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ピラミッドより古い!?古代人類のルーツを知るアイルランドのニューグレンジ遺跡

取材・写真・文:

東京在住
訪問エリア:35ヶ国

2017年7月12日更新

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写真:aka-region

アイルランド共和国には、ストーンヘンジにも似たミステリーサークルのある古代遺跡が各地に点在しています。中でも首都ダブリンから車で約1時間のところにあるブルー・ナ・ボーニャ遺跡群(ニューグレンジ、ノウス、ドウス)には、エジプトのピラミッドより500年前に起源をもち、イギリスのストーンヘンジより1,000年も前につくられたと言われている先史時代の古墳があります。今回は、古代人類について知る手がかりとなる、ニューグレンジ遺跡を中心とした遺跡群についてご紹介します。

この記事の目次表示

先史時代のスポットが点在するアイルランド・ミース州

ダブリンから車で北へ約40分のミース州(Meath)に約5,000年前の巨大な古墳があります。それがブルー・ナ・ボーニャ遺跡群(ニューグレンジ、ノウス、ドウス)です。

起源は、エジプトのギザのピラミッドより500年古く、イギリスの巨石群ストーンヘンジより1,000年も前に起源をもつと言われています。

  • 写真:aka-regionのどかなアイルランドの風景

ミース州には、ブルー・ナ・ボーニャ遺跡群の3つの遺跡だけでなく、丘の上に立てばアイルランドのすべての土地が見渡せると言われているタラの丘など、アイルランドの先史時代を知られるスポットが約40箇所ほど点在しています。

  • 写真:aka-regionボイン渓谷ビジターセンターからニューグレンジ遺跡のシャトルバス乗り場に向かう。

3つの遺跡(ニューグレンジ、ノウス、ドウス)に行くにはボイン渓谷ビジターセンター(Boyne Valley Centre)から入場し、施設が運営するシャトルバスに乗って各遺跡の入口まで行きます(ただし、ドウス遺跡には止まらないのでニューグレンジ、ノウスからの帰りにシャトルバスを途中下車すること)。

また、個人での見学はできず、ガイドツアーへの申し込みが必要となりますので、まずはボイン渓谷ビジターセンター(Boyne Valley Centre)を訪れましょう。

  • 写真:aka-regionビジターセンターから各遺跡へ向かうシャトルバス
ボイン渓谷ビジターセンター(Boyne Valley Centre)
アイルランド / 観光案内所・ビジターセンター
住所:Oldbridge House, Battle of the Boyne Visitor Centre, Drogheda, Co. Meath, アイルランド地図で見る

ニューグレンジ(Newgrange)遺跡

  • 写真:aka-regionエジプトのギザのピラミッドより大きいと言われるニューグレンジ遺跡

ブルー・ナ・ボーニャ遺跡群の中心で最大の遺跡がニューグレンジです。ビジターセンターからシャトルバスで約5分、ニューグレンジ遺跡にはお椀をひっくり返したかのような形の遺跡が多くあります。

中でも最大の遺跡へは、大人1人がやっと入れるほどの幅の石でできた通路を歩き、専門ガイドの案内のもと、中へ入ることができます。

  • 写真:aka-regionニューグレンジ遺跡の入口

1年に1度、1筋の太陽の光がニューグレンジ遺跡の中心部まで入り込む時があります。それが1年で最も日の短い冬至です。ニューグレンジをつくった古代の人々は天体の動きを観察しながら、何らかの目的のためにこうした驚くべき構造をつくりあげたのです。

  • 写真:aka-regionニューグレンジ遺跡の内部。1年のうち冬至の日の出だけ一筋の光が中心部にまで入る。

また、ニューグレンジはもちろんのこと、ノウス、ドウスの遺跡でも見られる特徴的な模様が、岩に書かれた渦巻き模様です。これは、ケルト人が渡来した時代に描かれたものであると言われています。

古代ケルト時代の宗教では、仏教と同様の輪廻転生の観念があったとされ、この渦巻きはそうした人間の輪廻を表現していると言われています。

  • 写真:aka-regionニューグレンジ遺跡の渦巻き。

ブルー・ナ・ボーニャ遺跡群の近くには、小規模なノウス(Knowth)遺跡とドウス(Dowth)遺跡が隣接しています。

  • 写真:aka-regionノウス(Knowth)遺跡

ニューグレンジのように内部に入ることはできませんが、いずれも石で囲んでできたドーム型の構造をしています。

  • 写真:aka-regionノウス(Knowth)古墳

耳をすませば太古のアイルランドの人の息吹が聞こえてきそうなところです。

ニューグレンジ遺跡
アイルランド / 遺跡・史跡
住所:アイルランド ミーズ Donore, ニューグレンジ地図で見る
ノウス遺跡
アイルランド / 遺跡・史跡
住所:アイルランド ミーズ Donore, ノウス地図で見る
ドウス遺跡
アイルランド / 遺跡・史跡
住所:Dowth, Co. Meath, アイルランド地図で見る

タラの丘(Hill of Tara)

ニューグレンジ遺跡のほど近くに、アイルランド人の心の故郷のような美しい丘があります。それがタラの丘(Hill of Tara)です。

  • 写真:aka-regionニューグレンジとタラの丘の位置関係

映画『風と共に去りぬ』で語られる有名なセリフに「タラへ帰ろう」がありますが、これはタラの丘=アイルランド人の心の故郷に戻ろうという意味とされています。

かつて紀元前200年頃、アイルランドに移住してきたケルト人が大小の国を建設してきたとき、タラ王という最上位の王位を柱とする国を形成しました。タラ王はその頃から宗教色の強い存在であり、やがてタラの丘が現在にも繋がる聖地となりました。

タラの丘の心臓とも呼べるのがKing' Seatの立石The Lia Fail(Stone of Destiny)です。5,000年以上もの前のものとされています。

  • タラの丘の立石

タラの丘の上からは、アイルランドのすべての土地が見渡せると言われているほど、どこまでも続く緑の大地を眺めることができます。

自然が豊かな土地でありながら、山が少なく、丘陵地帯の広がるアイルランドの大地に吹き抜ける風を、身体いっぱいに感じられる場所です。

  • 写真:aka-regionタラの丘からのアイルランド田園風景
タラの丘
アイルランド / 遺跡・史跡
住所:Hill of Tara, Castleboy, Co. Meath, アイルランド地図で見る

おわりに

アイルランド人の心の原点を探す、ニューグレンジ遺跡とタラの丘への旅。太古から変わらないのどかなアイルランドの原風景を見られる、首都ダブリンからの日帰りトリップに最適なスポットです。

  • 写真:aka-regionタラの丘にある妖精が集まるフェアリー・ツリー

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この記事を書いたトラベルライター

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計4年間、ヨーロッパ(フィンランド、アイルランド)で住んでいる間に見聞きしたこと、経験したことを紹介します。旅のテーマは、「暮らすように旅をする」。旅のある暮らし方、ライフスタイル、文化に関する情報を発信していきます!

♬Countries & Areas: Europe (アイルランド、フィンランド他),日本(島根、山陰地方、東京他)
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