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イタリアからの移民が創業、禁酒法を乗り越え現代に至る
創業者は、1882年にイタリアから移民として来たVittorio Sattui(ヴィットーリオ・サットゥイ)。Marketplaceの扉などには「FOUNDED 1885(1885年創業)」と書かれていますが、正確にはナパバレーではなく、当初はサンフランシスコにあるイタリア人移民の街「ノースビーチ」でワイナリーを始めたそうです。
その後、息子さんもビジネスに加わり事業はうまく行っていましたが、ここでアメリカ全土の醸造家にとってショッキングな法律ができます。それは「禁酒法」。日本ではあまり知られていませんが、1920年に施行され、商売のためにお酒を作る、売る、輸送することが禁止されたのです。当然のことながら、Sattui家も廃業に追い込まれることに。
やがて禁酒法によりアメリカ国内が荒れたことで、1933年にフランクリン・ルーズベルト大統領が禁酒法を廃止しましたが、Vittorio Sattuiはワイナリーを再開することなく1950年に亡くなりました。
その後立ち上がったのは、Vittorio Sattuiの孫であるDario Sattui(ダリオ・サットゥイ)。その頃活気付いていたナパバレーで1972年から3年間修行し、1976年にこの地でワイナリー事業をスタートさせたのです。
1985年には、ワイナリーの真隣にある34エーカー(約0.14㎢ = 東京ドームの約3倍)の土地を買い取って葡萄の栽培を始めたそうで、現在でもガーデンからは広大な葡萄畑を見渡すことができます。その後様々な賞も受賞し、今となってはナパバレーでも一目置かれるワイナリーとなりました。
最後に
ナパバレーは、今やカリフォルニアのディズニーランドに次いで訪問客が多いそうですが、その雰囲気はまさに“田舎”。せせこましさも無く、ゆったりまったりとワインや美味しいおつまみを、青空の下で心ゆくまで楽しむことができます。
「とにかくたくさんのワイナリーを廻るぞ!」というのも良いかもしれませんが、ワイナリーとの出会いも一期一会。たくさん廻らなくとも、一つ一つを大切に巡れば、きっと心に深く残る思い出になると思います。
- V・サットゥイ・ワイナリー
- アメリカ / 工場・施設見学
- 住所:1111 White Lane St. Helena, CA 94574地図で見る
- 電話:707-963-7774
- Web:http://www.vsattui.com
※記事内のドルから日本円への換算は$1=約110円で計算しています。