本格的な中華レストランが軒を連ねる、多民族で多文化な街オーストラリアのシドニー。その中でも個性的で美味しい、スタイリッシュなチャイニーズ、と言えば必ず名前が上がるレストラン「Mr. Wong(ミスター・ウォン)」をご紹介します。
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他民族&多文化な街「シドニー」
自身もしくは両親のどちらかが海外で生まれたという人が人口の約半数と言われる、世界有数の多民族&多文化な国「オーストラリア」。そんなオーストラリア第一の都市Sydney(シドニー)には、アジア系から中東系、アフリカ系から南米系までさまざまなバッググラウンドを持つ人達が運営する、本格的なレストランがたくさんあります。
中でもシティ中心部の南に位置するチャイナタウンでは、リーズナブルな値段で食べられる飲茶から本格的な正統派中華料理まで、チャーニーズフードが気軽に食べられるレストランが軒を連ね、人気です。
シドニーの中華レストラン「Mr Wong(ミスター・ウォン)」
そんな多国籍なグルメが楽しめるシドニーの中で、筆者が特にオススメするチャイニーズ・レストランが「Mr Wong(ミスター・ウォン)」です。
場所はシドニーCBD(中央ビジネス区域)と呼ばれる、ビジネス街の中心。ビルの間の薄暗い路地沿いにあります。本当にここで合ってるのかな・・・と思いつつ通りを進んでいくと、ブロック壁の向こう側で活気に溢れている様子がガラス越しに確認できます。
2012年にこの場所にオープンしてから、近隣で働くビジネスマンやシドニーっ子達にも大人気のこのお店。大人数でしか予約を受けてつけていないことから、高級店であるにもかかわらず夕方になると通りに入店を待つ列ができます。
個性的な味わいの絶品チャイニーズ
ミスター・ウォンのお料理は、伝統的な中華(広東)料理をモダンにアレンジした、「アジアン・フュージョン料理」。広東料理伝統の味わいはそのままに、アジア料理全般の革新的なアレンジを加えることによって、私達の想像よりもさらに上の次元の個性的なお料理が楽しめます。
- 写真:Mayumi Iwasakiたらば蟹のチャーハン King crab fried rice($32.00 / ¥2,700)
- 写真:Mayumi Iwasakiカニたっぷりの炒飯と、上にかかった香ばしいニンニクと唐辛子のフレークが最高
筆者のおすすめはこちらのKing Crab(たらば蟹)の炒飯。「タイフーン・スタイル」と呼ばれるもので、上にのったカリカリの香ばしいニンニクと唐辛子のフレークと、カニがたっぷり入ったやさしい味わいの炒飯との相性もバッチリ。食感と味わいが絶妙に絡み合い、想像を超える美味しさです。
こちらのお店は店員さんのホスピタリティも素晴らしく、メニューについて詳しくアドバイスをしてもらえます。アレルギーや苦手な食材にも細かく対応してもらえ、シェフにお願いして自分流にアレンジしてもらうことも可能です。
地下に下りる吹き抜けの階段部分には、大きなガラス張りのワインセラーが。常時800種類以上という驚愕の数が並ぶワインリストには、オーストラリア産などニューワールド系のワインを始め、ヨーロッパ産のワインも数多く取り揃えています。
オーストラリアが誇るプレミアムワイン、Penfolds(ペンフォールズ)の「Grange Bin 95」やHensche(ヘンチキ)の「Hill of Grace」など、100万円以上するワインもヴィンテージごとに揃えているとか。もちろんリーズナブルなグラスワインも用意しているので、安心して美味しいワインと中華が楽しめます。
クールで洗練されたインテリア
筆者がミスター・ウォンを知ったのは、まだシドニーに来たばかりの頃。近辺を散策中にこの路地に迷い込み、まだ開店前の暗い店内を窓の外から覗き込んだのがきっかけです。
素敵なインテリアに心を奪われ、その後内装を確認するために訪問。料理の美味しさや店員さんのホスピタリティの素晴らしさに、完全にノックアウトされました。
訪れるレストランやカフェを選ぶ際、料理の味もさることながらインテリアやお店の雰囲気もかなり重要です。全体的な飲食店の内装クオリティが高いシドニーですが、ミスター・ウォンのクールで洗練されたインテリアは、インテリア業界にいた筆者から見てもかなりレベルが高いと思います。
シドニーの街中には古い建物と新しい建物が混在していますが、ミスター・ウォンがあるのは1895年に立てられた元デパートだった建物です。地上1階と地下の二層を使った店内は、歴史的建築物でありながらも、想像以上に広大な地下空間に圧倒されます。
「中華料理店」でよく見かけるに提灯や旗、赤やゴールドなどの色合いは全く見当たらず、翡翠のようなグリーンを基調に燻んだ色が多用され、それが100年以上の歴史あるブロック壁や柱、木製の梁などに程よくマッチしていますね。
因みに地下からは以前ご紹介した禁酒時代をコンセプトにした隠れ家バー「Palmer & Co.(パーマー&コー)」へのドアもあります。
並んででも食べたいグルメに人気のお店
辺りが暗くなる頃には店の前に人が集まり、狭い通りには複数の人が並び始めます。残念ながら6人以下でのディナーの予約はできないので、オープン間際の17:30過ぎに訪れるのがおすすめ。その代わりランチはネット予約ができるので、ランチの方がその後の予定も立てやすいですね。
あえて路地裏に入口を設けて大々的な看板を掲げなかったのは、「裏路地で美味しいお店を発見する」というアジア特有の体験をさせたかったからだそう。薄暗い(若干小汚い)通りですが、シドニーに訪れたら裏路地の名店で絶品中華を堪能してみましょう。
- ミスター・ウォン
- シドニー / 中華料理 / ランチ
- 住所:3 Bridge Ln, Sydney NSW 2000地図で見る
- 電話:02-9114-7317
- Web:https://merivale.com/venues/mrwong/