山梨県の富士吉田市にある月江寺。富士吉田市は明治以降に織物産業で栄え、月江寺も織物産業で働く人々の歓楽街として発展しました。今回は、当時のディープでレトロな雰囲気が残る月江寺を歩きます。
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今は静かな月江寺(げっこうじ)駅前
富士急行大月線の月江寺駅。2017年に建て直された、小さいながらも新しい駅舎です。
駅を出て静かな通りをまっすぐ歩くと、すぐに宮川にさしかかります。宮川を越えたところで左に曲がり進んでいけばまもなくミリオン通り(後述)です。
趣のある町並み
歓楽街として栄えた当時の雰囲気をそのまま残した町並みこそが、月江寺最大の特徴、そして魅力といっても過言ではないでしょう。そこまで広い町ではないので、ゆっくり一周していきましょう。
白地に赤の看板が目印のミリオン通り。飲み屋として現役の店舗や、そのレトロな雰囲気を求めて進出してきた若い店もちらほら見られます。
新世界通り。道幅はせまく独特な雰囲気をかもし出しています。
かつては20店舗以上の店がひしめき合いにぎわっていました。近年では、イベントの開催や復活のための合同会社設立などにより、少しずつですがにぎわいを取りもどしつつあります。
周辺にはいわゆるカフェー建築や、今ではなかなか見られないデザイン、色使いの建物が残っています。
元料亭の診療所【旧角田医院】
旧角田医院は、1928年に高級料亭として誕生しました。百畳間があり、内閣総理大臣も務めた浜口雄幸が訪れたこともありましたが、1943年に廃業します。1945年から1986年にかけ診療所として使われましたが、今は空き家となり保存されています。
一般公開はしておらず外部からの見学のみとなりますが、見える部分だけでも、まるでお寺か神社のような重厚な雰囲気をうかがうことができます。
約70年前から営業を続ける【月の江書店】
ペンキで店名が書かれた大きな看板が印象的な月の江書店。1949年の創業の古い本屋です。本だけでなくプラモデルやミニ四駆、レトロ玩具をあつかっています。
- 月の江書店
- 山梨 / 本屋
- 住所:山梨県富士吉田市下吉田3-12地図で見る
- 電話:0555-22-0036
- Web:http://www.mfi.or.jp/tukinoe/l.htm
吉田のうどんが食べられる【べんけい】
富士吉田といえば、吉田のうどんです。赤唐辛子・ゴマ・山椒をいためたすりだねを入れること、機織や養蚕でいそがしい女性に変わって男性が作ったことにより、非常に強いコシと硬さがあるのが特徴です。月江寺にも吉田のうどん専門店が何店舗があります。
ここ、べんけいでも吉田のうどんを味わうことができます。1953年の創業で、いなり寿司もあつかっています。
- べんけい
- 山梨 / 和食 / うどん / ご当地グルメ・名物料理
- 住所:山梨県富士吉田市下吉田3-21-11地図で見る
- 電話:0555-22-2358
- Web:http://benkei.client.jp/
月江寺の新たな役割
一見、織物産業で働く方の歓楽街という役目を終え静かにたたずんでいるように見える月江寺。ですが、ウッチャンナンチャンの内村光良が監督を務め2006年に撮影された映画『ピーナッツ』でロケ地となったり、2008年に発売されたゲームソフト『ペルソナ4』で登場する町のモデルになったり、2016年には新世界通りに複数の新しい飲食店がオープンするなど、月江寺の内外両方で復活のきざしが見えつつあります。
富士急ハイランドや富士山など観光名所に近いこともあり、いつ有名になって人があふれることになってもおかしくないポテンシャルを秘めているので、静かな今のうちに訪れることをお勧めします。
- 関連リンク:富士の国やまなし観光ネット