写真：まき子世界中にあるワイン産地の中でも、今やトップクラスの上質なワインを生み出しているナパバレー。「ワイン通じゃないし、テイスティングとか難しそう…」なんて思っていませんか？ナパバレーを楽しむのに、ワイン知識や玄人素人は関係ありません。自然豊かな景色を見ながら、ワインと共にのんびり楽しく過ごせるのがナパの醍醐味です。様々なワイナリーがあり、どこに行こうか迷ってしまうかもしれませんが、今回は子連れファミリーでも敷地内の広いガーデンでピクニックが楽しめる【V. SATTUI WINERY】をご紹介します！
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外観もオープンで誰でも入りやすい「V. SATTUI WINERY」
写真：まき子
ほとんどのワイナリーが、敷地の入り口に立派な門や塀を建てていますが、V. SATTUI WINERY（V・サットゥイ・ワイナリー）は、そういったものが無いので、良い意味でワイナリーらしくなく、外から中の様子が伺えます。入口の大きな看板に「BBQ TODAY」とあれば、ガーデンでBBQもやっています♪
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敷地内でまず目に飛び込んでくるのは、丁寧に手入れされている広々とした芝生と大きな木々。晴れている日は芝生の緑と青空のコントラストがとても素晴らしいです。
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1984年に建てられた石造りのワイン醸造場は、さすが貫禄があります。毎日$30（約3,300円）で45分間のツアーを開催しているそうです（6〜20歳は$15（約1,650円））。
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ジンファンデルという葡萄の木に囲まれた小道があったり、大きな木々も伸び伸びとしていて、とても気持ちの良い空間です。早くこの広場でピクニックをしたくなりますが、その前にまずは、ワインや食べ物を物色しに「Marketplace = 市場」と呼ばれるショップに行きましょう♪
飲む人も飲めない人も楽しく物色！「Marketplace」
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芝生広場の中央に“ワイン蔵”たる雰囲気たっぷりの建物がありますが、ここが Marketplace です。
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外見は重厚な雰囲気。「ENTRANCE」と書かれている扉から入れます。
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中に入ると、本当に“市場”のようです。ワインのおつまみにぴったりなチーズ、生ハム、サラミ、ソーセージがずらり。しかもかなり本格的！この他にも、お酒が飲めない人や子供も楽しめるようなフルーツ、バゲット、サンドイッチ、フレッシュサラダ、スナックなど様々な食物が揃っています。
V. SATTUI WINERYのワインはここでしか買えない！
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Marketplaceにはワインもたくさんの種類が売られています。今ではホームページからオンラインでも購入できるようになったようですが（ただしアメリカ国内に在住の人のみ）、V. SATTUI WINERYはどこにも卸しておらずワイナリーの直売のみです。もちろん日本へ輸出もしていませんし、アメリカ国内でも酒屋やスーパーマーケットで買うことはできません。
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テイスティングは$20（約2,200円）で、5種類のビンテージワインが飲めます。その他にも気になるワインがあったら気軽にスタッフに聞いてみてください。もし開いているワインがあったらテイスティングさせてもらえるかもしれません♪ ぜひピクニックのお供やお土産にお気に入りのワインを見つけてみてください。
ワインとおつまみを持ってガーデンへ！
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V. SATTUI WINERYに来たら、ピクニックしないで帰るなんて勿体無い！天気が良ければ、MarketPlaceで購入したワインやおつまみを持ってガーデンでゆっくり過ごすのがオススメです。
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ガーデンでは芝生の上に座るもよし、ベンチやテーブルもいっぱいあります。とにかく広いので、ゆったり過ごせますし、小さな子供達は思う存分走り回ることもできます。
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ワイナリーのすぐ前にはワイントレインという時速30kmで走る列車も走っています。1日に数本しかないようなので、もし走っているのが見られたらラッキーですね♪ 乗っている人たちと手を振り合うのもなかなか楽しいものです。
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日曜日はガーデンでBBQも開催。本格的なソーセージやイタリアンピッツァ、ホットサンド、モッツァレラバーなどが出店しており、ガーデン全体が美味しい匂いに覆われています。
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BBQのソーセージは1本$4.95（約550円）、マカロニサラダは$3.45（約380円）、ホットサンドは本格的なハムとチーズがたっぷりのボリューム満点で$7.45（約820円）です。
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赤ワインの「Sattui Family Red」は、カリフォルニアならではの葡萄「ジンファンデル」をメインに色んな葡萄をブレンド。たった$27.35（約3,000円）でありながら、深みのある味わいかつ重すぎず、ピクニックにぴったり。
ちなみに、購入する際にすぐに飲むことを伝えれば、栓を開けてくれて、コップもプラスチックですが無料で頂けます。
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こんなワインもあります。Monastero di Coriano Felicitá。見るからにイタリア語なのですが、これはイタリアはトスカーナ地方の契約ワイナリーと共同で作ったものだとか。
実はV. SATTUI WINERYでは、ワイナリーにしろ、このワインにしろ、イタリアらしさが垣間見えます。それはなぜなのか、V. SATTUI WINERYの歴史を含めて少しご紹介します。
イタリアからの移民が創業、禁酒法を乗り越え現代に至る
創業者は、1882年にイタリアから移民として来たVittorio Sattui（ヴィットーリオ・サットゥイ）。Marketplaceの扉などには「FOUNDED 1885（1885年創業）」と書かれていますが、正確にはナパバレーではなく、当初はサンフランシスコにあるイタリア人移民の街「ノースビーチ」でワイナリーを始めたそうです。
その後、息子さんもビジネスに加わり事業はうまく行っていましたが、ここでアメリカ全土の醸造家にとってショッキングな法律ができます。それは「禁酒法」。日本ではあまり知られていませんが、1920年に施行され、商売のためにお酒を作る、売る、輸送することが禁止されたのです。当然のことながら、Sattui家も廃業に追い込まれることに。
やがて禁酒法によりアメリカ国内が荒れたことで、1933年にフランクリン・ルーズベルト大統領が禁酒法を廃止しましたが、Vittorio Sattuiはワイナリーを再開することなく1950年に亡くなりました。
その後立ち上がったのは、Vittorio Sattuiの孫であるDario Sattui（ダリオ・サットゥイ）。その頃活気付いていたナパバレーで1972年から3年間修行し、1976年にこの地でワイナリー事業をスタートさせたのです。
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1985年には、ワイナリーの真隣にある34エーカー（約0.14㎢ ＝ 東京ドームの約3倍）の土地を買い取って葡萄の栽培を始めたそうで、現在でもガーデンからは広大な葡萄畑を見渡すことができます。その後様々な賞も受賞し、今となってはナパバレーでも一目置かれるワイナリーとなりました。
