写真：Nozチェスター（Chester）は、イギリス北西部にあるチェシャー州の州都で、ウェールズとの境に位置しています。街の中心部には中世の雰囲気漂う城壁や円形劇場があり、白と黒のチューダー様式の建物が並ぶ街並みは、ヴィクトリア朝を彷彿とさせます。そんな魅力に引き寄せられ、チェスターには国内外から多くの観光客が訪れています。今回は、そんなチェスターの街の魅力に触れることができるおすすめの観光スポットをご紹介します。
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チェスターは、どんな街？
ロンドンから電車で約2時間の距離にある街、チェスター
チェスターはイギリス北西部に位置し、ウェールズとの境にあります。ロンドンのユーストン（Euston）駅から電車で約2時間の場所にあり、1時間に2本の直行または乗り換え便の運行があります。
飛行機の乗り継ぎで訪れる場合は、マンチェスター空港で降りた後に、チェスターとの間を定期運行しているバスに乗ると便利です。マンチェスターからチェスターまでは、車でおよそ50分です。
歴史ある城壁が現存する、国内随一の城郭都市
チェスターにはたくさんの歴史的遺産が残っていますが、中でも一番有名なのは、国内で最も良い状態で現存する城壁です。
写真：Noz城壁
現存する城壁は、西暦79年頃、日本では弥生時代の頃に誕生した防御壁です。
ウェールズとの戦争に備えるローマ人が軍の本営を築き、侵略から身を守るために周囲に木製の囲いを作ったのが始まりです。以降、木製の囲いは砂石に変えられ、徐々に強度を増しながら、全長約3キロの城壁へと姿を変えました。
1750年頃になると、イギリス国内では徐々に平安が保たれるようになり、国内に点在する城壁の必要性は薄れていきました。
人々の生活や活動も活発になり、街の商業が栄えて人口が増加すると、城壁は逆に邪魔な存在に。そして、人々の移動や移住の妨げになってしまった城壁は、次々に取り壊されていったのです。
- 写真：Nozディー川に沿って続く城壁
そんな中、チェスターの城壁は壊されずに残りました。見張りの兵隊がパトロールをしていた城壁の上を通る通路は、18世紀後半には、着飾った上流階級の散歩道に姿を変えました。
現在チェスターに残る城壁は、歴史的価値の高い遺産であるとともに、住民や旅行者の憩いの場として親しまれています。
現在のチェスター
- 写真：Noz
現在、チェスターでは約8万人の人が暮らしています。歴史的価値の高い遺産都市と呼ばれるチェスターにも、スーパーや日用品店、ショッピングセンターやレストランが混在し、人々の生活を支えています。
近隣には学校もあり、元気な若者が映画館やショッピングセンターに集まる様子は、他の都市となんら変わりはありません。
チェスターのおすすめの観光スポット10選
- 写真：Noz
新旧の文化が融合する側面もチェスターの魅力の1つで、国内外から多くの人が訪れる理由でもあるのでしょう。
馴染みのあるスターバックスがヴィクトリア朝の建物に入り、周囲をローマ時代の遺産である城壁が囲む。そして、その上を気ままに散策する人々の姿。そんな街の風景に、チェスターの魅力が感じられます。
それでは、チェスターのおすすめの観光スポットをご紹介します。
1. The Rows ザ・ロウズ
ザ・ロウズは、チェスターで最も人気の高い観光スポットの1つです。街の中心部には白と黒のチューダー様式の木組みの建物が軒を連ね、2階部分が歩道で繋がりアーケードのようになっています。その部分がザ・ロウズと呼ばれます。
- 写真：Nozザ・ロウズ
それぞれの建物の各階にはブティックやレストラン、カフェやオフィスなどが入っています。
- 写真：Nozザ・ロウズに続く階段。街の至る所で見つけることができます
ザ・ロウズは13世紀に建てられましたが、現存しているもののほとんどは、その後に改装や増築が行われたものです。世界でも類をみない独特の作りで、その起源は今も不明のため、様々な憶測を呼んでいます。
2. East Gate Clock イーストゲート時計台
- 写真：Nozイーストゲート時計台
イーストゲート時計台は、城壁東部にある門の上部に見られる時計台です。1897年に、ダイヤモンドジュビリーと呼ばれるヴィクトリア女王の即位60年記念で建設されました。
- 写真：Nozイーストゲート時計台を真下から眺める
時計台の横には城壁の上に続く通路があり、真下から見ることができます。この時計台は、「ロンドンのビックベンに次いで、最も良く写真に収められる時計台」とも言われています。
- イーストゲート時計台
- イギリス / 建造物 / 史跡・遺跡
- 住所：41-45 Eastgate St, Chester地図で見る
3. Walls of Chester 城壁
- 写真：Noz城壁の上
チェスターの城壁は、英国内でも特に保存状態が良く、チェスターが城郭都市と呼ばれる所以でもあります。
ローマ人が軍団の本営を守るために周囲に防御壁を築き、その後に長い年月をかけて城壁をつくりあげました。城壁の全長は3.2kmで、徒歩でしたら1周を約1時間ほどでまわることができます。
- 写真：Noz城壁の上からディー川をのぞむ
旧市街地を囲む城壁を歩けば、街の中も外も見ることができます。建物の間を縫うように通る場所や、ディー川をのぞむ展望スポットなど見どころが多いため、この城壁はチェスターの人気の観光スポットです。
- チェスターの城壁
- イギリス / 建造物
- 住所：Walls of Chester, United Kingdom地図で見る
- Web：http://www.explorethewalls.com
4. Chester Roman Amphitheatre チェスター・ローマ円形劇場
- 写真：Nozローマ円形劇場
ローマ人によって建てられた円形劇場で、1929年に発見され、2000年から本格的な発掘が始められました。収容人数は8,000人超と言われており、英国内では最大の規模です。
- チェスター・ローマ円形劇場
- イギリス / 建造物
- 住所：Little St John Street, Chester地図で見る
