔、疫病が流行ると人々は神仏に救いをもとめ手を合わせました。それに習い、改めて今「コロナ退散」をしっかりと願う人が増えています。今度訪れる時は、十一面観世音菩薩にお礼参りができることを願って。

長谷寺
奈良 / 寺 / 縁結びスポット / あじさい名所
住所:奈良県桜井市初瀬731-1地図で見る
電話:0744-47-7001
Web:http://www.hasedera.or.jp/

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