丸い窓と四角の窓。テレビや写真でこの風景を見たことがある方は多いのではないでしょうか。この2つの窓が並ぶ風景は、京都の源光庵(げんこうあん)というお寺で見られます。秋には窓から美しい紅葉が見られるので、観光に訪れる人も多いです。都心からは少し離れていますが、ここでしか見られない血天井や2つの窓は必見。今回は京都北部にひっそり佇む源光庵をご紹介します。
この記事の目次表示
源光庵の歴史
源光庵は、1346年に大徳寺の徹翁国師(てっとうこくし)によって臨済宗のお寺として創建されました。その後1694年、加賀大乗寺の山道白禅師(まんざんどうはくぜんじ)が曹洞宗のお寺として再興しました。
源光庵の見どころ
源光庵で特に知られているのは、血天井と2つの窓(悟りの窓と迷いの窓)です。
血天井
本堂の天井を見上げると、血痕が見られます。
ところどころに足跡や、手の跡が見えるのがわかるでしょうか。
少しドキッとする天井の血の跡。この源光庵で争いが起きた時の血痕のように見えますが、そうではありません。これは伏見桃山城の遺構なのです。
1600年、徳川家康の忠臣と石田三成の軍勢による戦いがあり、多くの死者が出ました。その戦いで流れた血が床に残ったわけですが、亡くなった人たちの魂を冥福しようと、床板は5つの寺院にわけられました。その一部がこの源光庵に奉納され、床板を天井にあげて参拝者が見られるようになっています。
悟りの窓と迷いの窓
本堂の一室には、形の異なる窓が2つ並んでいます。源光庵の象徴的な光景です。
円型の窓は悟りの窓。「禅と円通」の心を表し、円は大宇宙を表現しています。
角型の窓は迷いの窓。「人間の生涯」を象徴し、生きることや病、死ぬことなど、人間の四苦八苦を表現しています。
それぞれの窓の前に座り、景色を見入るように窓を見つめる人たちもいます。悟りの窓と迷いの窓。今悩んでいること、これからの人生のこと…人によってその窓を通して見える景色は異なるのかもしれません。
秋になると美しい紅葉が見られ、多くの観光客がこの窓を見に来ます。紅葉の名所が多い京都の中でも、人気スポットのひとつです。
源光庵へのアクセス
源光庵は京都の鷹峯(たかがみね)というところにあります。鷹峯は京都の北西に位置しており、都心からはかなり離れているのですが、紅葉の美しいところです。
電車の最寄駅はないため、電車とバスを使って行くことになります。京都駅から市バスで約45分、または京都市営地下鉄烏丸線の北大路駅から市バスで約20分です。
おわりに
悟りの窓と迷いの窓を見つめることは、自分の心と対話する時間を与えてくれるかもしれません。にぎやかな京都の町から少し離れ、この静かな空間に訪れてみませんか。
- 源光庵
- 今出川・北大路・北野 / 寺 / 紅葉 / 庭園の名所
- 住所:京都府京都市 北区鷹峯北鷹峯町47地図で見る
- 電話:075-492-1858
- Web:https://genkouan.or.jp/