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”四国巡礼”で有名な、本州との交流が盛んなエリア

長期休暇がなくてもできる!「四国八十八か所」区切り歩き遍路のススメ!-基本&準備編-

取材・写真・文:

トラベルライター

2022年1月12日更新

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写真:トラベルライター

「四国八十八か所巡り」通称「お遍路」は四国四県にある八十八か所の札所(寺院)を訪ねる旅。お遍路に挑戦してみたいけど、どのように旅したらいいか分からない。そんな方のために、実際に3年半をかけ9回に分けて八十八か所をまわった筆者が、お遍路の楽しみ方や注意点をご紹介。今回は、お遍路の出発前に知っておきたい基本知識と必要な準備編です。

この記事の目次表示

四国お遍路の基本を知ろう

「お遍路」という言葉を耳にしたことはあるけれど、その詳細はよく分からないという方も多いのでは?

まずはお遍路の歴史や、お遍路ならではの用語をご紹介します。

四国八十八か所巡りとは?

四国八十八か所巡り(四国遍路)とは、四国四県にある弘法大師空海ゆかりの霊場を巡礼する旅のこと。「遍路」という言葉は、「海外線」を意味する「辺路(へじ)」が変化したものと言われています。

  • 写真:トラベルライター第五十一番石手寺にある衛門三郎の像

四国遍路の始まりには諸説あり、はっきりしたことは分かっていません。弘法大師亡きあと、その弟子たちが弘法大師をしのんで足跡を辿った説や、修行中の大師に悪行を行った衛門三郎という人が許しを乞うために、四国を旅した説などがあります。

  • 写真:トラベルライター最近は海外からのお遍路さんも。英語バージョンの案内も時々見かけます。

元々は、修行僧が行うものでしたが江戸時代初期には、真念という僧が遍路道を整備し、今でいうガイドブックのようなものも発行するなどし、遍路旅の普及を行いました。これを機に一般庶民たちの間にも広まり、今に続く遍路旅が確立されていきました。

昨今では、日本各地はもちろん海外からもお遍路を目的に四国へ訪れる方が増えています。

弘法大師空海とは?

  • 写真:トラベルライター第八十八番大窪寺の弘法大師像

774年香川県善通寺市に生まれた空海は真言宗の開祖。唐にて真言密教を学び日本へ持ち帰り、高野山を真言密教の根本道場と定め伽藍の整備を行いました。弘法大師とは、空海が入定したのち後醍醐天皇によって贈られた名。今では「お大師さん」の呼び名で親しまれています。

お遍路の回り方に決まりはあるの?

お遍路の札所(八十八か所のお寺のこと)には、一番から八十八番まで番号がつけられています。ですが、必ず一番から順番通りに回らなければならない、という決まりはありません。

ただ「順打ち」と呼ばれる一番の霊山寺から、四国を時計回りに順番に回るのが定番とされています。実際筆者もこの「順打ち」で回りました。

  • 写真:トラベルライター順打ちの遍路旅の出発点。第一番霊山寺

その逆に八十八番の大窪寺から一番を目指して歩くことを「逆打ち」と言います。道中の案内板のほとんどが、順打ちで回る順路を示しているため、逆打ちで回ることは難しく順打ちの3倍のご利益があるとも言われています。

また、全ての札所を一度に回ることを「通し打ち」、一つの県ごとに回ることを「一国参り」、数回に分けて回ることを「区切り打ち」と言います。

竺和山 霊山寺
徳島 / 寺 / 女子旅 / 縁結びスポット / 観光名所
住所:徳島県鳴門市大麻町板東塚鼻126地図で見る
電話:088-689-1111
大窪寺
さぬき市 / 寺 / 紅葉 / パワースポット / 女子旅 / 穴場観光スポット / 秋のおすすめ観光スポット
住所:香川県さぬき市多和兼割96地図で見る
電話:0879-56-2278
Web:http://www.88shikokuhenro.jp/kagawa/88ookuboji/

お遍路にチャレンジしよう!

おすすめは「区切り打ち」の「歩き遍路」

お遍路の全行程は約1,200キロ。その行程を一度に全て歩いて回ると40~50日はかかります。仕事や家庭の事情でそんな長期間旅をするのは難しい!という方がほとんどではないでしょうか。そんな方でも「区切り打ち」なら数日間の休みを利用して、少しずつ回ることが可能です。

  • 写真:トラベルライター山道にあるメッセージに元気をもらって、一歩ずつ前進。

最近のお遍路は車やツアーで回る方が一般的。歩いて札所を回る「歩き遍路」はとても少数派です。

  • 写真:トラベルライター「ニヨドブルー」とも言われるほど青が綺麗な高知県の仁淀川

ですが、筆者がおすすめしたいのは断然「歩き遍路」

四国の自然や歴史、その土地に住む人たちと触れ合いながら札所を巡り歩く旅は、他の旅では経験できないお遍路ならではの体験です。

  • 写真:トラベルライター第六十六番雲辺寺からの下山に利用したロープウェイ。1時間半かけて登った山もたった7分で下山。
  • 写真:トラベルライター第三十二番禅師峰寺から第三十三番雪蹊寺の道中、渡船に乗って海を移動。

「挑戦したいけど体力に自信がない・・・」という方は、公共交通機関や車と組み合わせるのもいいと思います。実際筆者も時間や天候の都合で、バスやケーブルカー、時には船を一部の区間で使用しました。

予定と体力に合わせて、自分ならではのお遍路プランを作ってみましょう。

ここから先は、区切り打ちの歩き遍路でまわることを想定して、おすすめや注意点をお伝えしていきます。

お遍路に適した季節は「春」と「秋」

1年中参拝することが可能な札所ですが、長時間歩くことを考えると気候がいい春と秋がベストシーズンです。

ただし、シーズン中は札所に近い宿の予約が早くに埋まってしまったり、納経所が混雑する可能性もあります。

  • 写真:トラベルライター秋は、満開のコスモス畑を横目に札所を目指して歩きます。
  • 写真:トラベルライター春は道中、あちらこちらで咲く桜を見ながらお花見遍路。

夏と冬は人が少ない分、宿の予約は取りやすくなります。

ただし、真夏は暑さによる脱水症状や熱中症の危険があります。場所によっては、コンビニや自動販売機すらなかなか出会えない道もあるため、長距離歩行には向いていません。

  • 写真:トラベルライター初夏の季節は、山の緑が濃く美しいですが、蛇やマムシに注意が必要!
  • 写真:トラベルライター全く日陰がない道を歩くこともしょっちゅう。日焼け止めと帽子は必須です。

また真冬は衣服の荷物が増える、山道には積雪の恐れがある、宿によっては営業していないところもあるなど、こちらも厳しい条件下での旅となります。

市街地に近いエリアや、一つ一つの札所が近いルートを選べば、このような季節でも比較的歩きやすいと思います。

四季折々の四国の自然を楽しみながら歩けるのも区切り遍路ならでは。コースによって適した季節を選ぶのも重要です。

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