
パリで5年連続三ツ星獲得のレストラン「Restaurant KEI」の小林圭シェフが料理監修した映画『グランメゾン・パリ』。劇中で登場するいくつかの料理を、オマージュメニューとして味わえるレストラン「エスプリ セー ケイ ギンザ」をご紹介します。
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「ESPRIT C. KEI GINZA(エスプリ セー ケイ ギンザ)」とは?
虎屋銀座ビルの11階にあるフレンチレストラン「ESPRIT C. KEI GINZA」は、フランス版ミシュランガイド三ッ星レストラン「Restaurant KEI」の小林圭シェフと、創業500年の和菓子屋「とらや」が手掛けるお店です。
写真:bluemoon虎屋銀座ビルの12階には、小林圭シェフが手がけたバー「ST LOUIS BAR by KEI」もあります
写真:bluemoonESPRIT C. KEI GINZAの「C」は、「cuisine(料理・厨房)」、「creation(創造性)」を意味
2024年4月にオープン以来、美食家たちの隠れ家レストランとして知られていますが、木村拓哉さん主演の映画『グランメゾン・パリ』の料理監修もしている小林圭シェフによる、映画の世界観も味わえる期間限定オマージュメニューが話題になっています。(期間限定オマージュメニューは、ESPRIT C. KEI GINZAを含めたKEIブランドの4店舗で味わえます。)
フランスの石の文化と日本の木の文化が出会うモダンな空間の店内、席数は31席(テーブル、カウンター、個室)。檜でできた天井から落ちてくるようなオブジェの照明は、テーブルの料理を美しく照らすよう工夫されているそうです。
中央に大きくオープンキッチンを設え、席からは料理が生まれる過程が見えるライブ感が魅力です。
また、店内奥にはゴージャスな美食の研究所のような個室も1室あります。
天井の配管構造が見えるインテリアは、フェラーリのエンジンルームをイメージしているそう。スイスの高級腕時計「オーデマ ピゲ」のアンバサダーでもある小林圭シェフのこだわりが感じられるディスプレイも。
メニューにはコース料理はなく、アラカルトのみ。創造性あふれる料理の数々を自分好みでコース仕立てに組み立てられます。
筆者は『グランメゾン・パリ』を鑑賞後にお店に訪問し、映画の世界観を感じながら料理を味わいましたが、これから映画を観る予定の方は予習としてお店に訪問するのもよいかもしれません。それでは筆者が味わったメニューをご紹介していきます。
メニューのご紹介
メニューはカテゴリーに分けて記載されており、シグネチャーメニューの肉料理をはじめ、〆のお料理として「カレーライス」や「すき焼き丼」もラインナップ。アラカルトメニューは量がわかりにくいので、オーダーの際悩みそうですが、スタッフさんによると前菜を二品にメインを一品選ぶのが良いそうです。
シャンパンやワインはグラスやボトルの種類が豊富で、ソムリエさんが料理に合わせたものを提案してくださいます。(ちなみに、食後のコーヒーやお茶以外のノンアルコールドリンクなどのメニューブックはないそうです。)
アミューズ(「赤紫蘇のグラニテ」ほか)
お食事前に提供されるアミューズは3品。1品目の「赤紫蘇のグラニテ」は、スプーンに乗った赤い氷菓子。映画『グランメゾン・パリ』公開記念メニューとして期間限定で提供されています。赤紫蘇を煮出したエキスで作られたシャーベットと、オリーブオイルの調和が素晴らしい一品。
2品目の「ヨーグルトムースのタルトレット」は、下の方に鰆のタルタルが入っています。(映画の中でも似たタルトレットが出てきますが、鰯のタルタルです。)軽くて何個でも食べれそうな美味しさ。
3品目は、パスタ生地で作られている真っ黒の揚げパン「ニョッコフリット」に、日本の黒豚の生ハムがのったアミューズ。薄い生ハムとサクッと軽い食感の揚げパンは、口の中であっという間になくなります。
前菜
国産の食材をふんだんに使用した、巻き寿司のような変わった前菜や、キャビアをプラスできる前菜などが並ぶメニュー。生ハムとグリッシーニはワインのお供にオーダーしている人が多かったです。
①最中 キャビアクリスタルKEIセレクション 噴火湾産毛蟹 グリビッシュ
KEIのロゴ入りとらや特製の最中に、KEIセレクションのキャビアや毛蟹がたっぷりのせられた豪華なスペシャリテ。ホウレン草をベースにしたグリビッシュソースがよりリッチな味わいを引き立てる、満足度が高い一品です。最中がこんな風にアレンジされるだなんて凄いアイデアだと思います。
②アメーラトマトのサラダアーモンドミルクとバジル
濃厚な甘さのアメーラトマトにエスプーマ状のアーモンドミルクを添えたサラダは、仕上げに目の前でバジルのグラニテをかけてもらえます。バジルの香りを感じつつ、口の中のトマトと泡状のミルクがとろけます。ハーフでは少なすぎたので、フルサイズをおすすめします。
③巻き 愛知県三河産 鰻の炭火焼き 生山葵
熱々の溶岩の上にのった斬新な巻き寿司。海苔はパリパリで、かすかにワサビの味も感じる“うなきゅう”は、見た目も味も繊細です。
④長谷川農産 ジャンボマッシュルームのフライ ドライトマトバジル
ドライトマトとバジルが入ったジャンボマッシュルームフライは、濃い味のマッシュルームが口の中でとろけます。添えられたスープはフライをいただく合間にいただきます。
メイン
メイン料理のメニューには、金目鯛の鱗焼きや、地鶏の炭火焼、ソースが選べる和牛のステーキなどが並んでいます。〆料理として、カレーライスやすき焼き丼があるのもユニークです。
①鳥山牧場 紡ぎ和牛炭火焼き サーロイン
藁で燻されたステーキの香りを満喫しつつ、断面の美しいサーロインステーキには、ナイフを「RYUSEN」に変えて、フランス料理の伝統的なステーキソース「ソースベアルネーゼ」をつけていただきます。
最高品質の和牛は、焼き加減も絶妙で、お塩だけでも味わい深く感動ものです!
②オマールブルー海老フライ ソースグリビッシュキャビアクリスタル
映画『グランメゾン・パリ』の劇中に登場する「オマール海老フライ」の銀座「ESPRIT C. KEI GINZA」ヴァージョン。真っ黒な見た目にびっくりする海老フライですが、竹墨入りの衣が軽くて、サクッとした食感。タルタルソースの代わりに、ほうれん草がベースのグリビッシュソースとキャビアだなんて、オシャレすぎます。
添えられたエビのビスクは、エビフライにかけるのではなく、エビフライを食べる合間にいただくスープ。こんな豪華なエビフライは今まで見たことがありません。
デザート
デザートメニューは、銀座プリンや最中アイス、パフェなど気になるものばかりですが、映画でも登場したクリームとメレンゲを組み合わせたフランスの伝統菓子「ヴァシュラン」は必食です。
①ヴァシュラン
パリの「RestaurantKEI」のシグネチャーメニューをアレンジした冷たいデザート「ヴァシュラン」。見た目は“洋”ですがソースやアイスには「とらや」の餡が使われ、柚子も効いた“和”を感じる逸品です。季節によってフレーバーが変わるそうなので、また季節を変えて訪問したくなってしまいます。
②タルトショコラ
寒い季節に食べたい焼き立ての温かいタルトショコラには、口直しにアイスクリームをいただくスタイル。
この記事を書いたトラベルライターから一言
美食の街・銀座にあり、“美食家の隠れ家”をコンセプトにしたレストランのご紹介はいかがでしたか。一人分で、アラカルト4品、シャンパン1杯、コーヒー、ミネラルウォーターで約25,000円でした。一品一品の満足度が高く、このくらいの量で十分でした。フレンドリーなスタッフさんからも「バランスの良いコースになっています」と褒めていただきました。映画『グランメゾン・パリ』の世界観を感じられる料理を味わいたい方には、ぜひ訪れていただきたい名店です。

- エスプリ・セー・ケイ・ギンザ
- 銀座・有楽町・築地 / フレンチ
- 住所:東京都中央区銀座7-8-17 虎屋銀座ビル11階地図で見る
- 電話:03-6274-6611
- Web:https://www.maisonkei.jp/esprit_c/