フランス南西部に位置するフランス第5の都市、トゥールーズ。その美しい街並みから「バラ色の都市」と呼ばれています。この都市の代表産業の一つが宇宙産業です。トゥールーズにはフランス国立宇宙研究センターがあり、様々な研究が行われています。ただし、こちらの宇宙研究センターは一般には公開されておりません。しかし、トゥールーズには楽しく宇宙について学べるテーマパークがあります。今回はそんなテーマパーク「シテ・ド・レスパス」をご紹介します。
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シテ・ド・レスパスとは?
シテ・ド・レスパスをフランス語表記にすると"Cite de l'espace"。英語にするとCity of Space。日本語で言うと「宇宙の街」という意味になります。その名の通り、1997年に開園した宇宙や宇宙開発を学ぶことができるテーマパークです。
3.5ヘクタールの広々とした敷地の中は、屋外にも屋内にもとても貴重な展示がたくさんあり、140席と280席を擁する2つのシアターもある、とても贅沢なテーマパークです。
まずはマップで「計画」を立てよう!
シテ・ド・レスパスは映像プログラムや体験プログラムが沢山!しかし、常時そのプログラムが開催されているわけではありません。開催時間が決められているので、受付でマップをもらったら、その中に記載されている各プログラムのタイムスケジュールを確認し、どのように回るかという計画を立てることが必要です。
受付の方に聞けば、オススメのアトラクションやオススメのまわり方も教えてくれるので遠慮せずに聞いてみましょう。
何をして楽しむ?
2つのシアターでの映像鑑賞はマスト!
このシテ・ド・レスパスでの一押しは、2つのプラネタリウムでのプログラム。
1つはIMAX CINEMAで行われる"FILM: A BEAUTIFUL PLANET"です。こちらは英語にも対応しており、宇宙から見た地球の美しさを60分間楽しむことができます。1日に4回上映があります。
もう1つはSTELLARIUMというプラネタリウムで行われる"Destination Planets"という、太陽系を冒険しよう!というテーマの30分間の番組です。こちらはオーディオガイドで英語の音声が楽しめます。1日に8回上映がありますが、こちらの上映会場のプラネタリウムは少し小さめ。夏休みなどの混雑する時期でしたら、上映開始の20分前に並んでおくことをお勧めします。
どちらの映像番組もとても綺麗で、英語やフランス語がわからなくても映像だけ見ていても楽しめます。
宇宙飛行士体験をしよう!
なかなか珍しい「宇宙飛行士体験」ができるのもシテ・ド・レスパスの魅力。ここでは2つご紹介します。
まず1つ目はMoon Runnerという、月面を実際に歩くとどのようになるのか、という体験ができるアトラクション。天井から吊り下げられた椅子のようなものに半分腰をかけ、シートベルトをして、「月面」を歩きます。
一歩一歩がフワッフワッとなり、なかなか、うまく歩けません。小さい子も大人も笑顔で体験できるアトラクションです。
もう1つはSoyouz Capsul。ソユーズカプセルとはロシア連邦の1〜3人乗りの宇宙船のことで、国際宇宙ステーションへ行くとき、そして地球への帰還時に使われるものです。ここシテ・ド・レスパスには実物大のソユーズカプセルがあり、そして、実際にその中に入ることができるのです!
- 写真:Emilyソユーズカプセル。カプセル、の名にふさわしく、とても小さいものです。
- 写真:Emilyお隣には「宇宙飛行士」のマネキンが。
- 写真:Emily座席に寝転ぶように「着席」した時の風景です。このクマは、カプセルが無重力空間に突入した時にフワっと浮き、宇宙飛行士たちに「無重力空間に無事突入した」ということを伝えるためのものです。
中に入ると思った以上に狭く、そして「寝た」状態で座ることになるので、この体勢でカプセル内のたくさんのボタンを正しく押すのはとても大変だろうなぁ、と想像ができます。
どちらのアトラクションも時間が限られていますので、オープンになっている時間を必ずチェックしましょう。
他にも見所が沢山!
屋内展示
屋内展示エリアには、宇宙や地球について理解できるエリア、天気について学べるエリア、ロケットや衛星がどのように機能しているかということを学べるエリア、そして宇宙飛行士になるためのトレーニングや宇宙での生活について理解ができるエリアがあります。
ただ単なる「展示」ではなく、パネルを動かしたり、コンピューターを操作してみたり、映像が多かったりと、理解度を深めることができるような工夫が沢山あります。
- 写真:Emilyコンピューターで詳しく説明が聞けます。
- 写真:Emily宇宙飛行士が着用する分厚い手袋で作業をするのがいかに大変かを体験できます。
- 写真:Emilyこちらの動画は、無重力空間ピンポン。テーブルいらずでラリーが出来るのだとか。たのしそう!
屋外展示
屋外にもたくさんの貴重な展示があります。
まず入り口に入る前から聳え立つ姿が見えるARIANE 5というロケット。53メートルの高さのこのロケットは、実際に近くに行って見ると迫力があります。中にも入ることができ、小さいお子さんたちが宇宙について興味を持つようなコーナーがあります。
またお天気がいい日には、このARIANE 5の脇でペットボトルロケットを飛ばしてロケットが飛ぶ仕組みを学べる実験コーナーもあります。小さい子たちが実際にロケットを飛ばしている姿はとてもキュート。
Station MIRも興味深い展示です。Station MIRとはロシアの宇宙ステーション「ミール宇宙船」のこと。シテ・ド・レスパスには細かいところまで再現されたミール宇宙船があり、中に入ることができます。細かいボタンが沢山あり、無重力の生活をしながら色々な実験や操作を行なっているのだということを理解できます。