四国
四国観光
”四国巡礼”で有名な、本州との交流が盛んなエリア

長期休暇がなくてもできる!「四国八十八か所」区切り歩き遍路のススメ!-基本&準備編-

取材・写真・文:

トラベルライター

2022年1月12日更新

8,948view

お気に入り

この記事の目次表示

出発前に準備したいもの

  • 写真:トラベルライターオリジナリティあふれる手描きイラスト案内も、笠に装束、杖を持ったお遍路スタイル

お遍路の伝統的なスタイルは、上下白装束・菅笠・金剛杖。これらの正装に身を包むことで心が引き締まり、また一目で周囲の方にお遍路さんだと認識してもらえます。

ですが、このような正装はちょっと敷居が高い。現地までの移動時に目立つし抵抗がある・・・と言う方も大丈夫。必ずしもこの服装でないといけないということはありません。長距離歩行のお遍路には、機能性に優れたアウトドアウェアやグッズが便利。これらを組み合わせることで、自分なりのお遍路スタイルを作りましょう。

カバン

  • 写真:トラベルライター雨の中やトンネルなど暗い道を歩く時もあるので、リュックには安全のための反射板キーホルダーをつけていました。

数日間の荷物を移動中ずっと持ち歩くため、カバンはリュックサック。25~35ℓのサイズがあればいいと思います。重い荷物を背負って長距離を歩くのは大変。肩だけに負担がかからないよう、腰ベルト付きをおすすめします。ウェアは途中宿泊先のコインランドリーで洗えば、全日程分を持ち歩く必要はありません。

  • 写真:トラベルライター札所に着いたら、貴重品や参拝グッズだけを持ち、重いリュックはベンチなどに置いて参拝。

また、納経帳やお財布など出し入れを頻繁に行うものは、サブバッグに入れておくと便利です。専用の山谷(さんや)袋もありますが、手持ちのショルダーバッグなどで代用可能です。

シューズ

体力やペースにもよりますが、大体歩き遍路の1日の歩行距離は30キロ前後。また、未舗装の山道も歩きますが、舗装道が大半のため、トレッキングシューズでは重すぎます。ウォーキングシューズやローカットなど軽めのトレッキングシューズがおすすめ。

服装

最近はカジュアルなアウトドアウェアのお遍路さんも沢山います。

伸縮性のあるパンツ、速乾性のTシャツ、防寒や雨除け用にウィンドブレーカーやレインパーカーがあるといいでしょう。

  • 写真:トラベルライター動きやすさ重視でノースリーブタイプを選択。

ただし、それだけだと普通のハイキングと変わりないスタイルになってしまいます。周りの方から「お遍路さん」と分かってもらえるよう、また自分自身の気持ちを高めるためにもお遍路ウェアはどこかに身に着けたいもの。

筆者は、アウトドア用のTシャツの上に白衣の袖なしタイプを着用。こちら着心地を重視した速乾素材。お遍路グッズのインターネットショップいっぽ一歩堂さんで購入しました。その他、和袈裟(わげさ)と呼ばれる首にかける簡易式の袈裟だけをかけている方もよく見かけました。

金剛杖

  • 写真:トラベルライター第八十八番大窪寺の「寶杖堂」には、お遍路さんと旅路を共にした金剛杖が奉納されています。

金剛杖は弘法大師の化身とされ、「同行二人」(遍路旅の道中、弘法大師と共にいるという考え)のために必要なアイテム。

元々は、過酷な遍路の最中万が一行き倒れてしまったときの墓標でもあったのだとか。山道や階段などでは歩行を助ける実用的な側面もあります。

菅笠

菅笠は日差しや雨除けにもなるアイテム。帽子は参拝時に脱がなければいけませんが、菅笠は着用のままで構いません。ただし、四国までの道中かさばるというデメリットはあります。菅笠を着用しない場合は、日差し除け兼雨除けとしてアウトドア用のハットがあると便利です。

参拝グッズ

  • 写真:トラベルライター納経帳をはじめ、お線香やろうそく、納札などの巡礼道具。

札所に着いたら、納札箱に納札を入れ、ロウソク、線香、賽銭をあげ、読経します。それを本堂と大師堂それぞれで行ったのち、納経所で御朱印をいただきます。

  • 写真:トラベルライタースタンプラリーのように御朱印をいただくだけはご法度。御朱印をいただく前には、きちんと参拝を。

それらに必要なグッズは、最初の札所に参拝する前に揃えておきましょう。一番札所の霊山寺の門前にある「門前一番街」ではこれらの用品を揃えることができます。またその他の札所近辺にも、遍路グッズが買えるお店はありますが、あまり数は多くありません。先ほどご紹介したようなインターネットショップで出発前に揃えておくのもいいでしょう。

体力

はっきり言って、お遍路は楽な旅ではありません。早朝から夕方近くまで、数キロになる荷物を背負ったまま、30~40キロの道のりを歩くことはほとんどの方にとって未知の体験ではないでしょうか。

  • 写真:トラベルライター第五十二番太山寺は、仁王門から本堂まで570mもの距離があります。

また、1日あたりの距離を短くしても、途中には何キロも続く山道や、ようやく札所に辿りついてもそこから本堂まで長い長い階段が待ち受けていることもあり、やはりある程度の体力と脚力は必要です。遍路はかつて「修行」の一つであったもの。日頃から体力作りをしておけば、ただしんどいだけでなく、厳しいながらも楽しい経験になること間違いなしです。

この記事を書いたトラベルライターから一言

筆者がお遍路をやってみよう!と思ったきっかけは、たまたま本屋でお遍路のガイドブックを目にしたこと。「お遍路って聞いたことあるけど、まわりにやったことある人もいないし、ちょっと経験してみようかな」と割と軽い気持ちでの挑戦でした。

実際にやってみて、雨の中の山道や、長距離歩行での疲労などしんどい思い出もありますが、お遍路ならではの貴重な体験が沢山できました。(えちこ)

次のページを読む

四国の旅行予約はこちら


四国のパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

四国のホテルを探す

四国の航空券を探す

四国の現地アクティビティを探す

四国のレンタカーを探す

四国の高速バスを探す

この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

同じテーマの記事


ユニークな体験ができる!日本のおすすめ珍スポット13選

忍者さながらの巧妙な仕掛けがされた忍者寺に、頭大仏像にモアイなどユニークな像が並ぶ真駒内滝野霊園、未知の空間が広がるガマ洞窟・ガマランドなど、他にはないユニーク...


【2023年版】全国の人気神社・お寺TOP52!旅行好きが訪れた寺社ランキング

2023年の1年間にトリップノートのトラベラー会員が登録した「行ったスポット」のデータを元に、トラベラーのみなさんが実際に訪れた国内の寺社ランキング【2023年...

初詣におすすめ!【全国47都道府県別】初詣の人出トップ寺社一覧

全国47都道府県ごとに、もっとも初詣客の多い寺社を一挙にご紹介!新しい年を迎えて初めての参拝は、たくさんの人が新年の開運祈願に訪れる、人気の寺社へ初詣に出かけて...

四国で人気の神社・お寺TOP12!旅行好きが行っている寺社ランキング

金刀比羅宮や大山祇神社、善通寺などをはじめとする四国の神社・お寺を、トリップノートの8万3千人のトラベラー会員(2022年11月時点)が実際に行っている順に、人...

【愛媛】道後温泉すぐ近く、ちょっと不気味な「石手寺」参拝のススメ

「石手寺(いしてじ)」は愛媛県松山市石手にある寺院です。道後温泉からも近い位置にあり比較的参拝客も多いのですが、境内にあるマントラ洞窟やその先がどこか不気味で、...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります